「自分の技術で、誰かの役に立つこと」生涯エンジニアを貫く男の流儀

いまやアジアトップクラスのAtlassianパートナーとなったリックソフト。創業期は何の変哲も無い開発会社でした。そんな当社を初期から支えてきたのが、プリセールスとして顧客支援を一手に担う樋口晃。会社の拡大をけん引し、育成を担って来た彼は今なお、現場の最前線に立ち続けています。
  • eight

偶然とタイミングが引き寄せた大きな出会い

63ce4ce6271d6b32f307bd4c0bd3c748122db3cf
▲入社してまだ10年。常に勉強をし成長するエンジニア

樋口がリックソフトの代表取締役・大貫浩と出会ったのは、当社が設立されて2年が経った2007年頃。オープンソースのソフトウェアプロジェクト「Apache Geronimo」の日本ユーザー会がきっかけでした。

当時フリーランスのエンジニアだった樋口。このユーザー会で大貫から「一緒に仕事をしませんか」と声をかけられたのです。

樋口 「そのときは別の仕事があったのでお誘いは全部断ったのですが、それからしばらくして就職を考えるようになって。で、ある会社の面接を受けたことをブログに書いたら、それを見た大貫が電話をくれて『一緒に仕事がしたい』って言ってくれたんです」

1本の電話がきっかけとなり、リックソフトに入社を決めたのは2008年。当時は自社でシステム開発をするのではなく、客先に常駐してシステム開発からサポートするというものでしたが......樋口が入社して少し経った頃、なんとAtlassian製品を取り扱う代理店から「撤退するので、引き継ぎ先を探している」と声をかけられました。

樋口 「大貫が社員を集めて『この仕事をうちでやってみようと思うんだけど、みんなはどう思う ?』って聞いたんです。そしたらみんなが『すごくいい製品だし、可能性があるからやりたい』 って。それで、まず僕だけがAtlassianの仕事に取り掛かることになったんです」

しかし、最初はまったく売れず。Sler(エスアイヤー)のようにインストールをしてカスタマイズするという仕事をやっていきながら、その経験・知識をセミナーやホームページに公開したら、 少しずつお客様に信頼されるようになり、お客様が買ってくれるようになりました。

お客様との信頼を築くという大切さを、あらためて感じました。

エンジニアリングを追求すると、プリセールスの仕事が面白くなる

樋口の仕事はプリセールス。営業担当と共にお客様のもとに出向いては、エンジニアの目線で商品のことを説明し、システムの理解を深める手伝いをしています。

そんな樋口が心がけているのは、お客様にとって本当に必要なものを提供すること。当たり前のことですが、無理に売るのではなく、きちんと役立つものを提供するということは、意外と難しいものなのです。

樋口 「まず最初にお客様と話したときに、お客様が抱える問題を汲み取りつつ、お客様の製品への理解度を確認します。お客様によっては、現場の人ではなく偉い人が来る場合がありますからね。
そうなると当然、製品の説明だけをされてもピンとこない。だから、話をしている相手の業務や役割に合わせた説明をする必要が出てくる。その時は、一度自社に戻ってそのお客様に合わせたプレゼン資料や簡単なプロトタイプを作成し、もう一度、業務利用をイメージした話をします

もちろん、Atlassian製品では解決が難しい場合もあります。その場合は素直に「Atlassian製品 では、その問題解決は無理そうです」とはっきりと伝えるのが樋口のルール。

提供する製品がどんなに良くても、お客様が抱える問題を解決しなくては意味がありません。それには努力を惜しまず、何度も足を運んで、お客様と一緒になって問題を解決する必要があるのです。

樋口 「お客さんが困っていると、なんか助けたくなっちゃうんですよね」

お客様一人ひとりに寄り添い、具体的でわかりやすい提案をする――。それは単なる営業マンではなく、エンジニアだからこそできること。そんな樋口は、お客様にも後輩にも信頼されるエンジニアとして、みんなに慕われています。

教えすぎずに側で見守る、メジャー式人材育成

6afae0f8d7fbe44cfc339f371d4a8d8cdb41c3d0
▲野球好きならではの育成方法が樋口の特徴。手取り足取りというより、いい意味で放任型です

いちエンジニアとして、いちプリセールスとして歩むべき道を指し示している樋口ですが、以前は人材育成にも携わっていました。そのポリシーは「自分で考えてもらい、気づいてもらうこと」。

これは、メジャーリーグの育成方法と同じです(樋口は野球好きでロッテファン)。バットの振り方や球の投げ方などすべていちから教えるのではなく、基本を教えたらあとは自由に学ばせる。自分で考えて動かないと技術や知識は身につかない、という考え方です。

樋口 「もちろん必要最低限は教えます。その先は、わからない人はケアするし、安易に『わかりました』という人には、わかってないでしょって言います。大事なのは、その人に合った目標を与えること。
目標があれば人は勝手に育ちます。この地点まで到達したいという目標があれば、わからないことに対して自分で取り組むでしょうし、一つひとつを真に理解する努力をするはずです」

そんな樋口のスタイルが合わず、辞めてしまった人もなかにはいましたが、逆に「初めて仕事が楽しくなった」と喜んでくれた人間もいました。

それまで「こうやれ」と言われたことを丸呑みして仕事をしていたが、壁にぶち当たってしまった当人。そこで樋口が「かんたんだよ」とプログラムが動く原理を説明すると、「javaという言語の理屈が初めて理解できて楽しくなった」と嬉しそうに笑い、仕事の本質に気づくことができたのです。

なんでもそうですが、基本を学んだら、あとはチャレンジが大事。学んだことはすぐに実践してみる。失敗しても成功しても、それは本人の経験と知識になります。本人次第でどこまでも成長し続けられる。それが樋口なりの育成における、こだわりでもあるのです。

管理職が全てではない。50代でスペシャリストとして生きる楽しさ

B4d5391be716f63117f1a1ba3dcf3d569e581e05
▲「僕はあくまで職人肌だよ」と言いながらも面倒見がいい樋口。誰からも愛される、マスコット的存在なのかもしれません

樋口は現在、50代。ほかの会社だったら、マネージャーになって現場から離れていてもおかしくない年齢です。実際、以前勤めていた会社ではマネージャーを務めたこともありました。が、「全然向いてなかった」と樋口は振り返ります。

樋口 「たぶん上に立つのが向いていないんです。それに、自分でシステムをいじりたいし、新しいことにもどんどん挑戦していきたい。マネージャーになったら、それができないんですよ」

リックソフトは、代表取締役である大貫がエンジニア出身。ですからエンジニアの技術を大事にする会社であることは言うまでもありません。だからこそ、年齢的にはマネージャー格の樋口を、いちプレイヤーのままでいさせてくれます。

年齢は関係なく、最大限に個人の能力を発揮できる――。それが、リックソフトという土壌です。そんな土壌でこれから育っていく人材について、樋口は「自己満足ではなく、お客様や周りの人に貢献することが楽しい、嬉しいと言える人に育ってほしい」と言います。システムは使ってもらってこそ価値があるものです。自己満足では意味がないですし、「そんな人は面白くない」とのこと。

樋口 「やっぱり、みんなにプロを目指してほしい。なんとなくエンジニア、プリセールスの仕事をするのではなく、この業界でやっていくんだって強い気持ちで突き詰めていく。やらされているだけだと楽しくないし、ダメだと思うんですよね。
エンジニアとしての原動力ーー。誰かがよろこんでくれるから。エンジニアという仕事は、常に新しい技術を身につけていかなくてはなりませんので、日々勉強が必要です。それに技術だけ追いかけてもダメなんです。
お客様の手助けをするには、お客様が何をやりたいのか?何に悩んでいるのか理解できないとお客様のためになるシステムをつくることはできないんです。自分の技術・経験・ノウハウで、新しいものをつくって、それを使って誰かがよろこんでくれる。誰かの役に立つことを考えると本当にワクワクしますよね」

みんなに信頼されるプロフェッショナルであり続けること。これからも樋口はプロフェッショナルなエンジニアとして、スペシャリティを追求していきます。

関連ストーリー

注目ストーリー