強みは必ずある。そこをいかに研ぎ澄ましていくかーー真のグループ融合を目指して

従業員数5360名(※2017年3月現在)で構成される新生銀行グループ。激動の金融業界で生き残っていくためには、グループの融合が必要不可欠です。その推進のために、2017年4月、「クロスカンパニービジネスユニット」が新設されました。今回はこのユニットに飛び込んだ中途入社社員の物語をお届けします。
  • eight

融合して終わりではない、シナジーを生まなければ意味がない

54271a93ddf6bd19e4342af4dd14cb1a1ace83db
▲アナリティクスユニットをけん引する樋口雄飛

新生銀行グループは新生銀行、新生フィナンシャル、アプラスフィナンシャル、昭和リース、新生証券、新生信託銀行、新生インベストメント&ファイナンスなどからなる企業体です。

“グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること”を掲げ、融合から次はシナジーを生むフェーズへとシフトしています。

しかし、「やろう!」という号令を出すだけでは容易に実現はできません。ここで新生銀行グループは、ビジネスにおいてグループの機能をお客さまの軸に沿って最大限に発揮し、グループ会社間の各種の取り組みを促進するため、会社をまたぐメンバーで構成される「クロスカンパニービジネスユニット」を2017年4月に設置しました。

このユニットの役割は、各社が持つ人財、ビジネスの基盤、商品力や開発力を活かした「ビジネスの融合」をスピーディーに推進するというもの。金融法人、個人、法人カバレッジなど計5つのユニットが存在しますが、ひとつ異色とも言えるユニットがあります。

それが、各社の持つデータを活用してビジネスを推進する「アナリティクスユニット」。ビジネス、法務コンプライアンス、IT、マーケティング、リスクマネジメントなどグループ各社の各部署を横断したメンバー約50名が関わっています。そんな異色のユニットをけん引するのも、これまた異色、大手コンサルティング会社から中途入社した樋口雄飛です。

担うのはグループ企業のデータを集約し、サービスを磨き上げていくこと

5ca68222582e85e07cbc1978f7c462777803fb90
▲樋口は「あえて、未知の領域に飛び込んで勝負したかった」と語る

樋口は新卒で大手コンサルティング会社に入社し、約9年間、 様々な企業の事業戦略・業務改革等経営支援を担当していました。実はその中で、新生フィナンシャルのコンサルティングにも携わっていたのです。

樋口「新生フィナンシャルの前社長である杉江陸の話がすごく面白くて、それに惹かれて入社を決めましたね。当然、業界経験はありません。ただ、あえて未知の領域に飛び込んでみたんです、勝負してみたいと」

入社後は、新生フィナンシャルと新生銀行の業務を8:2で兼務し、新生フィナンシャルでは、無担保カードローンの与信戦略立案やデータを活用した社内向けのコンサルティング業務を担当。新生銀行ではAIを用いたデータ分析を担うなど、経験のなかった領域に果敢にチャレンジしています。そしてユニットに参加しないかと声をかけられ、グループ融合に挑んでいるのです。

樋口「このユニットは新生フィナンシャルや新生銀行、アプラスなどから様々な領域の社員が集まっています。 2018年 4月現在は主に『グループ統合顧客データベース( YUI Platform)』の構築を進めています。これはグループ会社の顧客データを1カ所に集約しようという試みです」

この取り組みがもたらすもの、それは今まで連携のなかったグループ会社間での個人情報が一体化できるようになる、いわば革新的なもの。

樋口「新生銀行グループのお客さまのお取引や行動をグループ全体で可視化し、一人ひとりのお客さまに最適なサービスをご提供するんです。
例えば、アプラスでグレードの高いクレジットカードをお持ちのお客さまに対しては、資産運用のご提案をしてみる。また、新生銀行の口座にそれなりの残高があるお客さまの場合、仮に無担保ローンでお支払い遅れが起きても、ご返済いただける確率が非常に高い。だから、今すぐにご案内しなくてもいいかもしれない。
このようにグループ間でのデータを活用して、よりお客さまにとって使いやすいサービスへと磨いていくことを目指しています」

様々な背景や役割を持つグループ会社の社員と連携をはかる中で、かなり気を使ったことがあると言います。

樋口「はじめに注意したのは、新生フィナンシャルのプロジェクトだと思われないようにすること。まずは新生銀行グループのプロジェクトということを理解いただくために、誰に協力してもらうのがいいのか、誰に側面から支援してもらったらいいのか、そのために自分はどう動いたらいいのかを考えました」

ある施策が、ある企業にとってはいいことで、もう一方にとっては不都合なこともある。そういったグループ間の意見の取りまとめには苦労したと言う樋口。最初は、スムーズにいかないことも多かったと言いますが、それでも、「とにかく真剣に、折れずに進む」ことで、印象が少しずつ変わっていったことを実感しています。

樋口「今、仲良くやっているメンバーでも、最初はいろいろと突っ込まれることもありましたよ(笑)。それでも意図を丁寧に説明し、一つひとつのことを真剣に取り組んだ結果、今では、チームの一体感も出てきて、みんなが共通のゴールに向かって自律的に動いてくれていると感じますね」

自ら手を動かすからこそ、見えてくるもの、つかめたものがあった

Bbab82dc3aeff55fe501dcd6aee68194f7e30e6d
▲樋口はオープンイノベーション推進の取り組みにも関わっている

樋口は、アナリティクスユニットだけでなく、実際のデータを活用したオープンイノベーション推進の取り組みにも関わっています。

そのひとつが大学生、大学院生を対象として、2017年3月に9日間かけて開催された「新生フィナンシャルハッカソン」です。これは個人向けカードローンの実際のデータを用いて、商品に申し込んだお客さまの貸倒確率の予測モデルを開発してもらうイベント。

2017年は新生フィナンシャル独自の取り組みでしたが、2018年3月の第2回目からは「新生ハッカソン」に名前を改め、グループ全体で取り組んでいます。

このイベントについて樋口はこう、振り返ります。

樋口「目的はオープンイノベーション推進にくわえて、データサイエンス人材の発掘です。この領域の人材は金融業界をはじめ、いたるところで不足していると思ったんです。しかしイベントの開催当日まで、苦難の連続でしたね」

熱い想いのもと立ち上がったこのイベント。しかし、参加者集めや運営にはかなり苦労したと言います。世の中の認知が低い、初めてのイベントに参加者を集めるにはどうしたらいいのか。Webサイトで募集しただけではこのイベントの存在を知ってもらえない。何のコネクションもない大学のゼミを訪問するなど、やれることは何でもトライ。その努力も実を結び、なんとかデータサイエンティストを目指す参加者6名が決まったのです。

しかし、まだまだ息つく暇はありません。

樋口「学生たちには python(パイソン)というプログラミング言語を使用してもらうようお願いしたため、素人である自分たちも理解する必要がありましたね」

そのため、通常業務の終了後、運営メンバーで集まり、言語の習得に励んだのです。

樋口「学生は、pythonを知っているので、当然私たちより書けるわけです。ですから短期間で完璧な習得は難しいわけなので、標準的な開発環境を構築し、学生に提供する。そこに大きな学びがあったと思います」

参加者集めはもちろん、開発環境の構築まですべて社員の手によって実施されたこのイベントは、大成功に終わりました。あくまでオープンイノベーションが目的でしたが、結果的に参加者のうち2名の採用にもつながったのです。また、イベントで刺激を受け、ライブラリの自社開発のきっかけにもなるという、様々な副次的な効果を生み出しました。

樋口「 2016年までは SAS言語しかやってなかったですけど、2017年には全部 pythonに移行しようとして、半年くらいかけて、pythonを使った機械学習の AI系のライブラリを自社開発して整えました。これからアプラスに対してスコア開発をして、データ提案を提供するという試みができそうです」

時代が激しく動く今、一人ひとりにできることは何なのか

927eff69b2306109d55add1ec00a8e62315b5f79
▲ハッカソンチームのメンバー。「一人ひとりの変化がグループ全体を変える」と樋口は信じている

短期間で様々なプロジェクトを牽引し続けてきた樋口。この会社を社内、そして社外からも知る彼だからこそ、見えてきた新生銀行グループの強みがあると語ります。

樋口「新生銀行グループは、メガバンクに比べたら、規模で勝てないことは明白です。リソースを投入できる領域は一部。だからこそ、競合にはない強みを見つけてそこにグループ一体で注力することができる。
また、規模的にも小回りが効くので、スピード感を持って一部の領域に絞り込めれば、競合に十分勝てるのではないかと思っていますね」

フィンテックの登場や異業種の参入など、金融業界を取り巻く環境はものすごいスピードで変わっていきます。その変化に対応するだけでなく、「変化の最前線」にいることで、真の意味での勝者となれる。

その状況の中で樋口は、グループ融合のメリットを最大限活かすため、「グループのデータを集約したデータベースの構築を早く完成させたい」と言います。

樋口「せっかくグループ融合を進めているので、グループ間の様々な情報を使ってできることを探していきたいと思います。ノンバンクも含めた多様な金融商品に関する顧客データを統合したデータベースを構築するというのは、おそらく金融業会でも先進的な取り組みとなるはずなので、それを新生銀行グループの武器にしたいという想いは強いですね」

どんなことがあっても諦めず、がむしゃらに立ち向かってきた樋口。彼自身、そしてユニット全体でも大切にしているスタンスがあります。

樋口「ユニットでもよくメンバーと議論する時にも礎にするのですが、お客さまにどんな付加価値を提供すればいいのか。
また、自分が顧客だったらどういう銀行グループと付き合いたいかを自分の担当分野に限らず考えて行動することが大切だと思います。一人ひとりの変化がグループ全体を変える、そう強く信じています」

大手の銀行ですら先行き不透明と言われるこの時代に、新生銀行グループならではの強みと真正面から向き合い続ける樋口。彼とアナリティクスユニットの挑戦はまだ、はじまったばかりなのです。

関連ストーリー

注目ストーリー