積み重ねてきた経験が、仕事をもっと豊かにするーー弁理士・本木久美子の生き方

ワークライフバランスや副業など、さまざまな企業で「働き方」の改革が進む現在。正林国際特許商標事務所でも、所員に対してできる限りの「自由な働き方」を推奨しています。今回は、そんな当事務所のスタンスを体現している所員のひとり、弁理士・本木久美子のストーリーをお届けします。
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30代のシングルマザーとして、手に職をつけるために弁理士を目指す

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男女関係なく仕事ができて、経済的にもきちんと自立できる職業は何か――? 30歳を越え、幼い子どもを抱えた本木久美子がたどりついたのが、弁理士の仕事でした。

本木はもともと、理工学部の出身。大学卒業後は、研究職として大手電機メーカーの研究所に入社し、半導体装置に関する研究開発に携わっていました。しかしそれから5年後には別の道を考えるようになります。

「学生時代からボランティアや、発展途上国の支援などに興味があったんです。そこで入社して5年が過ぎたとき、一念発起して会社を退職し、海外青年協力隊に志願しました。ところが渡航直前に不慮の事故に合い、行けなくなってしまって……」(本木)
結局海外に行く願いは叶わず、仕事も辞めたタイミングで、本木は結婚することに。そのまま専業主婦となり、夫の留学に同行してアメリカのアリゾナ州で暮らすようになりました。

しかしそれからさらに5年後、本木に試練のときが訪れます。

「アメリカで2年間暮らした後、離婚し、子どもを連れて帰国することになったんです。でもそのとき、私はすでに30歳を超えていました。かつて理系の専門職だったとはいえ、キャリアのブランクもあり、おまけにシングルマザー。なかなか仕事は見つかりませんでした」(本木)
自分と子どもとの生活を支えるため、手に職が必要……そのとき本木の目に留まったのが、弁理士の資格だったのです。

「企業で開発の仕事をしていたので、特許関連の仕事にはすでに馴染みがありました。当時の自分が身につけていたのは、理系の専門知識と英語。海外青年協力隊に志願したときに日本語教師の免許も取っていたので、文書作成もできると思いました。ここから人生を挽回するためにはもうこれしかない、と」(本木)
本木はこの運命的な出会いをものにすると誓い、紆余曲折を経て身に付けてきた自身のスキルを総動員して、弁理士の世界に飛び込むことにしました。

「子どもにあきらめる姿は見せられない!」9年越しの資格への道

弁理士の資格取得は非常に狭き門。本木も合格するまで9年の年月を費やしました。彼女は勉強をしながら、いくつかの弁理士事務所で働き経験を積みました。

「子どもを育てながら資格の勉強をするのは大変でしたが、やるしかありませんでした。子どもに対しても、自分が一度志した道をあきらめる姿は見せたくなかったので」(本木)
懸命の努力の甲斐あって、本木は2005年、晴れて弁理士資格を取得。そして、正林国際特許商標事務所(以下、正林事務所)に入所しました。

「正林事務所は人材にも仕事にも多様性があって、自分の性格に合っていると感じました。きちんと成果を出していれば、仕事を一人ひとりの所員に任せてくれることも大きかったですね」(本木)
また勤務時間や報酬体系の考え方も、本木にとっては十分に納得ができるものでした。

「基本的にはフレックスタイム制なので、所員は自分のペースで働くことができます。私は朝型なので、朝7時半に事務所にきて、17時半には帰るようにしています。長期休暇なども、自分の裁量で取ることができます。多様な働き方が受入れてもらえるので、私に取ってはありがたい職場ですね」(本木)
もちろん、多様性と個人の自由が受入れられるのは、各所員がしっかりと自分の役割を果たしたうえでのこと。その分、一人ひとりが仕事で出した成果に対しては、給与面でも明瞭なインセンティブがつくシステムになっています。そうした事務所のスタイルが、「働く母」であった本木にマッチしたのです。

「同僚には産休から戻ってまた働きはじめる人や、時短勤務で仕事をしている人など、さまざまな所員がいます。これからは家族の介護を背負う人も増えるでしょうから、育児中の女性だけではなく、男性にとっても非常に働きやすい環境だと思います」(本木)

副業もOK! “もうひとつの顔”を持つことで、仕事がさらに充実

本木が正林事務所の柔軟な働き方を支持するのには、子育て・家庭との両立の他にもうひとつの理由がありました。

実は彼女、弁理士の他に「写真家」としての顔を持っているのです。写真は国内外で数多く展示され、写真集も発売されています。展示や撮影のため、休暇を利用して海外に出かけることもあります。

「この事務所は副業もOKなのです。だから自分のやりたいことと仕事を、バランスよく両立できています。同僚も私の展覧会に来てくれますし、所長である正林が作品を購入してくれたこともありました」(本木)
一人ひとりが自由に、そして柔軟に、理想のライフスタイルを実現できればいい――彼女の働き方はそんな正林事務所の考え方、価値観を体現しているものだといえます。

そしてさらに、本木のこの趣味はプライベートだけで終わりませんでした。当事務所で、カメラ関係のクライアントを担当していた時期もあったのです。

「自分が担当した製品が発売されるたびに、『あの新製品の特許は私が担当したのだ』と誇らしい気持ちになりました。また、長年ずっと担当させていただいてきたので、先方の社員の方とも親しくなりました。私の展覧会に来てくださるなど、個人としての交流もうれしいものです。このようなクライアントさんと出会えるのは幸せですね」(本木)
厳しい弁理士への道を歩み続けると同時に、自分が好きな写真にも打ち込んできた本木。長い時間をかけてふたつの異なる世界が交錯したとき、彼女にとってかけがえのない仕事が生まれたのです。

積み重ねてきた人生のバックグラウンドが、最大限まで活かせる場所

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30代前半でシングルマザーとなってから一念発起し、意志を貫いて弁理士になった本木。

子どもも成長し、現在は仕事に趣味にと充実した日々を送っている彼女ですが、また新たにチャレンジしてみたいと考えていることがあります。それは、海外の仕事。なかでも学生時代から興味を抱いていた、発展途上国に注目しています。

「アジアやアフリカ、中南米などの知的財産に関する詳しい知識を学び、その道のスペシャリストになりたいと考えています。この事務所は海外に対してもオープンなので、いずれきっと、そういった国にも進出する機会があると思っています。そのときに備えて、自分なりに準備を進めておくつもりです」(本木)
大学の理工学部で学んだこと、電機メーカーで半導体に関わる研究をしていたこと、アメリカで暮らして語学を磨いたこと、本格的に取り組んだ写真、そしてかつて興味を持っていた発展途上国への想い――。本木がこれまで経験し、積み重ねてきたバックグラウンドの一つひとつが、弁理士としての彼女の仕事に確実につながっています。そしてそれは、本木以外の所員にもいえることです。

「この事務所の弁理士はみんな個性的で、それぞれの経験を仕事に活かしている人が多いです。多様なバックグラウンドをもとに、クライアントからの信頼を得ていると思います。ただし現状に甘んじず、常に新しい知識を吸収しようとするアグレッシブな方も多いので、見ていて気持ちいいですね」(本木)
徹底した実力主義を貫きつつ、可能な限りフレキシブルに個人のワークスタイルを受け入れるのが、正林事務所が目指している在り方です。その受容性を最大限に活かし、本木はこれからも、当事務所の弁理士としてはもちろん、ひとりの人間として、女性として、さまざまな活躍を見せてくれることでしょう。

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