特許を巡る争いを未然に防ぐ、最強の一手を打つ ーー特許庁OB・小菅一弘の明察

単に特許をとるだけでは知的財産を守ることはできません。正林国際特許事務所は、その事実をもっとみなさんに知ってほしいと考えています。弁理士・小菅一弘の仕事は、知的財産の活用と保護。発生した権利の有効性を評価したり、権利侵害の可能性を調査すること。彼はクライアントの権利をどう守るのでしょうか?
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天職だった審査官の見識を活かせるのが、正林事務所の「弁理士」という仕事

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知的財産とひとくちにいっても、特許、実用新案、意匠、商標などその種類はさまざま。正林国際特許事務所(以下、正林事務所)では、これらすべての知的財産に関する権利化や保護、そして活用に関するサービスを提供しています。

正林事務所に在籍する50名の弁理士は、それぞれの得意分野を生かしながらチームでクライアントの課題解決に当たっています。その中で小菅一弘が担当するのは、知財評価や、侵害訴訟にまつわるもの。 

小菅 「知財評価は発明した技術を総合的に分析し、その価値を伝えるレポートです。特許侵害が起きた場合の賠償額の予測や、投資家に企業価値を伝える材料に活用していただいています。侵害訴訟はどちらかというと、争いになる前にうまく収めるのが重要です。発売予定の製品に対し、特許侵害の可能性を事前に調べて回避措置を検討しています」

これらの業務は知識のみならず実務経験が必要なため、担当できる弁理士の数は限られています。正林事務所では、かつて特許の審査・審判に携わってきた特許庁OBが活躍している分野。小菅も特許庁出身です。

特許の審査を司る特許庁でのキャリアは、審査官・審判官とステップアップするのが一般的。しかし小菅は、さらに知的財産高等裁判所(以下、知財高裁)で調査官としての実務経験を積み、さまざまな侵害訴訟事件を実際に取り扱ってきました。

小菅 「特許庁の仕事は天職だと思っていました。だから仕事がすごく楽しかったですね」

そして退職を機に、自分のキャリアを活かせる仕事を探して弁理士の道へ。正林事務所に魅力を感じ、その門戸を叩きます。

小菅 「弁理士事務所の多くは、特許の出願手続きに特化しています。ところが正林事務所は知的財産全般にわたって幅広く扱っているし、サービスも知財評価から裁判、クライアントのフォローまで多岐に渡る。私の経験を活かすならここだなと思いました」 

日本全体で特許出願が減りつつある今の時代に、正林事務所は知的財産の発掘を手伝ったり、取得した権利の効果的な活用方法をアドバイスしたりと、クライアントに寄り添うことで、業務の拡大を図ってきました。

小菅 「所長である正林真之が先見性とフロンティア精神を持って新しい道を開拓したからこそ、私は今、弁理士として“自分を活かせる仕事”に力を注ぐことができると感じています。知財評価の仕事は私にとって、いわばライフワークと呼ぶべきものですね」

自分のよろこびが社会貢献に。「弁理士」は仕事を超えた“ライフワーク”

ライフワーク——それは、自分のなかにある“よろこびの源泉”からのあふれる情熱で、その人にしかできない価値を生む仕事。そう、小菅にとって知的財産を扱う弁理士の仕事とは、社会的な意義と同時に、個人的なよろこびを味わえるもの。

彼のなかにある“よろこびの源泉”とは、いったいなんでしょうか? それは、知的好奇心を満たすことに他なりません。新しい世界を知りたい。その渇望こそが、小菅を特許の道へと導いていきました。

小菅 「昔から好奇心は旺盛でしたね。おかげでものすごく本好きに育って。新しい知識をどんどん吸収できるのが嬉しかったです。なかでも物理がすごく面白くて、高校時代から理科系が得意になりました。理詰めで考えた答えが正解とぱっと合う瞬間がもう嬉しくて」 

理系少年だった小菅は、東京農工大学の工学部に進学し技術の世界に足を踏み入れます。卒業後は「真っ先に新しい技術と出会える」ことに魅力を感じ特許庁へ。 

小菅 「大学の先生からは“自分で開発する側に回ればいいじゃないか”と言われました。でも面白そうと感じたのは断然特許の仕事なんです。なんといっても新しいテクノロジーにいち早く、しかも数多く出会えますから」

小菅が特許庁時代に担当した専門領域は、熱機器に包装容器、輸送機械や医療機器、光学機器や各種家電など多分野に及びます。ひとつの専門に特化してキャリアを重ねる職員もいる一方で、彼はどんな分野でも面白がって仕事をしてきました。

現在手がけている知財評価の仕事は、特許庁時代に得たもの以上に幅広い知識を求められます。案件を任されると、その技術と同じ分野でどういった先行技術があるのか、市場でどれほどのニーズが見込めるのか、など学びながら検討を進めていくこともあります。

そういったリサーチに嬉々としてあたり、さまざまな要素を勘案し、知力を尽くして結果を示す。そうして出来上がったレポートを元に、お客様の課題を解決していく——。 

個人的な楽しみが、社会に貢献する一助となる。小菅の働き方には、そんな有機的な循環が自然と成り立っています。

クライアントの権利と利益を守ることが自分の使命

特許権の取得はほんのはじまりにすぎません。使いこなし方を知り、実際に活用してこそ価値が生まれます。小菅は主に、クライアントが特許を取得した後の、権利を価値につなげるサポートを担っています。

たとえば、知的財産や技術力に関する評価は、企業の成長性を測る指標のひとつとして効力を発揮し、資金調達や事業売却など企業経営にとって重要な活動の推進力となります。

また、侵害訴訟にまつわる業務では裁判に関わることはもちろん、特に特許侵害の可能性を調査することに力を注いでいます。 

それは、知財高裁で裁判官と組んで侵害訴訟の事件処理に当たってきた小菅が、弁理士として「争いを未然に防ぐ」ことの重要性を痛感しているから。

小菅「新しい製品を世に出すときは、開発時に用いた技術が特許権を侵害していないかきちんと調べたうえで、法に触れないようにする必要があります。しかし弁理士になってから、この視点を知らない企業が多いことに気づきました。知らないまま発売して、数千万円、数億円の賠償を求められるケースもあるんですよ」

意識のあるクライアントから調査を依頼され、侵害に該当すると発覚した場合には、回避方法を一緒に考えアドバイスをしています。はじめて会うクライアントには特許侵害のリスクをしっかりと伝えることも忘れません。

小菅「裁判所に行かずに済むならそれに越したことはありませんよね。争いの手前で上手に収めることで、企業が無駄なコストを払わずにいられる。お客さまもすごく喜びますし、これはやりがいのある仕事です」

知的財産の活用と保護という観点から、クライアントの権利と利益を守る。それが正林事務所で小菅が見つけた、弁理士としての使命なのです。

自分の知見を後進に受け継ぎ、クライアントのさらなる飛躍に貢献したい

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小菅 「仕事を通じて技術に幅広く触れることができ、事実を正確に見ていく能力が求められるのは自分にとっての喜びです。しかも、提出した成果をお客様が活用することで、産業の発達にも貢献していける。弁理士の仕事ほどダイナミックで面白いものはないです」

正林事務所では、知的財産の法律と実務に精通した小菅のような人材を確保していくことで、クライアントへ貢献できる範囲を広げてきました。おかげさまで、知的財産の活用に関するご相談が年々増えています。

小菅 「現状はご依頼いただいた案件にお応えするのが精いっぱいです。もっと積極的にアプローチして、もっと多くの企業に知的財産の活用がいかに重要かを知っていただけたらと思うのですが……。歯がゆいところですね」

将来的に、小菅は自分のノウハウやナレッジを他の所員と共有していくことで、同じように業務に当たれる人材がひとりでも多く育っていけばいいなと期待しています。

 

審査・審判でも決着がつかず、知財高裁に持ち込まれた難案件を手がけてきた小菅は、どんな複雑な状況についても見通しを立てられるところが強み。出願書類を作成する他の所員から「どう対処すれば審査に通りやすいのか」といった相談を受けることも多いのです。

その経験をいかに他の弁理士に伝え、広めていくかが正林事務所としての今後の課題。知見の伝授に時間はかかりますが「新しいことにどんどんチャレンジしていこう!」との思いをともにする所員だからこそ、信頼してその期待をかけられる、小菅はそう考えています。

小菅 「知的財産・知的資産の総合サービス提供者として、知財活用の提案力に磨きをかけることは重要な課題です。ゆくゆくは、事務所全体の専門性を高められるよう貢献していきたい。正林事務所の弁理士は、その実現に本気で取り組む仲間です」

好奇心を持ってあらゆる情報にあたり、いかなる複雑な状況でも鋭い洞察を重ねて正確な判断を下していくことをよろこびとする小菅。鍛え上げられた明察力を後進へと受け継ぎ、より多くのクライアントに寄り添いたい。その思いを胸に、今日も真摯な思いで仕事に臨みます。

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