子どもたちには「失敗しても大丈夫」という世界が大切──園長先生の想い

(株)小学館集英社プロダクション(以下、ShoPro)が運営する「小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園」(2019年4月新規開園)で、園長として活躍する三杯直美。自身の子育てが落ち着き、仕事復帰を考えた際に保育士の道を選びました。彼女のこれまでの人生と、現在の想いをご紹介します。
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保育士とは無縁の学生生活

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▲2019年現在の三杯直美。小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園園長(右):新卒保育士と一緒に

中学生まで広島で育った三杯。父親の転勤により中学生の時にインドネシアのジャカルタへ。高校受験のために、1年半ほどで帰国となりましたが、ジャカルタでの思い出は印象深いと語ります。

三杯 「現地の日本語学校には、日本全国から集まっている子どもたちが 300人くらいいて、いろんな環境で育っている友だちに出会えたことは貴重な経験となりました。また、父が経験を大切にしてくれる人だったので、職場でもあったコーヒー農園のある “村 ”に連れて行ってくれたりもして、インドネシアに一緒に行って良かったと思っています」

その後、高校ではテニス部に所属していましたが、三杯はどちらかというとインドア派。当時の将来の夢はイラストレ―タ―で、本を読むことや、漫画を読んだり絵を描いたりするのが好きだったと言います。

三杯 「大学は女子大の国際関係学科に入学しました。その頃は新しいことにチャレンジしてみたくて、マンドリンクラブに入るなど、いろいろなことを始めました。ただ、何をやってもそれなりにこなすのですが、極めることができない “器用貧乏 ”だったと思います。とはいえ今となっては、絵、音楽、運動、どれも中途半端ながらやってきたことが、保育士という今の仕事に生きているような気がします」

保育とは無縁の学生生活を送ってきた三杯。

三杯 「就職先を決める際も、当時は 4年制大学卒の女子にとっては厳しい就職環境だったので、正直就職できればどこでもいいという感じでした。ただ、好きな英語を生かしたいという想いと、国際的な仕事への憧れはあったので、外資系企業や商社などを希望し、最終的には海外に支店がたくさんある銀行に決めました」

子育ての壁にぶつかった経験から、保育の道へ!

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▲ニューヨークで生活していた頃。水彩画のワークショップでの1枚
三杯 「入社した会社は当時としては革新的な会社で、女性管理職登用などもあり、結婚後も働き続けられることを期待していました」

しかし、夫の仕事の関係で結婚後は退職。三杯は1年間ニューヨーク州のロチェスターで生活しました。英語も現地の学校に通って学び、また水彩画やキルトのワークショップに通うなど、とても楽しい1年を過ごしたと当時を振り返ります。

三杯 「この時の経験を生かして、仕事復帰の際には英語教材をつくるアルバイトなどもしました。でも本格的にフルタイムでの復帰を考えた時に、何か社会貢献できる仕事をしたいと思ったんです。その時に思い描いたのが、 “介護の道 ”か “保育の道 ”でした」

最終的に保育士を目指したきっかけは、自身の子育て中の経験でした。壁にぶつかり悩んだ時に、出会った保育士の先生が「どんな子どもでも成長するから大丈夫よ」と背中を押してくれたのだと言います。

三杯 「保育士という仕事は、子どもの成長を援助するだけではなく、悩んでいる保護者の助けもできる仕事であるということを知って、その奥深さに感銘を受けました。保育士を目指そうと決めた後、 2年間かけて保育士資格を取得しました」

こうして、さまざまな人生経験と持ち前のチャレンジ精神を発揮し、三杯は保育士という道を歩み始めます。そして10年間の保育補助経験ののち、さらに保育の経験を深めたいと思った三杯は、小学館アカデミーひよし保育園の新規オープンのタイミングで、正規保育士としてShoProへの入社を決意するのでした。

三杯 「一般保育士時代は慣れない書類や行事に追われるなど、忙しく過ごす日々が続きました。また、子どもは純粋にかわいかったのですが、保護者一人ひとりの個性に向き合いながら保護者支援をするという、この仕事の大変さも知りました。
ただその分気づきも多かったです。日々の保育の中身を濃くすることが何よりも大切だということ、また主任保育士として経験も積ませていただく中で、 “保育士 ” “保護者 ” “園長 ”それぞれの立場を理解するように努め、多角的な視点を持った保育ができるようになっていったと思います」

園長としての想い

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▲小学館アカデミー保育園の子どもたちと

2年間、主任職を経験した三杯は、2016年4月に前園長の定年退職にともない、園長に就任します。就任当時の状況は、保育園や保育士不足が世間で知られるようになった時期でもあり、責任の重さをとても感じたと言います。

三杯 「就任直後も今も、園長として大切にしていることは、やはり子ども・保護者・職員の笑顔です。保育園はみんなが安心して過ごせるところでないといけません。そして、子どもたちには、“失敗しても大丈夫 ”という世界がとても大切です。失敗を恐れず、保育園でいろいろな経験をしてもらいたいです。自分の得意を見つけるためにも、選ぶということをできるようになるためにも、たくさんの経験が必要だからです。
そして職員には、この仕事の大切さを実感し、楽しんで仕事をしてもらいたいです。保育理念の “あったかい心をもつ子どもに育てる ”という共通の想いがあるので、職員を信じて職員のやりたいことを尊重するようにしています」

さらに、人材の多様性が保育園を育てると語る三杯。保育園で働く保育士・栄養士・看護師・事務職員など、さまざまな職種や経験を生かし、それぞれがリスペクトし合える保育園づくりを目指します。

地域に愛される園。そしてみんなの居場所を目指して

▲飯田橋ガーデン保育園開園を記念して作成した動画♪

三杯は2019年4月より新規開園した「小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園」の園長を務めています。現在力を入れていることについては次のように語ります。

三杯「ひとつは、職員一人ひとりの主体性(自立性)を育てることです。小学館アカデミー保育園からの異動者・別の保育園からの転職者・新卒者など、さまざまな経験値の職員が集まって 4月を迎えたのですが、新園ということもあり、どうしてもまずは園長の私に聞いて物事を決めていくという状況になりがちです。言われたことをやるのではなく、自分で考えられる人になってほしいと思います。
もちろん園長として言いやすい環境をつくる努力をすることが大前提ですが、聞いてからやるのではなく、“こういうことにチャレンジしたい!”と、どんどん言ってきてほしいと思います」

もうひとつは自分が勤める保育園を、地域に愛される存在にしていきたいという想い。

三杯 「現代の日本社会において、安全という観点を重要視すればするほど、開かれた保育園運営はなかなか難しいと言わざるを得ません。ですが地域に愛され、頼られる保育園を目指したいと思っています。そのためにも地域や小学校との連携も深めていきたいと思います。地域に愛されるためには、こちらから声を掛けていくことが重要です。近くに大学もたくさんあるので、大学生との交流もできたらと思います」

保育歴が長くないのが弱みと語る三杯ですが、幅広い経験から培った多角的な視点を強みに、保育園の未来を考え、子ども・保護者・職員の居場所となるべく園運営にまい進する姿と熱い想いがそこにありました。

そんな三杯の想いを紡ぎながら、小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園にはたくさんの笑顔が満ちあふれています。

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