大志を抱く部長が切り開く子どもの未来。32年間走り続ける原動力とは?

小学館集英社プロダクション(以下、ShoPro)のキッズ教育事業部は、幼児教室と小学生の学習教室、英語教室などを展開しています。前回紹介した幼児教室講師のふたりも所属するキッズ教育事業部の舵を取るのは、部長の若林正実です。入社からこれまでの32年分の教育への想いを語ります。

まさかの配属、それでも現場と共に走り抜けた若手時代

▲入社3年目のころ

私は大学生時代、マスコミ系のアルバイトをしながら、出版や編集の仕事に就きたいと考えていました。ShoProを受けたのも、当時の求人職種が「企画・制作・編集」だったからです。しかし、配属されたのはまさかの教育事業部(現キッズ教育事業部)。さらに、東京採用で合格したのですが、関西支社勤務となりました。当時は愕然としましたね。そもそも教育事業があること自体、研修の中で知ったくらいです(笑)。

始めのうちは辞めようとすら思っていました。でも、右も左もわからない関西で「小学館ホームパル」の教室担当として日々をがむしゃらに過ごすうちに、そういう気持ちも吹き飛んでいきました。もともと人が好きということもあり、人と接するうちに自然とやりがいを感じるようになったのだと思います。

教室担当の仕事は多忙でしたが、先生と緊密に連絡を取り合うことは常に意識していました。先生がいきいきと楽しんで授業をすることが、何より大切ですから。

とくに連絡のない先生には、ひとりで抱え込んでしまっていることはないかと、こちらから連絡してみます。すると「実は……」と悩みを打ち明けられ、気づけば1時間も話し込むこともありました。こうしたやり取りを経て、会話の中で悩みの原因を究明し、共に解決することを心がけていくようになったんです。

またフォローに加え、“先生からの依頼には早急に対応する” “信頼関係を築くために自らアクションを起こす”ということが、先生を授業に集中させるために大事なことだと今でも考えています。現場にもよく足を運び、直接先生や保護者様の声を聴いて、教室見学にも頻繁に行きました。

子どもと会社の可能性を知った中堅時代

▲1992年当時の英語教室にて

実は、入社してから結婚もしたのですが、社内結婚だったんです。関東に戻って千葉支社の運営担当者をしていた30歳のとき、社員旅行の幹事を行っていたのですが、そこで出会ったのが別支社の幹事をしていた妻だったんです。僕が結婚すると聞いて周りはひっくり返ってましたね。でも、この結婚によって、初めは辞めることすら考えていたShoProとの結びつきが、結果強くなりました。

転勤で関西に出向き、幼児教育の関西事務局責任者を務めた後、東京で社会教育事業部(現パブリックサービス事業部)に異動しました。

そのとき担当した国際交流のためのキャンプ事業は、意義深いものとして心に刻まれています。キャンプでは各班に留学生のリーダーがつき、自分の文化を教えて、最終日には班ごとにリーダーの国の文化を発表します。

その留学生の面接で優秀な80カ国以上の留学生の話を聞くうち、今の日本の子どもたちは自分の国を誇りに思い、その文化を伝えられるだろうかと懐疑的になりました。しかしそれとともに、こんな風に表現できる子どもたちを育てたいと強く思うようになりました。

しかし、社会教育事業にも慣れてきたところで、またも関西に転勤となります。それから東京に戻った後、キッズ教育事業部長となりました。

振り返ると異動の多い社会人人生で、配属先の課題解決に取り組み、落ち着いてきたころにまた異動となるので、苦労も多かったです。でもその中で、自社完結の教育事業と官民協業の社会教育事業など、さまざまな角度から教育を学べた経験は大きいと感じています。

また、会社のポテンシャルを感じました。事業性の広さ、関わる人の多さ、プロダクションとしての立ち位置。それらを総じて、やる気があればなんでもできる可能性を秘めた「未完の会社」。そんなところに魅力を感じています。

ベテランとなりたどり着いた役割 「自分の考えを表現できる子どもたちを育てる」

▲事業部のメンバーと

私は、部長になった今でも現場の声を聴くことを大切にしています。それは、ある保護者様の意見が忘れられないからです。昔、力及ばず閉鎖の判断をしなければならなくなった教室の保護者説明会に行ったとき、「どうして閉鎖に至るまで相談がなかったのか。閉鎖の判断に至る前に保護者の声を聴けば、活路が見いだせたかもしれないのに……」との声を聞きました。

そのときの意見を重く受け止めるとともに、この想いを大切にしたいと強く感じたのです。だから、今でも教室に足を運んだときには必ず、保護者様の話を聴き、先生との面談では楽しく授業ができているかを確認するよう心がけています。

部長としての私の仕事は、安定的に継続して質の高い教育を提供できるよう事業改革に取り組むことです。私たちが考える質の高い教育とは、講師が子どもたち一人ひとりと向き合い、個性を認めて、それに合ったアプローチと楽しく学ぶためのカリキュラムで、子どもたちの成長を保護者様と共に支えるということです。

2020年に学習指導要領が変わって、これからの子どもたちには自ら主体性を持って表現できることが求められます。そのための教育を実現しているのがShoProの幼児教室です。

一人ひとりの個性が認められ安心できる環境で、子どもたちが楽しみながら活動に取り組む。次に、興味を持ったものを集団の中で主体性を持って学んでいく。そこで友だちと一緒に協力したり、話し合ったりする中で自分の言葉で表現する。こういった経験が、これからを生きる子どもたちに必要な力の土台となります。

情報が溢れる現代において一番必要なことは、いかに正確に情報を受け止め、理解し、そこに自分の考えを乗せて表現できるかということです。

そのため、人格が形成される上で大事な幼児期に、教室での体験によって育まれる基礎(土台)づくりは非常に大切であると、保護者様に伝えていくこと、また、それを実現できる長年の指導ノウハウを次の世代に引き継いでいくことが、部長の役割だと思っています。

そして、自信を持って自分の考えを表現できる子どもたちをひとりでも多く増やしていきたいですね。

未来に向けて──常に信頼され、喜んでいただける教育を目指して

▲2019年現在の若林正実

今後に向けて事業部全体で取り組んでいることは、幼児教室の良さを伝えるしくみづくりと、安定的に継続して事業を続けるための事業構造や組織構造の改善です。

幼児教室の良さを伝えるしくみでいうと、これまでは教室の案内を主に募集カウンターで行っていました。カウンターは教室のある店内の一角などで展開するので、お客様は説明を聞きながら教室の様子を見ることができず、イメージしにくい部分がありました。

しかしこれからは、お客様の要望に応え、体験会や見学会を柔軟に取り入れ、広く新しいお客様に関心を持ってもらえるよう積極的に取り組んでいく予定です。今後はもっと通学生や卒業生などお客様の声をデータベース化し、教育成果のエビデンスとして広報をしていきたいと考えています。

また、事業構造や組織構造の改善については、よりお客様の声を事業に生かせる組織づくりに挑戦しています。今までは入会案内を行う営業と教室経営を行う運営とで役割が分かれていましたが、それらをワンストップで行えるよう組織の見直しに着手し始めました。これにより現場の声を吸い上げ、反映しやすくなり、問題が発生したときもスピーディかつシンプルな判断のもと解決できます。

さらに担当者の事務的な作業をできるだけそぎ落とし、現場の声をより大切にできる、現場により“近い”体制を目指していきます。

自分のすべての考え方の根幹にはやはり「現場」があります。現場は問題解決の糸口になるだけでなく、自分を再生してくれる場所でもあります。子どもたちが楽しく通学できる教室は、先生が授業を楽しんでいる教室から生まれます。そのためには運営担当者も仕事を楽しめる状況が望ましいですね。

そこで、私が事業部メンバーに常に伝えているのは、迷ったらまずは教室に行く、授業を見る、子どもたちの表情を見るということ。そこで元気に笑顔で通ってくる子どもたちの生き生きとした姿を見れば、エネルギーがもらえます。私のやっていることは間違っていない、もっと良い教室にするにはどうするか、もっとたくさんの人に知ってもらうにはどうするか……。もし先生や通学生の笑顔が少なければ、その様子から状況を打開する足掛かりを探せます。

自分の仕事が人を笑顔にできているか、教室事業というのはある意味わかりやすい事業です。だからこそ、お客様目線を大切に、常に信頼され、喜んでもらえる教育を提供し続ける事業部でありたい。常にそう思っています。前述したようにこの会社は「未完の会社」。なんでもチャレンジできる。これからもひとりでも多くの子どもの未来のために、みんなで取り組んでいきたいです。

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