ひとりでもチームでも、裏方として支え続けるーーゼロから会社を創り上げた軌跡

Smarpriseの創業メンバーのひとりであり、社内初のマネージャーとして活躍する今井江美里。彼女は創業当初、たったひとりでSmarpriseのバックオフィスを支え続けました。ひとりだからこそ大きな不安があり、ひとりだからこそ大きな成長ができたーー。メンバーが増えつつあるなか、彼女の軌跡を振り返ります。
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ゼロから会社を作り出すーーその面白さに魅せられ参画を決意

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▲トレンダーズ時代の今井(写真 中央右が今井)

2017年12月現在、経営推進局のマネージャーとして、経理業務から人事、広報など幅広い業務にあたっている今井江美里。正確できめ細やかな仕事に定評のある彼女は、社内最速の2年でマネージャーに昇進した経歴の持ち主です。

今井のキャリアのスタートは、かつてSmarpriseの母体だったトレンダーズ株式会社でした。

なにをするか、ではなく誰と働きたいかーー。

その思いを念頭に置いていた今井は、就職活動をはじめた大学3年生のころ、当時トレンダーズの社長だった経沢香保子さんの本に出会います。経沢社長含め、面接で出会った社員の前向きな姿勢に感銘を受けた今井は、新卒での入社を決めました。

今井が入社した2012年4月は、トレンダーズが上場する半年前。入社後は経営管理局経理・財務グループに配属され、とにかくがむしゃらに突き進んでいました。

日々の経理業務や監査法人の対応、IR、株主総会など、さまざまな業務にあたる毎日。社内の管理システムを構築するプロジェクトを経験したことで、経理としてのキャリアを「スペシャリスト」として貫くよりも、より事業全体を見渡す「ゼネラリスト」になりたいと意識するようになりました。

そんなとき、今井は、当時トレンダーズの取締役だった五十嵐健(現:Samrprise代表取締役社長)が社内で起業するという話を聞きつけます。ゼロから会社を創っていくという経験はなかなか出来るものではありません。直感で「面白そう!」と感じた今井は、募集していたバックオフィスへの参画を決めたのです。

創業前の段階では、トレンダーズの経理業務をメインにしつつ、五十嵐が立ち上げる予定のSmarpriseを手伝うことになりました。

創業に向けた準備は手探りでしたが、“新しく創っていく楽しさ”を日々実感したのです。

今井「最初は何に対してもスピードの速い五十嵐についていくのに精一杯でした。しかし新しいことに挑戦する楽しさを覚えたことと、創業初期はバックオフィスを整えることが何よりも重要なので必然的に業務量が増え、どんどんSmarpriseの方に比重が傾いていきました。

はじめてのことばかりで力不足なことは感じていましたが、五十嵐は私を創業メンバーの一員としてどんどん仕事を任せてくれたことが嬉しかったです」

こうして2015年4月にSmarpriseが設立。今井の「たったひとりのバックオフィス」が本格的にスタートしました。

たった“ひとり”だからこそ、甘えが払拭できた

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▲今井(左)と妹の茉美子(右)

こうして、「ひとり管理部門」として正式にSmarpriseの業務にあたっていた今井ですが、「相談する相手がいない」という悩みに直面します。

今井 「トレンダーズ時代は、チームで話し合って最良の選択を探していましたが、ひとりしかいないので、私の意見がそのまま管理部門としての意見になることの責任の重さを感じました」

特に印象に残っているのは、監査法人の監査対応をしたときのこと。自分の会計知識の未熟さを思い知らされました。

今井 「不調なサービスを“減損損失”計上するか否かという話になりました。はじめて聞いた言葉になにも言い返せないなかで、監査法人の方にも強く説明責任を求められて……。ひとりですべてやることの責任の重さが、身にしみて分かりました」

その後、監査役の市川圭介と代表の五十嵐にうまく監査対応ができなかったことを謝り、自分に自信がないことを伝えた今井。すると、普段は仏のように優しい市川から「やらないの?できないの?」とひと言だけ聞かれました。この市川の言葉で、今井の負けず嫌いの気持ちに火がつき、優しい市川に甘えていたことを猛省したのです。

その後、今井は会計基準などを必死で勉強。1週間後の監査法人対応までにすべての資料をそろえることができ、経理責任者としての説明責任を無事に果たすことができました。

Smarpriseのバックオフィスを、わたしが支えていくーー。

今井の心に、強い決意が生まれた瞬間でした。

その後、Smarpriseに、ユナイテッド株式会社との資本業務提携の話が舞い込みます。親会社がトレンダーズからユナイテッドに変わることで、オフィスも移転することになったのです。

業務量が増え、今井はひとりで業務をこなすことへの限界を感じます。そこで、大学に通いながら歌手活動をしていた妹の茉美子がアルバイトとしてジョインしました。彼女が偶然にもアルバイトを探していたことと、姉妹であることから意思疎通がしやすいことを考慮してのことです。

ひとりから、ふたりへーー。精神的な支えを手にした今井は、資本業務提携やオフィス移転を滞りなく終えました。とはいえ、今井の妹はアルバイト。

経理・法務・人事という“守り”の部分を、正社員ひとりでカバーすることへの経営課題が見えてきたのです。

はじめてのマネジメントは“社会人の先輩”

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▲2017年12月現在のバックオフィスメンバー(左から、日詰・今井・妹の茉美子)

正社員ひとりがバックオフィスを担う上での課題。たとえば、今井が事故や病気になったとき、誰も決算を締めることができないということが挙げられます。当時Smarprise内では、今井以外は経理経験がありませんでした。

決算を締められないと、親会社にも影響が出てしまうーー。

そこで選ばれたのが、2017年12月現在も今井の下で働く、日詰あずさでした。

営業アシスタントとして営業側の数字を日々みている上、社会人経験も16年(当時)と豊富。日詰ならサービスの構造がわかっているので、経理になってもスムーズに仕事を進められるのではないかと会社側は考えたのです。

しかし、当の日詰は経理経験ゼロ。しかも、数字に対して苦手意識を持っていました。

日詰 「もともと総務などバックオフィス業務に興味があったので、声をかけられたのは嬉しかったんですが、計算や数字が苦手で……。こんなわたしに経理なんて務まるわけがないと、正直、後ずさりしたのを覚えています」

年上で数字への苦手意識がある日詰を、どうマネジメントするべきなのか。最初、今井は戸惑いました。しかし、大学時代に「小学校英語指導者資格」を取得した際に身につけたティーチングスキルを使い、日詰と向き合います。

そのときに心がけたのは、「一つひとつゆっくり教えること」。

今井 「毎朝1時間、一緒にテキストを見ながら簿記ならではの表現や仕組み、考え方を伝えていきました。また、本人が数字への苦手意識があったので、『数字』や『簿記』を、他のものに例えるなどして、実務にスムーズに繋げられるよう意識しました」

日詰 「何十年ぶりかの勉学で、とにかく拒否反応がすごかったです(笑)。最初はテキストを開き、数ページ学習しただけでチンプンカンプン過ぎて心が折れかけましたが、今井の丁寧な指導のおかげで、なんとか仕事と勉学の両立ができたと思っています」

学習をはじめてから約1年後——。日詰は一発で簿記の資格を取得することができました。

メンバーと同じ目線で取り組むーー社内初のマネージャーに

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▲2017年12月現在の今井

たったひとりでバックオフィスを務め、2人、3人とチームを作り上げてきた今井。努力が実を結び、創立3期目の2017年4月、Smarprise初のマネージャーに昇格しました。

昇格後、今井が意識しているのは、“チーム”で成果を出すこと。

マネージャーに昇格した当初は、社長に最も近いポジションが自分ひとりだけということもあり、「みんなと社長をつなごう」と、意気込みすぎて、つい上から目線になってしまったこともありました。しかし、フラットな関係がもっとも良いことに気がついたのです。

今井 「私もメンバーと同じ目線で仕事をしますし、一緒に悩みます。社内ランチのメニューでさえ、みんなで一生懸命考えるんです。そのなかで私が意識していることは、『任せること』。

ひとりでやってきたからこそ、つい自分でやってしまいがちになります。でも、メンバーに任せることで、私にはないアイデアを提案してくれることもありますし、そこに私の意見を乗せて磨きがかかっていくんです。これはひとりではなし得なかった成果ですね」

2017年12月。創業から2年半以上が経ち、今井はSmarpriseのめまぐるしい成長を日々感じています。

今井 「メンバーそれぞれがプロ意識を高く持って仕事をし、刺激しあえる環境は、すごく心地が良いです。まだまだ認知度、ブランディング、採用力など課題は山積みですが、“Smarprise”というカルチャーや、提供するサービスを世の中に広めて、もっともっと良い刺激を与えていけたらと思っています」

Smarpriseをどんどん発展させていきたい——。会社の裏方を創業から支えてきた今井が、強く願っていることです。

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