リユースをもっと身近に。買取アプリ開発プロジェクトがスタート

▲「一日中アプリと買取について考えていた」と当時を振り返る有馬

2018年7月にサービスを開始した、スマホ用買取アプリ「ラクウル」。プロジェクトが発足した背景には、ある危機感がありました。その当時を有馬はこう振り返ります。

有馬 「プロジェクト発足当時、リユース市場ではアプリによる個人売買が盛り上がっており、リユース事業に携わるソフマップには大きな危機感がありました。
ただ、一方でパソコンやスマートフォンには個人情報や写真などの大切なデータが大量に保存されていることや、きちんと動作するのかどうかなど、個人売買特有の懸念点が多数あります。そういった機器を見知らぬ個人間で売買することには不安があるという声も聞こえてきていたんです。
では、長年中古買取を行ってきたソフマップとして提供できるものはなんだろうと考えたとき、個人情報を守る『安心』と製品の『安全』だ、という想いが社内の共通認識としてあったんです」

これまでも通信買取などを展開してきてはいましたが、安全の提供を考えると非対面取引には積極的ではなかった面もありました。しかし、個人間売買の盛り上がりなどを背景に、さらに身近な存在になれるよう買取アプリ開発の話が社内で持ち上がったのです。

とはいえ、リリースまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。まず、ターゲッティングの面でも社内で意見が割れたのだと言います。

有馬 「『お客様にとって、どのようなアプリが使いやすいか』を常に意見交換し続けました。当初、私は新規のお客様にご利用いただくことを想定し、アプリのメインターゲットとして若年層を中心に考えていました。
しかし、一緒にプロジェクトに取り組んだ佐藤 賢二課長は、従来の 40代~ 50代のお客様をはじめ老若男女幅広い層をターゲットにすべき、との考えでした。
正直、何が正解なのかはわかりません。意見がぶつかり合うことも少なくありませんでした。でも、この議論がなければラクウルのサービスとしての立ち位置が中途半端になってしまっていたと思います」

結果として、幅広い層をターゲットにすることに決まり、UIについては有馬に一任されました。しかし、与えられた時間は半年間と、大きなプロジェクトであるにも関わらず短期間だったのです。

半年の中で、「お客様が直感的に使えるUI」を突き詰める

▲買取アプリ「ラクウル」。無料査定のお申込み画面

ターゲットも決まり、有馬はさっそくUIについてリサーチを始めます。とはいえ有馬にアプリ開発の経験はありません。プロジェクトの中で成長していくことを求められました。

有馬 「アプリ開発の経験もなく、またスピーディな対応が求められたので、とてもめまぐるしい日々でした。『アプリで買取を完結する』ことについて、四六時中考えていたほどです(笑)。
その中で大切にしていたのは、『アプリによって、ソフマップは何を実現したいのか』という根幹を忘れないことでした。単にアプリ開発をするだけでなく、その先までを見据えていくことが、私がこのプロジェクトに関わる意義だと感じていたのだと思います」

そんな有馬が追求していたのは「お客様が直感的に使えるUI」でした。

有馬 「『いかに操作をシンプルにするか?』『画面を見てすぐ使い方がわかるようにするためには?』など、さまざまな年代のお客様が直感的に使えるような UIを慎重に検討していきました。
そしてサービス開始の約 3カ月前となる 2018年 4月ごろに仕様が固まりましたが、お客様の使いやすさを追求し、リリースの直前までチーム内や開発ベンダーとブラッシュアップを続けたんです」

「楽に売れる」アプリということで「ラクウル」というアプリの名前が決まり、イメージにラクダを採用することを決めたのもこのころ。こうして、お客様に自信を持ってこのアプリをご提供するために、こだわるところへきちんとこだわり、ついに2018年7月にサービスを開始できました。

使いやすさと同時に、リユースについて理解してもらえるアプリに

▲「持ち物帳」アプリ画面。登録した製品の買取価格が一目でわかる

無事サービスを開始したとはいえ、リリースはゴールではなくスタートです。より良いサービスを提供するため、使いやすさの向上を目指して常に改善を行ってきました。また、リリース直後から新たな挑戦として任されたプロジェクトにも着手しました。それが2019年5月に実装した「持ち物帳」です。

持ち物帳は、お客様が所有するさまざまな製品を登録すると、最新のソフマップ買取金額が表示される、自分が所有する製品の価値変動を把握できるようにする機能です。

有馬 「持ち物帳にデジタル家電などの資産を登録することで、自分が何を所有しているのか管理できるようになり、その時点の買取価格をわかった上で買取申し込みまでが可能になります。自分の持ち物をリユースして、また必要なものを購入するという循環につながるとともに、資産・資金を無駄なく活用できるようになります」

さらに2019年11月には、グループ各社のポイントカード連携機能追加という最大のアップデートを行いました。今後も、より幅広いお客様にご利用いただけるようラクウルは進化を続けています。

そして、良いプロダクトをつくっても使ってもらえなければ意味がありません。ラクウルリリース後には、プロモーションにも注力しました。

その一環として、リリースから約1カ月後の2018年8月、2025年万博の開催国決定約100日前シンボリックイベントとして大阪で開催された「#think expo 2025 みんなの未来フェスティバル」にブースを出展したのです。そこには、ラクウルに込めたある“想い“についてお客様に知ってもらいたいという狙いがありました。

有馬 「万博では、『世界平和と環境保全の創造』を目指し活動するアーティストである長坂 真護さんとコラボレーションさせていただきました。『リユースを、サステナブルに。サステナブルを、カルチャーに』をテーマに、ラクウルが担う、SDGs(※)12番目のゴール『つくる責任つかう責任』についての取り組みについて紹介しました。
お客様の利便性だけでなく、それがひいては地球環境保全につながるんだということを理解していただきたかったのです」

2025年大阪・関西万博誘致イベント 「#think expo 2025 みんなの未来フェスティバル」レポートはこちら

※SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。

リユース事業を通して、人にも地球にも“寄り添える”企業に

▲「お客様にファンになってもらえるようなサービスを提供していきたい」と有馬

リリースから約1年半。UI改善やサービス拡充などアプリとしての使いやすさ向上はもちろん、リユース浸透のためのプロモーションなどラクウルはさまざまな取り組みを続けてきました。それは確かな手応えにつながっていると有馬は言います。

有馬 「利用データを見てみると、本当に幅広い層のお客様に使用いただいている実感があります。何十点ものコレクションアイテムを登録して売り時を見極めているヘビーユーザーもいらっしゃいます。使い方はさまざまですね。そのことからも、いろいろな用途やニーズに対応できている手応えはあります」

そんな中、有馬が見ているラクウルの“これから”とは──。

有馬 「アプリの使用状況を分析し、導線や UIの改善に生かしていきたいです。分析と改善を繰り返し、より良いサービスにしていくことが私の使命だと思っています。また、持ち物帳の機能としては、終活支援に活用できるのではないかという考えがあります。
たとえば、故人の切手などのコレクションをどう扱えば良いのか遺族の方が迷われることがあるそうなんです。そんなとき、持ち物帳があれば、ご自身のタイミングで納得してコレクションを整理していただけくきっかけになるんじゃないかと思いました。
きちんとその価値を理解したコレクターに引き取ってもらい、次の人に届けていくという発想です。それは健全なリユースの姿だと思いますし、ご本人にもご家族にも喜ばれるんじゃないかと思うんです。大げさかもしれませんが、お客様の人生に寄り添えるアプリに育てていきたいと思っています」

そして、有馬はラクウルだけでなく、ソフマップの事業全体を通してある信念を持っています。

有馬 「ソフマップはラクウルだけでなく、店舗・ EC・サービスサポート・コールセンターなど、ひとりのお客様に対して多方面からアプローチできる接点があります。『どのサービスでもファンになってもらう』ことを基本に、お客様がソフマップとビックカメラグループを使って良かったなと思えるサービスを提供していきたいですね」

リユース事業を通して、お客様と環境に寄り添う。そんなソフマップの挑戦は、これからも続いていくのです。

●らくらくかんたん買取「ラクウル」 https://raku-uru.sofmap.com/