後発企業としてお客様に提供できる価値を考え、スタートしたアプリ開発

▲立ち上げ時のプロジェクトメンバー。左から2番目が長谷

ソフマップが、スマホ用買取アプリ「ラクウル」のサービスを開始したのは2018年7月のことでした。それから約1年半がたった2020年1月現在では、アパレルや楽器、骨董品など、デジタル家電やゲームソフトだけではない幅広いアイテムを取り扱っています。デジタル家電は得意とするソフマップですが、それ以外のアイテムについては各専門分野の企業と提携することで拡大を図ってきました。その提携企業の開拓を推進しているのが、リユース事業部部長の長谷 真彦(ながたに まさひこ)です。

長谷はソフマップが「ラクウル」アプリ開発をスタートしたころをこう振り返ります。

長谷 「2017年はフリマアプリによる個人売買が盛り上がり始めたころでした。ですが、ソフマップは長年このリユース分野で事業展開していたものの、当時は店頭買取が中心で非対面の通信買取はあまり活発ではなかったんです。
でも、リユース市場は若い人たちを中心に活気が出てきている。社内でも『もっと通信による買取に注力すべきでは』といった声があがり、買取アプリ『ラクウル』の開発プロジェクトが立ち上がったんです」

ただ、ソフマップはリユース事業に長く取り組んではいますが、アプリを提供する立場としては後発の企業です。そこで、ソフマップならではの強みをつくりたいと考えました。そのひとつが買取品目の拡充でした。

長谷 「ソフマップはデジタル家電に強みを持っています。フリマアプリではパソコンなどに保存した個人情報や製品の品質が心配だというお客様に対しても自信を持って対応できます。
ですが、パソコンやデジタル家電の買い替え頻度を考えると、これらの取り扱いだけではお客様一人ひとりのアプリ利用頻度は高くならない。そこで、買取品目を広げることで、より多くのお客様のご利用につながるアプリにできるのではないかと考えました」

こうして「ラクウル」は、お客様の利便性向上とともに、リユースを手軽に利用していただけるアプリを目指すことになりました。

提携先企業と連携し、積極的に買取品目を拡充

▲パソコン・デジタル家電以外に買取品目を拡大

2018年7月に「ラクウル」をリリース後、ソフマップはさまざまな分野の企業と提携し、買取品目を広げてきました。提携企業についてはあるルールを設けています。

長谷 「 1カテゴリに対して 1提携企業が原則ですね。これは、お客様に適正な買取金額をご提示するためです。複数企業が同一カテゴリで競う状況になってしまうと、その買取金額は適正なのかどうかわからなくなってしまいますから」

こうして長谷たちは、提携先企業を開拓し始めました。まず、リリースとほぼ同時に提携した衣類の買取開始を皮切りに、翌8月にブランド品、2019年3月にはアウトドア用品を新たに買取品目に加えました。

さらにゴルフ用品や、ウィスキー、ワインなどの古酒、10月には楽器を取扱うようになるなど、次々と買取品目を増やしてきた「ラクウル」。長谷にとってとくに印象的だったのは石橋楽器店との提携でした。

長谷 「ソフマップはパソコンを中心に始まった会社です。絵を描いたり仕事をしたり、パソコンではさまざまなことができますよね。その中で個人的には音楽ができることにも着目していました。
実は 90年代からシンセサイザーを中心とした楽器買取ノウハウもあったんですが、やはり店頭買取がメインでした。ですから、いつか通信買取でも楽器を買取品目に加えたい、と心の中でずっと考えていたんです(笑)」

長谷は「ラクウル」の品目として楽器を扱うことで長年の想いを実現します。複数の企業に声を掛け、提携先を探す中で石橋楽器店に行き着きました。

長谷 「先方も、中古商品はメインではなかったものの、今後注力しなければならない重要な分野だと考えていたそうなんです。すでに店頭や宅配での中古買取は行っていたものの、それ以外のチャネルも増やし商機拡大を狙っていたということで、お互いのニーズが一致し、事業提携に至りました」

どのような商品でも扱えるサービスにするために

▲楽器やゴルフクラブなど、専用箱での買い取りに対応

他企業と提携しての買取品目の拡充は、当初、長谷たちが想像していた以上にスムーズに進みました。

長谷 「実はリユース業界はこれまで縦割りの意識が強かったんです。パソコンならパソコン、楽器なら楽器と。取扱いカテゴリが単一の場合が多く、また、店頭買取メインという企業も少なくない。
ところがフリマアプリが台頭してきた。これを脅威に感じて、お互いにアライアンスを組み、自分たちの課題を他社のソリューション通じて克服していこうという流れに変わってきたというわけです」

課題を抱えるリユース企業は、ソフマップと提携することで「ラクウル」という買取アプリを通じたチャネル拡大、そして、新たな顧客開拓を実現します。そしてソフマップは買取品目を増やすことでお客様にとって便利なアプリを提供でき、また利用機会を伸ばすことにつながります。業界全体でリユース市場を盛り上げられるのです。

長谷 「社長の渡辺いわく『リユース連合』です(笑)」

長谷は今後ラクウルを「お客様の家にあるものをなんでも買い取れるアプリとして育てていきたい」と言います。そして「家にあるものなんでも買取」を実現するための努力として、「規定外」の商品に対する対応も行っているのです。

ラクウルでは買取の際、指定できるダンボールのサイズが決まっています。ところが、そのサイズにおさまらない商品もあります。たとえば先に紹介したギターなどの楽器です。長谷は、楽器専用の箱をつくり、お申し込み時のフローも変更することにしました。

規定サイズの場合は箱のお届けと梱包・引取り作業を同時に行っていますが、楽器はまず専用箱をお届けすることにしたのです。しかし、これは単純な変更ではありません。

長谷 「石橋楽器店様との提携の際、他の商品同様に楽器をお客様の手間なく安全に送ってもらうためにはどうすれば良いのか検討しました。そこで考えたのが楽器専用の箱をつくるということです。
もちろん、これは当社だけでは実現できない。配送業者様に掛け合い、なんとか規定外の箱の制作と新たな引取フローに協力してもらえるよう依頼しましたね」

さらにアプリでの申し込み時のアクションもこれまでとは違うため、システム変更も行いました。こうしてようやく楽器買取を可能にしたのです。「ラクウル」は提携先の事情や商品に合わせた買取実現のため、フローの見直しや新たなシステム開発にも対応しています。

リユースの裾野を広げ、環境循環型社会の実現に貢献したい

▲動画でわかるラクウルの使い方(You Tube)

リユース事業を牽引する立場として「ラクウル」に携わっている長谷は、ここまでの取り組みからリユース業界の今後に期待を抱いていると言います。

長谷 「フリマアプリの普及もあり、今の若者にとってリユースは当たり前になっているなと感じます。ですが、もう少し上の世代にはまだまだ浸透していないのではないでしょうか。こういった世代にもリユースを浸透させることが、今後のひとつの課題だと感じています。
ただ、提携先企業を探す中で、さまざまなリユース企業様とお話する機会がありました。そこで、皆さんと同じように思っていたんだなという実感がありました。
正直、競合ということで門前払いになるんじゃないか、という懸念もあったのですが……。ふたを開けてみると、同じ想いの会社が多かったんです。これには勇気づけられると同時に、一緒にリユース業界を盛り上げていこうという気持ちになりましたね」

そのためにはもっと手軽で簡単にリユースできるサービスを目指していく必要があります。長谷は、リユース市場をさらに活性化させ環境循環型社会の実現に貢献していきたいと考えているのです。

長谷 「ソフマップでは今後、『ラクウル』を中心に買取・リユースだけでなく、リサイクルの提案も行っていきます。お客様の選択肢を増やし、法律に基づいた適切なご案内をする。そして、安心してリユース・リサイクルに取り組める世の中になっていったら、と思っています。
そうすることでリユースの裾野はさらに広がり、ものを循環させることが当たり前の社会になるのではないかと思っていますね」

これからも長谷は業務提携を通じて「ラクウル」の利便性を高めるための取り組みを続けていきます。そして、パートナーと共に企業価値を一緒に高めていきながら、リユース業界全体の活性化に貢献していきます。

●らくらくかんたん買取「ラクウル」 https://raku-uru.sofmap.com/