社員も家族も安心して暮らせる会社にーー従業員持株会奨励金100%付与にこめる思い

今やエスプール社員の資産形成になくてはならない存在となっている持株会奨励金制度 。当社は奨励金を100%付与していますが、2007年の制度導入時に100%付与をしていた企業は、なんと日本で2社のみ。現在でもなお数えるほどしかないといわれている異例の制度に踏み切った経緯や、制度にこめる思いを取締役・荒井直が語ります。
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きっかけは若手社員が漏らした将来への不安 100%付与に踏み切るまで

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▲エスプール 取締役 荒井直

2007年当時、当社には退職金制度や、それに代わる制度はありませんでした。制度導入のきっかけは、優秀な若手社員がふと漏らした将来への不安でした。「今の仕事はやりがいを感じているし充実もしている。でも、将来もし働けなくなったとき、リタイアした後、自分や家族はどうなってしまうのだろう……」。

その当時は創業8年目を迎え、社員数は100名を超えていました。当然、社員の増加に比例して、結婚や出産をする社員も増えてきます。そのなかで、家族のために安定した企業へ転職する社員も残念ながらゼロではありませんでした。

「家族も含めてすべての従業員が安心して暮らせるような会社にしよう!」当時、経営企画部門に所属していた荒井は、経営陣とともに社員の長期資産形成施策の検討を始めました。

荒井 「 401Kをはじめとするさまざまな企業年金を検討しました。しかし、創業 8年目、平均年齢が 28歳の当社にとって定年まで数十年も働いてやっと満額支給される年金制度はイメージしづらく、『定年』という言葉はあまりにも他人事のように感じられました」

検討に検討を重ね、生み出した答えが従業員持株会制度の拡充でした。持株会とは、給与や賞与から本人が希望する金額を天引きで積み立てし、その都度自社株を購入することで知らず知らずのうちに財産が形成されている制度のこと。

多くの上場企業が、従業員持株会制度を導入しており、奨励金を付与しています。一般的な奨励金の比率は5~10%で、1万円を従業員が積み立てると会社が500~1,000円の奨励金を出してくれるイメージになります。

当社も制度として存在はしていたものの、付与率は5%。加入者は2割にも上りませんでした。

上場から1年が経ち、さらなる成長ステージにいると確信していた経営陣は、終身雇用を前提としている従来の退職金制度よりも従業員持株会制度の拡充こそが従業員にとってメリットが大きいと感じ、付与率の引き上げを決断しました。

荒井 「私は新卒入社した会社を 3年で退職しましたが、その会社には退職金制度があり 3年分の退職金をもらいました。当然ですが、その額は赴任先から戻ってくる引越し代にもなりませんでした。
新たな施策を考えるうえで、新卒でもベテランでも、働いた期間は平等に報いることのできる制度にしたい、という思いが強くありました」

従業員持株会奨励金制度の拡充の話はトントン拍子で進みました。そればかりか「せっかくやるなら、思い切った仕組みにしたい!」という社長の意向で、当時2社しかない従業員持株会の奨励金100%付与に踏み切ることになりました。

肝いりの制度をどのように広めるか 新たな課題への取り組み

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▲社長による20期事業方針説明会 秋葉原本社勤務約100名の前で前期の振り返りと、今期の事業方針説明をおこなった

奨励金の100%付与。つまり、従業員持株会に3万円分の積み立てをすると、会社が同額の3万円を上乗せして合計6万円分の自社株を購入できるのです。

当社の従業員持株会制度は、千円単位で任意の買い付け額を設定し、毎月の給与から最大3万円、賞与から最大9万円を積み立てることができ、年間最大54万円の積立ができます。そこに会社から100%の奨励金が上乗せされるので、年間最大108万円分の自社株を購入することができます。

制度導入が決まってからは、「新しい制度をどのように社員に波及させるか」ということが新たな課題となりました。グループウェアで公開すれば、手間もかからずあっという間に全社員に周知できますが、導入の意図や目的が伝わりきらない可能性があります。

そこで、社長自ら、これまで株主や投資家向けにおこなっていた会社説明会を従業員にも実施し、会社の魅力や成長性を詳しく説明することにしました。これは「株を買う以上、社員も株主に変わりはなく、経営方針を知る権利がある」という社長の意向でした。

第1回の事業方針説明会実施後、従業員持株会への加入者は7割を超えました。

制度導入から11年が経った2019年現在も、社長による全国行脚は年1回の恒例行事となり、エスプールグループのすべての従業員に直接事業方針を伝えてまわります。

2007年当時は100名ほどだった社員も、今や700名を超える勢い。事業規模が大きくなるにつれ、以前のようには会社を横断したコミュニケーションが容易ではなくなっているのも事実です。

そんななか、事業方針説明会はグループ会社を知るきっかけとなり、会社として目指している方向を再確認する絶好の機会となっています。

想定外の嬉しい効果 若手社員の声

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▲新卒3年目 山本侑史 エスプール社長室にてグループ広報を担当しています

また、制度導入をきっかけとして、株式投資に興味を持つ社員も増えました。若い世代が資産形成へ関心を持つことは自身の市場価値向上にも大きく役立ちます。

新卒3年目の山本侑史は株式投資についてこう語ります。

山本 「まさか、自分が株式投資をするなんて思ってもいませんでした。株は一部のお金持ちがやるもので、自分には遠い存在に感じていたんです。株に興味を持ったきっかけは、入社時に聞いた従業員持株会の案内です。
先輩からは絶対に入った方が良いと言われましたが、正直、少し怖くもありました。難しそうだし、知らないうちに損をしていそうで……。
最初は『奨励金もあるし大きな損はないだろう!』という気持ちで入会したのですが、株をやるようになって、経済状況が気になるようになったんです。自然と新聞を読むようになり、世の中の流れが分かるようになりました」

「企業変革を支援し、社会課題を解決する」というミッションを掲げている当社とって、広い視野を持ち、世の中の流れを敏感に察知できる人材は、非常に価値の高い存在です。

さらに、山本は「持株会をきっかけとして会社で働くモチベーションにもつながっている」と続けます。

山本 「株価が上がる =会社の価値を上げることなので、『みんなで会社を盛り上げていくぞー!』という雰囲気はあると思います。自分たちの頑張りが会社の売上や信頼になり、株価に反映されて、最終的には従業員持株会で積み立てたお金が大きく増えて自分のもとに返ってくる。
もちろん仕事の報酬はお金だけではありませんが、貯蓄が増えることはやっぱり嬉しいです」

退職金に代わる制度として導入をしている従業員持株会ですが、年4回定められた期間内で株式を売却することも可能です。結婚、子育て、マイホーム購入などライフイベントの費用に補填できることも退職金制度にはないメリットです。

「実は最近、業績も好調なので、将来を見据えて賞与の買い付け額を引き上げました」と山本は嬉しそうに言いました。

社員一人ひとりが誇りを持って働ける会社を

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▲2019年2月19日 株式会社エスプールは東証2部上場をはたしました

「当社の従業員持株会制度が社員にとってメリットが大きい制度であることは間違いない」と熱を込めて語る荒井。

2019年2月28日現在、株価は2007年11月末当時の約20倍に。

荒井 「実は最近、嬉しい話を聞いたんです。数年前に辞めた社員が、従業員持株会で購入した株を持ちつづけていて、思わぬところで臨時収入になった、と。それを聞いてあらためて積み立て型の年金ではなく、持株会という形をとって良かったと思いました。
たとえ、さまざまな事情により退職したにせよ、共に働いた仲間には良い思いをしてほしいですから。
また、業績が苦しい時代を耐え抜いてくれた社員への報いにもなっていると思います。株価が 40円台の時代もあったので、その時から 50倍になっていますからね。
昔からのメンバーだけでなく新たなメンバーも含め、みんなでこれからも一緒に企業価値を高めていきたいですね」

制度導入から早11年。退職金制度の代わりとして、現在も正社員の8割以上が加入しています。

また、本制度は社員の資産形成だけでなく、人的資本価値の向上、経営に対する参画意識にも一役買っています。

「自分の仕事が会社の企業価値を上げている」――エスプールはこれからも社員一人ひとりが誇りを持って働ける会社を目指していきます。

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