かけがえのない仲間を失わないためにー新規事業開発担当の想い

多角的な事業展開をしているエスプールグループ。主力事業である人材派遣や障がい者雇用支援が順調に成長し続けているなかで、なぜ新規事業をエスプールは生み出し続けているのか?その理由は、新規事業開発の役割を担う鬼木陽一の経験が物語っていた。
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最速で成長したかった入社当時―その想いが新規事業開発担当への第一歩

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▲事業部を越えてエスプールグループの営業をまい進

「とにかく最速で成長したかった!」 それが鬼木の就職活動時代。

すべてを無難にこなせてしまう自分にどこかコンプレックスを感じていた学生時代の鬼木は就職をきっかけとして、とにかく最速で成長して自分よりできる人を一気に追い抜いてやろうという気持ちでいた。

そのために、きつくてもいいからいろいろ若いうちからやることができて権限を与えて貰える会社に入りたい……。そんな時に出会ったのが、エスプールであった。

鬼木 「エスプールの掲げるバリューのなかには『失敗を恐れずチャレンジする』という言葉があります。前のめりにドンドン物事を進める自分にとっては、この社風が合うのではと感じました」

そんな想いで、2006年の新卒社員として入社を決めた鬼木。当時のエスプールは今とは違い、人材派遣業のみで成り立っているような会社で他に事業らしい事業はなかった。

鬼木 「実際に入社してみると『失敗を恐れずチャレンジする』ということを体現している会社で、ベンチャー色満載だという印象が強かったですね。入社 1年目から人材派遣のコーディネーターや営業として、大阪、福岡、札幌の支店を約 1年半で周り、2年目の途中で新宿支店の支店長に任命されました。
その後は、支店長やエリア長などを経験しながら、予算を達成すれば何も言われないという前提のもと、自分がやりたい新しい事業の開発や営業をひたすらしていました」

通常の営業と並行して新しい事業の開発を行っているうちに、会社の中でやや浮いた存在となり、支店に関わらず営業を行う立場へ変わっていった鬼木。

最初は人材派遣の部門内の営業本部という位置づけで動いていた。しかし、営業の内容が多様になってきたり、他の会社や事業部をつくったほうがいいことが増えてきたりして、エスプールグループ全体の営業本部になっていった。

これらの経験が、のちに新規事業開発担当となる第一歩となった。

最大の失敗があったからこそ気づくことができたかけがえのない仲間

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▲グループ合同の懇親会(左から3番目)

2011年、鬼木が入社して6年目のエスプールは良く言えば絶対的な権限移譲、悪く言えば誰も何も教えてくれない、自分でやり方を考える以外に問題解決しない、という状態だった。

そんな「自由」ともいえるエスプールで鬼木は最大の失敗を経験した。

鬼木 「新しいもの好きの僕は、新規事業開発担当になる前から新しい形態の仕事や受注の仕方をたくさんやっていました。派遣しかほとんど仕事が無いなかで、試験運営や調査の委託業務を始めたんです。
そのなかで当時実施したことのないような大規模な調査を受託したのですが、すべてが初めてのことすぎて、簡単に言うと工数を大幅に見誤りました……」

調査用の備品の準備は追いつかない、システム上調査員の管理ができないなどさまざまな問題が発生。その結果、7日間で延べ5000名必要なところ900名分の枠が埋まらず大炎上。

鬼木 「当時はエスプールヒューマンソリューションズの本社がある新宿センタービルで働いていたのですが、部署関係なく、そこで働いている社員全員に数日徹夜をしてもらうはめになって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
でも、実は申し訳なさすぎてヘルプもお願いできない自分を見兼ねて、みんなが助けてくれたんです。その時、本当にいい仲間に恵まれたなと思いましたね……。めったに泣いたりすることは無いんですが、その夜は悔しさと感謝で涙が止まりませんでした」

しかし、持ち前のチャレンジ精神と、この大きな失敗を生かし、鬼木の新規事業開発担当としての使命や核となる考えが醸成された。

リーマンショックの悪夢 新規事業開発担当の本音

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▲新規事業で行政連携を実現 地方創生にも貢献

鬼木の入社した当時、人材派遣に注力してそれだけを伸ばす会社であったエスプール。順調に成長していったが、リーマンショックの煽りを受けて債務超過に陥ることになる。

リーマンショックの影響を直に感じながら仕事をしていた鬼木は、危機的な状況のなかで感じたことが現在につながっていると語る。

鬼木 「債務超過となってからは、とにかく売上や利益を上げていくということしか考える余裕はなく、かけがえのない仲間がどんどん辞めていくのを見ました。
その状況を目の当たりにして、景気変化に強いポートフォリオ経営をまい進し、大切な仲間を失いたくないという気持ちが芽生えたんです。それが新規事業開発をする核なる想いになっています」

エスプールは2019年現在、社会の困りごとを解決するソーシャルビジネスをまい進している企業として注目されている。

鬼木 「今の仕事は本当にやりがいしかありません。毎日楽しくて仕方ないというのが本音です。自分が考えたり、構築したりした仕事が世の中に広がり、それが社会のためになると考えると、こんなに楽しいことは無いですよね。そこがあるから大変なことも乗り越えられます」

やりがいを持って仕事をする鬼木。しかし、楽しいことだけではなく、大変なことやツラいこともあると言う。

鬼木 「実は大変なこともいっぱいあります。『新規事業開発』って名前だけ聞くと、『クリエイティブ』、『クール』といった印象を持たれることが多いんですが、実は真逆です。
とにかく泥臭いし、気後れしそうなことも気にせずに前へ進まないといけない」

考える事業案は失敗だらけで目の前は壁だらけ。それを解決する秘訣は、人が1チャレンジする間に粗くてもいいから100チャレンジすることだという。

鬼木 「エジソンでは無いですが、失敗は 100回のうまくいかない方法を見つけただけなんです。なので、僕が仕事で意識していることは何よりもスピード感です。コミットしてドンドン前に進める。忙しいですよ、脳みそフル回転です。
通勤の時もシャワー浴びてる時も寝てる時も仕事のことを考えています。でも、それが好きだし、新規事業開発への想いや楽しいという気持ちがあるからこそやり続けられます」

新規事業の新たな価値へーー真の安定した企業となるために

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2019年現在のエスプールは増収増益を継続し、業績好調と見られることがある。しかし、ビジネスは栄枯盛衰もある上、今の時代はとくにそのスピードが速い。

ボスコンのPPMで例えるなら、金のなる木に位置する事業がある間にどれだけ問題児をたくさん抱えられて、スターまで引き上げられるか。将来の不確実性に対応することが求められているため、現在の主力事業が好調なうちに今後シェアを拡大できれば新たなエスプールの収益の柱となりうる成長率の高い事業をどれだけつくれるかが必要になる。

鬼木 「僕の今の役割は成長率の高い事業の参入可能性を見出し、エスプールの主力事業になっていく礎をつくって、事業をやる責任者にパスをしていくというものです」

リーマンショックの後に苦しい時間を過ごし、同じ思いをしないためにポートフォリオ経営を進めているが、多角化戦略のなかにも関連多角化と非関連多角化という2種類がある。

鬼木 「今のエスプールが進めるポートフォリオ戦略線上にある事業は、関連多角化事業が中心。これは、エスプールの経営資源を活用して超正攻法で推し進めるもので、成功確率は高いです。しかし、景況感の変化に弱く、他の事業が苦しくなるとあわせて苦しくなる確率は高まります」

非関連の多角化は今の事業に影響を受けず、景況感に強いポートフォリオが組める可能性がある。

ただし、経営資源をあまり活用しない分、成功確率も低く、一時期にアメリカで流行った異業種企業が相乗効果を期待し企業統合して多角化経営を推進しようとした事例もあるがほとんど失敗している。

鬼木 「これから新しくつくっていく事業は、エスプールの経営資源を十分に活用しながらも今ある事業とは違うポジション、もしくは逆のポジションに位置している事業をつくる必要があると思っています。
わかりやすくいえば、不景気になればなるほど売上が伸びるような事業などですね。ただ売れるものをつくるだけでなく、エスプールの未来を見越しながら事業をつくっていくことが自分のミッションだと考えています。
さらに言えば、ある程度形ができてきた事業は優秀な若手などを積極的に起用して、新規事業を拡大させていくことが個人の成長の機会にも生かせるようになり、事業も人材も安定的に成長していくと考えています」

エスプールはこれからも会社の成長に向けて努力し続けるーー時代の潮目を読み泥臭く挑戦し続ける新規事業開発担当と、事業の基盤を支え、発展・拡大させる社員とともに。

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