安定を得た長期インターンシップ?安定のキャリアをかなぐり捨てて進む道

事業拡大に伴って学生インターンの受け入れも増やしているエスプール。一部では「学生の本分は学業」「採用直結のインターンは廃止すべき」などと言われているなか、入社3年目の長江拓磨は入社前にインターンシップを通じて、企業で働くことを学生時代に体感。当時の長江の経験に迫る。

大学3年。バイト感覚で始めたインターンシップ

▲体育会ラクロス部時代の長江

長江は大学時代、体育会のラクロス部に所属していた。大学3年になったら就職を意識し始め、部活動と並行して就職活動をしていこうと考えていたという。

しかし、大学3年で怪我をしたことにより部活を継続することができなくなってしまい、将来のキャリアに備えて行動していくことを決意。

長江 「当時就活サイトのオープンは 3月、選考開始は 6月というスケジュールだったので、余裕がありました。本格的に就職活動が解禁されるまでは企業で働くことを経験しようと思って、インターンシップに参加することを決めたんです」

ちょうどアルバイトをしていなかったこともあり、長江は有給で募集しているインターンシップに絞って探していった。そのなかで出会ったのが、エスプールだった。

長江 「エスプールグループの説明会に参加したとき、何をしようか少し迷いました。人事や営業など、さまざまな業務内容があったので。そもそも自分のなかに、将来やりたいこともなりたい姿も、あまり具体的なイメージを持っていませんでした……」

そのまま、就活サイトがオープンする3月より前に終わるものがいいと考え、2月で終わる国家試験の運営業務を選んだ長江。国家試験運営は、エスプールの子会社エスプールセールスサポートのなかで大きなプロジェクトのひとつだった。

その重要な案件において、長江はインターンシップ生ではあるが責任者の右腕のような立場で働くこととなる。業務内容としては、大まかにアルバイトスタッフの募集・事前研修・前日準備・当日の運営。そのすべてに携わることに。

長江 「正直初めはアルバイトのような感覚で仕事をしていました。やるべきことはたくさんあるので指示されたことを着実にこなしているような感じで」

しかし2カ月程度の業務のなかで部署の人と話しているうちに、長江は徐々に変わっていった。自分のやっていることが実際にお金や人を動かしている──。アルバイト感覚ではなく、社会人として働くやりがいを実感することができたのだ。

学生ながらプロジェクト責任者に抜擢──2度目の国家試験運営

▲入社前に築けた人間関係(左から2番目)

長期インターンを開始してからちょうど1年が経ったころ、再び試験運営の案件が入ってきた。長江(当時大学4年生)は1年目に責任者とともにやりきった実績もあり、インターン生ながら責任者として抜擢されたのだ。

責任者としてクライアントとの折衝に行った際、インターン生ではあるものの「長江さんなら安心ですね」と先方の担当者に言わしめるほど、前年の実績は認められていた。

そして長江は1年前同様、スタッフの募集や研修をしながら、責任者として全国8会場の進捗管理も行った。全体で約1000名のスタッフを1日で動かすことになるため、首都圏に関しては平日1回、土日3回のスタッフの登録会・研修を実施していた。

そこではどんなに効率よく人を集めて、十分な人手を確保できたとしても試験当日に何か問題が起こってしまったらすべてが水の泡となり大問題へ発展してしまう。このプレッシャーを感じながらも長江は淡々とやるべきことをやっていた。

長江 「慌てても意味がないので、とにかくやれることをやるしかないという感覚でした。ただ内心は『これで大丈夫かな?』と自問自答する日々でした」

1年前とは比較にならないほどの業務量をこなしていった長江。たくさんの困難にぶつかりながら学んでいった、“社会人として大切なこと”がある。

長江 「 “何にどのくらい時間を使うか ”というタイムマネジメントの重要性について、身を持って体験できました。当日稼働する 1000名のスタッフを集めるかたわら、各会場の担当者やクライアントとの打ち合わせも行う。ただ目の前にあることからこなしていくだけでは絶対に回らないんです。


これまで自分は時間管理をできているつもりでいたのですが、実際仕事をしてみて全然できていないことに気付きました」


首都圏だけでなく地方会場のスタッフ募集も担当していた長江。既存の登録スタッフだけでは足りず、新規スタッフの登録会が必要となっていた。ほかにも出張に伴う業務時間の制限など、悩ましいことは多々あったようだ。

長江 「求人の出し方や時給の設定まで模索して、応募数を増やそうともがきました。そして、選考自体の効率化も重要だと考え、動画面接による登録会の提案をしてみました。でもこれは導入まで至りませんでした。今思えばそんな短期間でシステムを導入して運用に至れないことは当たり前なのですが、当時はあまり納得できない気持ちも抱いていました」

このようにして長江は、効率よく運用していくための事前準備の重要性や時間管理など、多くのことを学んでいった。

長江 「プロジェクト自体は成功しましたが、課題は多く残りました。ただ、こういった経験を積めたことはとても恵まれていたと思います。『仕事の疑似体験』のようなインターンではなく、実務を担当し、かつ責任者を任せてもらえたからこその学びは、ほかに代えがたい経験になりました」

ついに新卒入社。期待を大きく超えられていない自分に気付く

▲入社式。緊張した面持ちで挨拶する長江

大学を卒業した長江は、ついに新卒社員としてエスプールに入社する。インターンシップでさまざまな部署の人と関わっていたこともあり、長江は入社当初から周りの社員に「任された業務はそつなくこなす」「新卒1年目とは思えないほど安定感がある」と言われ、信頼されていた。

長江 「長期インターンをしているときに苦しい経験もしてきたので、入社 1年目の人がよく悩むような学生と社会人のギャップというのも、感じることはありませんでした。自分をうまくコントロールできていたのではないかと思います。


その一方で、周りから『安定している』と言われるのは、周囲の人の期待には応えられているが、その期待を大きく超えられていないことでもあると感じていました。自分は『安定の長江』なんだなあ、と」


このことを一番痛感したのは、入社後のジョブローテーションで再度国家試験運営に携わったときであったと話す。その年も責任者として、2年前の長江のようなインターン生をマネジメントすることとなった。

長江 「自分の業務量が増えることについてはそんなに苦ではなかったので、業務を詰め込んでどうにか時間内に終わらせるようにしていました。インターンのときから自分ひとりである程度業務をこなしていたので、正直それでどうにかなると思っていたんです」

ただ、自分の力を100%発揮したとしても、成果は最大化できないことに気付いていく。

長江 「インターン生は毎日来るわけではありません。短時間勤務の中で、業務を割り振っていました。やるべきことはやってもらえていたものの、仕事のやりがいまでは感じてもらえていなかったのかなと思います。そのため業務を頼みづらく、インターン生の力を最大限引き出すことはできませんでした。


その時、自分のできることだけをやっている……だから他者の力を引き出せず、周囲の期待を越えられない『安定の長江』で留まっているのではないかと思いました」


そう考えた長江は、ある一大決心をする。

『安定の長江』を捨て、新たなステップへ

▲同期や同僚たちと(後列右から2番目)
長江 「現状のままでは『安定の長江』を抜け出すことができないので、早く組織を持ち、マネジメントの経験をすることができる部署に異動させてほしいということを伝えました」

入社2年目。周囲からはすでに事業部の営業として大きな戦力だと評価されていたが、自身の内にある焦りが消えることはなかった。

長江 「この事業部で営業としての実績を積み重ねていったらそれなりの地位には立てるのではないかと思っていました。しかしこのままではトップにはなれない、それなりで止まってしまうという焦燥感にかられたんです。早いうちから組織を持ちたいという気持ちがきっかけで入社したのに、このままではいけないと思いました」

そうして、安定したキャリアを捨てるため、長江は人事部長へ直接想いの丈を話しに行ったのだった。その想いが届いたからか、長江は入社後2年目の冬に異動となった。異動先は、エスプールグループの主力であり最も大きな売上を出している人材派遣事業の本社である。

その後、わずか半年で結果を残し人材コーディネーターのリーダーに抜擢。入社3年目現在、リーダーとして中途社員や新卒1年目社員などをマネジメントする立場となっている。

長江 「今はまだまだ挑戦中ですが、振り返るとすべてはインターンシップから始まっていたと思います。その経験があるからこそ、もちろん同期には負けられない。そして、インターンでお世話になり、評価してくださった上司・先輩社員の期待を超えていかなきゃならないんです。


もし学生時代にインターンをやっていなかったら、おそらく安定したキャリアに甘んじて、それなりで留まっていたかもしれません」


長期インターンから新卒へ、これまで日々奮闘しながら『安定』と評されるまでの実力を身につけた長江。入社4年目。『安定』のその先に向かい突き進んでいく。

関連ストーリー

注目ストーリー