世界に誇れる日本の縫製技術をもっと多くの人へ――「nutte」が実現したいこと

株式会社ステイト・オブ・マインドが提供しているのは、縫製職人とユーザーのマッチングを行うサービス「nutte」。2015年にスタートして依頼、クオリティの高い仕事を手がけるプロの職人のみなさまがご活躍されています。今回は広報担当の佐藤杏里が、このサービスに感じている可能性をご紹介します。
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縫製職人との出会いをきっかけに「nutte」のサービスにのめり込む

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広報として未経験ながらサービスの露出に勤める佐藤
みなさんは今、自分が着ている服がどのような技術で作られているか、考えたことがありますか?

日本の縫製職人がもつ技術は、世界にも誇れるすばらしいものです。

それをもっと、多くの人に知ってほしい。そんな想いのもと、当社の代表・伊藤悠平が2015年2月に起業してはじめたのが、縫製マッチングプラットフォーム「nutte(ヌッテ)」。洋服や雑貨など、ユーザーが作りたいものをWeb上で依頼すると、登録しているさまざまな縫製職人がそれを実際に製作してくれるサービスです。

2017年現在、当社で広報として働く佐藤杏里はこのサービスに可能性を大きな可能性を感じているひとりです。彼女はかつて、歌手やヨガインストラクターとしてさまざまな活動をしていました。しかしあるとき伊藤と出会ったことをきっかけに、「おもしろそう!」という気軽な気持ちでアルバイトをはじめたのです。

そんな佐藤の気持ちがぐっと「nutte」に傾いたのは、ひとりの縫製職人にインタビューを行ったときのことでした。

職人の話は、けっして流暢なものではありませんでした。それでも、技術に対して強い向上心があり、ひとつひとつの仕事に真摯に向き合っていることが強く伝わってきたのです。

佐藤 「職人の方の話に感動すると同時に、nutte自体が大きな可能性を秘めたサービスだと気づいたんです。単なる“洋服のオーダーメイド”にはとどまらない。『縫えるものなら何でも作れるインフラ』として、事業の幅がグンと広がるんじゃないかなと思いました」
こんな洋服を着たい、こんなブランドを立ち上げたい――そう思っている人がいたとしても、実際に「作れる人」がいなければ実現しません。華やかな服や衣装を作るために、裏方として奮闘する彼・彼女らに、佐藤は感銘を受けます。そしてそれは彼女自身が活躍していた世界にも通じるものがあったのです。

佐藤 「歌手として活動していたとき、音源の製作にせよ、ライブにせよ、ステージに立つ私を形づくってくれたのは、支えてくれたスタッフのみなさんだったんですよね。本物かどうかは、フロントだけではなく、裏方の技術に表れる――それは縫製をとりまく業界でも、同じことだと思いました」
そして佐藤は、まだ立ち上がったばかりのステイト・オブ・マインドで社員になることを決意します。彼女にとって、はじめての会社員生活がスタートしました。

今まで表舞台に出ることがなかった「縫製職人」の世界とは?

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職人登録説明会の様子
当社で働きはじめた佐藤は、縫製職人を取り巻くアパレル業界の現状を、少しずつ知ることになりました。

アパレルの世界には、「サンプル職人」と呼ばれる人がいるのをご存知でしょうか。一般的に広く販売されている洋服は、まず定期的に行われる展示会でサンプル品の買い付けが行われ、それから工場で量産されています。その展示会で出品する洋服を自宅や数人の工房で製作している人たちがいます。nutteに登録している多くはこうした「サンプル職人」です。縫製工場では部分縫いを分業で行いますが、サンプル職人は1着まるごと縫い上げるため、高い技術を要します。

しかしどんなに技術を持っていたとしても、そうした職人は下請けであることが多く、無理な仕事を強いられてきました。自分自身が生活費を稼ぐのに精一杯で、弟子を雇って手伝ってもらうことも、教育をすることもできません。世界に誇れるはずの日本の縫製技術を、後進に伝承していくことも難しいのが現状です。

佐藤 「多くの職人さんたちは特定の会社と契約していることが多く、わざわざホームページをつくったりして広く仕事を募ってはいません。そのためアパレル業界に関わりのない一般の人はもちろん、技術をもった人を探している企業も、個々の縫製職人と直接接点をもつことが難しいんです」
でもnutteなら、そうしたなかなか見つからない職人にインターネットで出会うことができます。職人にとってもWeb上にアップされる数多くの案件のなかから、自分自身が受けたい仕事を自由に選ぶことができるメリットがあります。すでに職人の中にはnutteを利用して月に50万円以上の収入を得る人も出てきています。従来の下請けの仕事にプラスアルファの収入を得られるだけでなくメインの仕事としても成り立つ兆しが見えています。

職人のみなさんにもこのメリットが伝わったのか、2015年に立ち上がってから2年足らずのサービスにも関わらず、職人の登録数はコンスタントに増加しています。また職人の技術の高さから、発注するユーザー数も増えています。2017年時点で、登録している職人は1,000人を超え、依頼者ユーザーは2万人に迫ります。

そして、短期間でこれほど登録者数が増えたのには、さらにもうひとつの理由がありました。

「一度はあきらめていたけれど……」全国の縫製職人の目にとまる

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全国のさまざまな技術を持った職人さんが活躍しています
アパレルメーカーからの縫製の仕事は、多くは安価に発注が可能な海外の工場に流れています。

海外に発注する為には、多くのロットを発注する必要があり、その為に在庫を抱えたメーカーが捌き切れず、体力を無くし、業界全体が衰退しています。日本の職人たちもこの業界夢を感じられず、縫製の仕事をあきらめ、全く違う職に就く人も少なくありませんでした。

しかしそんな方々が、nutteに新たな可能性を見出してくれました。私たちが取り組んでいるサービスが、テレビをはじめ多くのメディアに取り上げていただいたことで、たくさんの方の目にとまることになったのです。

たとえば九州在住のある職人さんは、お客さんの高齢化により仕事が減ってしまっていました。

佐藤 「かつては地元のお客さんを多く抱えていましたが、だんだん自分の腕を振るう機会がなくなっていたそうです。でもnutteを知ってまた服作りを再開し、幼稚園の子どもが着る服の注文を受けてくれました。どんな子が着るのかな、と想像しながら楽しく服作りができたとおっしゃっていました」
またnutteを知った若い世代の方が、かつて縫製職人をしていた親御さんに対して「こんなサービスがあるから、また仕事してみたら?」と紹介してくださるケースも多いようです。

ユーザーの方も非常に多様です。たとえばネットショップを運営している方が、自らデザインしたオリジナル商品の縫製を依頼していたり、アパレル企業が展示会用のサンプルを注文していたり。もちろん、「こんな服がほしい!」「洋服のお直しをしてもらいたい!」という個人の方もたくさんいらっしゃいます。

佐藤 「nutteなら職人が全国どこに住んでいても大丈夫ですし、お客さんも全国に広がります。さらに金額と納期を見て納得できる仕事を選択できるだけではなく、今までやったことがないジャンルにもチャレンジしていただいています。職人として、仕事の幅が広がるチャンスもあります。もっと多くのみなさんにこのサービスを有効活用して、たくさんの可能性を広げていただけたらうれしいですね」

サービスが秘めた可能性に「ワクワクして夜も眠れない!」

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自分の洋服を気軽にオーダーし写真をSNSに投稿しています
業界外の一般の方はまだまだ、「オーダーメイドで洋服を作る」ことに対してハードルを感じてしまうケースが多いのではないかと思います。しかし私たちは、店頭でお気に入りの洋服を選んで買うのと同じくらい、もっと気軽にnutteを利用してほしいと考えています。

佐藤 「たとえば私は、移動時間などにスマホで『こんな感じの服をどなたか作ってくれませんかー』とnutteに投稿したりしています。そんなに難しく考えず、気軽に使ってもらいたいです」
ユーザーのみなさんにより使っていただきやすくするため、サービスの改善を重ねているところです。

佐藤 「服に詳しくないユーザーが依頼するとき、どんな素材を選ぶべきか迷うという悩みもいただいています。選ぶ素材によって、完成する洋服は全然違うものになることもあるんです。今はユーザーが素材を用意できるサイトと、作りたいものから生地を選べるサイトの作成を計画中です」
ユーザーが増え、依頼される仕事が増えれば、これまでなかなか日の目を見ることがなかった縫製職人の世界にスポットライトが当たり、活躍する職人の方々も増えていくはず。それはおのずと、私たちがめざしている『日本の縫製技術の継承』にもつながっていくでしょう。

佐藤 「本当にいろいろな技術をもった職人さんたちが登録してくれているので、みなさんの力を結集したときの可能性は計り知れないですよね。これからどんな新しいチャレンジができるか――そう考えると、ワクワクして夜も眠れないくらいです(笑)」
実際、nutteのサービスに可能性を感じてくれたさまざまな企業さまから、アライアンスや仕事のご発注をいただくことも増えています。今、佐藤はそれらをひとつひとつ実現させているところです。

当社はこれからも、縫製職人の方々とユーザーのみなさまに、nutteを通して新しい体験をしていただくためその架け橋となるべく、より良いサービスを展開していきます。

世界に誇れる日本の縫製職人がもつ技術を、もっと多くの人に知ってほしい――サービスをはじめたときの強い想いを、現実のものにするために。

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