自分が思い描いた理想のイメージを、縫製職人があらゆる技術で実現してくれる

縫製職人とユーザーのマッチングを行うサービス「nutte」を運営する、株式会社ステイト・オブ・マインド。2016年秋に入社したパタンナーの高畑弥生は、かつて自分自身が登録の職人と同じように、下請の職人として働いていました。そんな経歴をもった彼女の目に、このサービスはどのように映ったのでしょうか。
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縫製業界の“ちょっと変わった求人”にひかれて入社

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社内でお誕生日パーティー。当社では代表に次ぐ2人目の縫製技術者です

高畑 「私はまったくITに詳しくなかったので、正直なところステイト・オブ・マインドを紹介されたとき、どんな仕事があるのか想像がつきませんでした。縫製関連の仕事の中では、ちょっと変わった会社でしたね」

そんな“異色の求人”にひかれて当社に入社した、パタンナーの高畑弥生。彼女は高校時代から、学校の体育館でファッションショーを企画するほど服に魅了されていました。

高畑 「自分が作った服を自分で着ても、おもしろくなかったんですよね。それよりも、私が作った服を他の人に着てもらって、その人が舞台でキラキラしているのを見ることに喜びを見出していました」

高校卒業後は服飾関係の専門学校に進学。新卒でアパレルメーカーに就職。その後衣装を製作するアトリエに転職してデザイナー・パタンナーとして活動するようになりました。しかし環境や方針に違和感を覚え、再び転職をすることを決意します。

そのとき、キャリアカウンセラーから紹介されたのが、当社が出した求人募集だったのです。

高畑 「とにかく、直感で“おもしろそう”だと思いました。縫製業界であることに変わりはないけれど、今までとは違ったことができるかもしれない。そう思い、応募することにしたんです」

高畑は入社後、これまでの職人としての経験を活かして、法人案件の管理などを手がけることになりました。「nutte」のサービスを通して、自分自身が服の製作実務を担っていたときとは大きく違う、新しい立ち位置から業界に向き合うことになったのです。

縫製業界の未来を見据える、メンバーたちから刺激を受ける日々

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アライアンス案件のディレクションなどでnutteに関わる高畑

かつて自身も職人として生計を立てていた高畑は、業界を取り巻く環境の厳しさを痛感していました。

高畑 「ずっと衣装作家として仕事をしたいと思っていたのですが、なかなかやりたい衣装製作の仕事にたどり着くことができないんです。衣装は個人規模のアトリエで製作していることが多いのですが、その受注ルートが公開されているわけではありません。少しでもやりたい仕事に近づくためには、個人アトリエからさらに下請けの仕事をするしかなくて……」

彼女が職人として抱えていた課題は、まさにnutte登録の職人が抱える課題でした。

高畑 「仕事を受けたら当然、最高のものをつくるために寝る時間も削って作業をします。高い仕上がりで納品しつづけても、依頼ごとに、どんどん金額も下げられていきました。そのくらい下請けだと立場が弱いんです」

アルバイトと両立をしながら製作に明け暮れる日々。しかも、下請けの下請けのそのまた下請けという立場では、自分の好きな仕事を選ぶ機会になかなか恵まれませんでした。

依頼する会社も、ひいては業界そのものが、彼女を育ててくれることはありませんでした。

そんな彼女にとって、インターネットで仕事を選んで受注できるnutteの仕組みは、とても新鮮に感じられたのです。

高畑 「下請けをしていた頃は、他業種の人たちとあまり関わる機会がなかったんです。どこもそうかもしれませんが、すごく“狭い世界”だったんですよね。とにかく、目の前の製品をどうつくるかをひたすら考えていただけで。でもこの会社の人たちは、『nutte』を通して技術や製品を届けるだけではなく、もっとその先、縫製職人や業界にとっての未来を見据えている。そのことに驚きました」

nutteに深く関わるにつれて、高畑には自分の視界に拡がる霧が晴れていくように感じられたのでした。

自分の得意分野を活かせること、やりたい仕事に自らチャレンジできること

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縫製職人だからこそできる技術を活かせる場をつくっていきます

高畑は入社してから、あらためてnutteの仕組みにさまざまな可能性を感じるようになりました。

まずひとつは、さまざまな技術を持った職人たちが登録しており、各々の得意分野を活かして仕事ができることです。

それは高畑自身にも、これまでの仕事で、自分の不得意な作業に苦労した経験から、意義を感じられることでした。

高畑 「たとえば私の場合、パタンナーといってもCAD(パソコン上で図面を描くシステム)が使えないんです。でもnutteなら経験のある職人さんが登録していて、必要であればCADでパターンを引いてもらうことができます。手引きもCADもそれぞれ良い部分があるので、自分ができない部分を得意な職人さんに助けてもらえるのはありがたいですね」

実際に多くの職人から、nutteに登録してから自分の得意分野をより活かせるようになった、という声を聞きます。

そしてもうひとつが、経験の有無に関わらず、自分がやりたいと感じる仕事に積極的にチャレンジできること。

高畑 「以前は下請けで仕事をもらっていたので、私自身も長い間、やりたい衣装の仕事をなかなかできない期間がありました。そうした環境では、職人さんもやりがいを見出しづらいと思います。だからこそ、自分の意思で仕事を選べるnutteの仕組みはとても画期的だと感じました」

nutteでは、職人が自分で引き受けたい仕事を選ぶことができます。自分の実績がある分野、得意ジャンルの仕事を選ぶもよし、今までチャレンジしたくてもできなかった、未経験の案件に飛び込んでみるのもよし。「以前とは違うジャンルの仕事ができた」と、職人の方々に喜んでいただけることも増えてきました。

高畑 「さらに、独立した個人だとなかなか受けられないような大きな案件に関われることもあるので、貴重な経験になっているのではないでしょうか」

収入を得るためだけではなく、仕事のやりがいを実感したり、新しい技術を身につけたり――nutteは、そうした縫製職人のためのプラットフォームとしても機能しはじめている。高畑はそう感じています。

職人同士の技術が化学反応を起こせば、アイディア次第で何でも実現できる

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サービスローンチから2周年を迎えたnutte。社内メンバーと

高畑: 「職業柄、自宅にいろいろな生地や素材が大量に眠っているんです(笑)その材料がもったいないので、私もnutteで何着か自分の服を作ってもらいました。 今はなかなか、自分で自分の服を作る時間はとれないので。やはり自分が欲しい、こうしたい、と思ったことが形としてできあがってくるとうれしいですよね」

当社での仕事、そして自身もユーザーとしてサービスを利用している経験から、さまざまな技術を持った優秀な職人が在籍していることを確信した高畑。これからはもっと多くの人に、nutteのサービスを利用してもらいたいと考えています。

高畑: 「nutteなら、服飾や縫製の経験がない人でも欲しいものを形にすることができます。職人さんが細かくフォローしてくれますから。『こんな服を着てみたい!』というイメージがあっても、お店では売ってないし、とても自分では作れない……今までそうあきらめていた人にこそ、使ってもらいたいですね。自分が描いた理想通りの服を身につける。それでテンションが上がる感覚を体感してほしいんです」

「イメージを具現化するための手助けをしていきたい」――高校時代からそんな夢を描いていた高畑は、今、nutteでそれを実現しようとしています。

高畑: 「nutteは、次々と無数に化学反応を起こせるようなサービスだと思っています。服だけではなく、鞄や帽子、雑貨、小物まで、ジャンルもそれぞれ得意分野をもった職人さんが登録してくれています。その技術を掛け合わせれば、アイディア次第でなんでも実現できるのではないでしょうか」

縫製職人の技術は、今までは業界の中だけで機能することが一般的でした。しかし当社のサービスを通じて、そのすばらしい技術を一般の方にも届けていくことができるようになったのです。

nutteでは、高畑のように新しい仕組みに可能性を感じてくれた職人と、ユーザーのみなさま、双方の登録数が増加中です。ユーザーの方が思い描いた世界観を実現でき、それを叶える職人も仕事にやりがいを見い出すことができる――このサービスをそうしたプラットフォームにしていきたいと、高畑は考えています。

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