ファイナンスの知識と経験を武器に新たな仕組みづくりへの挑戦

高度化する医療機器の導入に伴う病院側の費用負担を軽減するため、ファイナンススキームを用いた新たな資金調達の仕組みを構築した日本ストライカーの新谷信之。医療機器の業界で独自のファイナンススキームは、どのように生まれ、広まったのか。その活動の軌跡を辿ります。
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医療機器導入の課題を解決するファイナンシャルソリューション

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日本ストライカーが提供する数々の医療機器は、高度化する医療の現場においても、欠かせない存在となっています。ただ一方で、最新技術を活用した製品は設備投資コストもかかるため、導入する病院側でも簡単には導入に踏み切れないといった現状があります。

新谷のチームでは、こうしたコスト面の負担を軽減するための新たなソリューションを提供しています。

新谷 「国の医療費削減検討などの影響で病院の財政事情が厳しくなるなか、医療現場では、新しい技術が欲しいけれども導入できないという事態が起こっています。
以前はドクターが採用したいと言ってくだされば、導入につながっていたものも、予算の都合上見合わせざるを得ないケースも珍しくありません。
こうした資金の問題で医療の現場が停滞しないよう、ファイナンシャルソリューションを使って医療機器の導入をサポートするのが私たちの仕事です」

日本ストライカーの製品の優位性が高くドクターと営業との信頼関係も築けている。ただ、予算がつかない。

こうした事例がまさに新谷たちの出番となります。まずドクターに実現可能な資金のプランをご提案し、納得いただければ予算を管理する病院の経営陣や事務部門にうかがい、話を進めます。

新谷 「このプランのおかげで高度な医療機器が導入できたと、お客さまから感謝のお声をいただきます。
私たちからすると、プランのご活用により製品を導入いただけるので逆にありがたいのですが、自分たちの仕事が、医療現場で役に立っていることを実感しています」

日本の整形外科領域では、こうしたファイナンススキームを活用し、医療機器の導入支援を行っている企業は、まだまだ少ないのが現状。

また医療業界で比較的ファイナンススキームが進んでいるCTやMRIなどの画像診断の分野でも、同じグループに属する金融系企業が、スキームづくりを主導しているケースがほとんどです。

医療機器メーカー主導でプランを提供している日本ストライカーの取り組みは、他社との差別化をはかる強力な武器になっています。

リース会社で培ったノウハウを携え、メーカーとして医療の現場へ

新谷が日本ストライカーに転職したのは2016年。それまではリースの世界で、長年経験を積んできました。

大学時代に「銀行のような金融機能と、商社のようにものを動かす機能の両方を備えた仕事」という言葉に興味を持ったことがきっかけで、卒業後はリース会社へ就職した新谷。

入社後3年間は営業として着実に実績を上げ、財務部門に抜擢されてからも、その手腕を発揮していました。そんな新谷に、自身のキャリアを左右する出来事が起こったのは、入社から6年目のことでした。

新谷 「当時勤めていたリース会社が、M&Aで外資系企業の傘下に入ったんです。
そのグループ企業には高額の医療機器を扱う事業があり、当時はそのファイナンスをサポートする専門チームを立ち上げようとしている時期でした。そのチームに配属されたことが、私が医療業界とかかわりを持つようになったきっかけです」

医療業界は、新谷にとって初めての業界でしたが、これまでの経験をもとにファイナンススキームを構築。その仕組みを全社の営業担当にレクチャーするとともに、自らも営業現場に連日顔を出しスキームのブラッシュアップに努めました。

一方では、ファイナンススキームの啓発活動にも奔走。医療機器の導入にファイナンスが使えることを知ってもらうため、全国の大学病院などを回り、その手法を広めていったのでした。

新谷 「自ら望んで医療の世界に飛び込んだというより、最初は会社の指示でこの業界とかかわり始めた形です。
ただ、やり始めるとこの分野は本当に面白い。これまでリース業で接してきたどの業界とも違う独特の環境のなかで、自分の成長の糧となる良い経験ができました」

その後一旦は医療の仕事を離れていた新谷でしたが、日本ストライカーが医療機器を販売するためのファイナンスチームを立ち上げるという話に興味を持ち、転職を決意。メーカーと言う立場で、医療分野での新たなチャレンジが始まったのでした。

新谷 「リース会社時代とは違い、医療機器メーカーの中でファイナンスの仕組みを考える立場です。
こちらから、リース会社などファイナンス関連の会社に働きかけ、一緒に仕組みやファイナンス商品をつくっていくわけですが、私はもともとリース会社で働いていたので彼らがどういうことを考えているかは、ある程度わかります。
これまで培ってきた、ファイナンスの知識と経験を、どれだけ生かせるか。そこで自分の真価が問われると思っていました」

受賞の瞬間、湧きあがった称賛の声

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前職のリース会社でも、医療分野で多くの実績を残してきた新谷でしたが、日本ストライカーに入社した当時は、ファイナンスを使った医療機器導入の存在すらまだまだ認知度が低い状況。新たな取り組みが、社内にどれだけ受け入れられるのか不安があったと言います。

新谷 「アメリカやオーストラリアのストライカーでは成功していたといえ、日本ストライカーとしては、新たな試み。どれだけ広がるかは未知数でした。
特に当社は、設備投資の対象となる医療機器のシステムだけではなく、人工関節のようなインプラント製品も供給しています。機器をリースするだけではなく、こうしたインプラント製品をどのように融合させていくかは、知恵を絞ったところです」

営業部門のメンバーたちに受け入れられる仕組みにするためには、単にソリューションを構築するだけではなく、より使いやすいように調整を重ねていかなければならない。

そう考えた新谷は、試行錯誤を繰り返しながらスキームを整えていく一方で、頻繁に説明会を開き、営業部門での理解を図っていきました。こうした地道な活動は徐々に実を結び、少しずつ成果が上がるように。そして3年目を迎えた今、社内はもちろん、病院側からも感謝される、無くてはならないソリューションに成長したのです。

こうした実績が評価され、2018年、新谷は社内のスタッフ部門のなかで最高の賞となる「プレジデントアワード」を受賞。全国から社員が集まるセレモニーの会場では、多くの称賛の声が上がりました。

新谷 「入社してまだ 2年の私が受賞できるとは思ってもみなかったので、名前を呼ばれたときは本当に驚きました。
何より嬉しかったのは、私の名前が呼ばれた瞬間に、多くの皆さんから温かい拍手と歓声をいただいたことです。たくさんの人が、おめでとうと握手をしてくれました。、本当に嬉しかったですね」

壇上に進むまでの間、新谷は、このスキームが認められたのだという喜びを噛みしめていたのでした。

お互いを尊重しながら、新しいことにトライできる文化がある

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新谷 「そのために、他社が真似できないことにどんどん挑戦していきたいですね。ただ、周囲も喜んでもらえる仕事をするためには、まず自分も満足できるよう楽しく仕事ができていることが大切と考えています」

この点においては、日本ストライカーには、お互いを尊重し、助け合える文化があるから、大丈夫だと新谷は続けます。

新谷 「一般的に外資系企業では、とかく最後は個人の実績重視という印象が強くあると思いますし、実際に以前勤めていた企業でもそういった風潮が少なからずありました。
それに対して日本ストライカーは、目標に対しては、一人ひとりがまっしぐらに進みますが、だからといって他人を押しのけることはありません。お互いを尊重し、協力し合う意識の高さは、転職して一番感じた部分です。
外資系らしくない、かといって日本企業らしくもない、独自に育った良い文化だと思います」

また、言われたことだけではなく、自分たちで考え、いろんなことにトライすることを認めてくれる部分も、日本ストライカーに根付いた文化だと言います。

新谷 「私の部署は、新しいことをやっていくのが仕事ですが、会社によっては、例えばプランをつくっても、それはダメ、これもダメと否定から入るケースが少なくありません。
日本ストライカーは、新しいプランを提案すると、まず『それ良いね!』と言われ、新しい意見やアイデアがどんどん出てくる。こういう文化があったからこそ、ファイナンシャルソリューションの成功があったのだと思っています」

お互いを認め合い、トライできる環境のなかで、新しいことに取り組める自分はラッキーだと語る新谷。

ファイナンスソリューションを広めたように、今後は日本ストライカーという会社自体の良さも、世の中に広めたいと考えています。

新谷 「医療に直接かかわりの無い人でも、日本ストライカーと聞けば『良い会社だよね』と言われるよう、会社のブランド価値を高めていくことも自分の目標です。
世の中から認められるのは本当に素晴らしいことだし、そうなれる資質がこの会社にはあると思っています」

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