製品への愛を患者さんに届けたい──仲間の信頼を得てシェア拡大を実現した原動力

学生時代に学んだエンジニアリングで人の役に立ちたいと医療業界へ。日本ストライカーと出会い、プロダクトマネージャーとして新製品の立ち上げに取り組んだ池田葩。その後、担当製品のシェアを拡大させ、2017年には最優秀マーケティングを受賞。そんなビジネス成長の裏には、製品にかける想いがありました。

成熟製品を使い続けてもらう難しさ「製品を誰よりも愛そう」

医療機器はライフサイクルが非常に長く、ひとつの製品を10年以上販売し続けることも珍しくありません。そのため、医療機器のマーケティングでは、製品の販売開始の時だけでなく、そこからどのように売り続けていくかが重要なポイントになります。

長年、整形外科領域のマーケティングに携わってきた池田葩が日本ストライカーに入社したのは2012年。最初に担当した製品も、こうした成熟製品のひとつであり、大腿骨の骨折に使われる髄内釘でした。

池田 「もともと日本ストライカーの主力製品のひとつであったもので、業界ではすでに名前も知れ渡っている状態でした。すでに多くの医師が知っている製品を、さらに使い続けていただくためのマーケティング活動は難しかったですね」

製品の魅力を訴求するため、新たに追加できる情報を調べたり臨床試験の成績を伝えたりと、地道な活動を続けました。法規制に対応しながら、新しい営業ツールの作成や情報発信に尽力したと言います。

池田 「営業担当者はすでに、この製品にプライドと自信を持っておすすめしていました。彼らの強い想いに感化され、私もこの製品を誰よりも愛そうと思ったんです。そこで、従来品の意義を伝えられるよう工夫を凝らしました。マーケティングをする上で、製品への愛は、今でも一番大切にしているところです」

歴史ある製品でありながら、2019年現在でも数多く使われている製品。良いものを提供し続けているという自負と製品への愛、そして何よりも医師に評価してもらえることが、「製品をさらに広めたい」という原動力になっていたと話します。

新製品の浸透──「池田に聞けばすぐに教えてもらえる」を目指す

その後、池田は日本ストライカーでは比較的新しい製品分野であるプレート&スクリューの担当に異動しました。骨折の手術では主に金属製のプレートやスクリュー(ネジ)を用いて、患部を固定します。プロダクトマネージャーとして新製品の立ち上げに取り組んだ池田。彼女の努力の裏にも、製品にかける愛がありました。

池田 「同じ外傷領域のマーケティングでしたが、新製品ということもあり、手法は大きく変わりました。製品を新たに日本で販売し、市場を拡大していくためのビジネスプランを立てたり、現場で営業担当者のサポートをしたり。マーケティング担当として仕事の比重が、ガラっと変わった感じでした」

成熟した製品に比べたら新しい情報も豊富にあり、マーケティングは簡単かもしれない。そんな風に物事は進みませんでした。営業担当者が「新しいものを積極的に売っていこう」という空気にはならなかったのです。池田は、製品にかける愛をここでも発揮し、まずは社内の営業部門に製品の良さを理解してもらうことから始めました。

池田 「新製品は、医師に伝えなければならないこともたくさんあります。毎日忙しく飛び回っている営業担当者に時間を割いてもらうことも容易なことではありませんでした。また、『本当に良いものなのか』という懐疑的な部分もあったと思います。時間をかけて新製品の良さを伝えていくしかないと思いました」

毎月、製品を使用していただいた医師の言葉を引用したレポートを作成し、導入に成功した営業担当者の事例を紹介しました。ときには、専門の医師を招いて勉強会を開催するなど、営業担当者との双方向のコミュニケーションを積極的に図りました。現場で活躍する営業担当者の意見に耳を傾け、反省と改善を繰り返しながら、“池田に聞けば、すぐに教えてもらえるぞ”と思ってもらえるような信頼関係を築き上げることも大切にしたと言います。

池田 「いくら私たちマーケティング担当が良い製品だと言っても、営業担当者の協力がなければ医師の元に届くことはなく、ましてや患者さんに使っていただくことはありません。『良い製品なんだから、患者さんに届けたい!』その想いを叶えるべく、あらゆる方法を使って情報提供に努めました」

最優秀マーケティング2017受賞!営業担当者と“分かち合えた”喜び

プレート&スクリューを担当して4年。池田は、市場における鎖骨骨折治療のニーズに合った製品ラインアップを充実させ、日本ストライカーのプレート&スクリュー製品のマーケットシェアを着実に押し上げたことが認められ、最優秀マーケティング2017(Marketing Person of the Year 2017)を受賞したのです。

池田 「私自身、当初は限られていた製品ラインナップを増やし、売上に貢献することが大きな目標でした。多い時には、 1年間に複数の新製品を並行して導入することもあり、大変ではありましたが、達成感は大きかったです」

ただ池田は、この成果は自分ひとりのものではないと言います。

池田 「自らスケジュールを立てて、全体を動かしてはいましたが、たくさんの方に協力していただけたからこそ、結果につながりました。営業担当者をはじめ、助けていただいた皆さんには本当に感謝しています」

そんな池田の想いが伝わっていたのか、最優秀マーケティング2017の受賞の時には、一緒に仕事をしてきたたくさんの仲間たちが、池田の周りに集まり称賛の声を上げました。池田の製品への愛、そして相手を何より配慮するという仕事への姿勢が、多くのメンバーに響いていたことが目に見えた瞬間でした。

池田 「賞をもらったことも嬉しかったのですが、営業担当者が一緒に喜んでくれたことが何より嬉しかったですね。この仕事を頑張ってきて心から良かったと思いました」

除細動器を見て、エンジニアリングと“命を救う”がリンク。医療業界へ

そんな池田が医療分野に進もうと考えたのは大学生の頃。工学部でエンジニアリングを学ぶ過程で、不整脈などの症例に対応する除細動器の仕組みを知ったことがきっかけでした。

池田 「ある授業で除細動器の原理を学んだとき、シンプルな仕組みで人の命が救えることに衝撃を覚えました。化学や生物学に関わるエンジニアリングも学びましたが、エンジニアとして開発の道に進むよりも、たくさんの人と関わりながら、自ら使命感を持って仕事がしたいと思い、卒業後に医療業界に飛び込んだのです」

日本ストライカーで活躍する今、池田は当初の目的であった患者さんの役に立つ喜びも実感していると言います。

池田 「手術を見学すると、骨折部位に日本ストライカーの製品が使われ、患者さんの役に立っていることを実感できます。また、医師から品質についてお褒めの言葉をいただくこともあります。患者さんと直接お話しする機会はありませんが、自分が深く携わった製品が患者さんの QOL(生活の質)、ひいては医療レベルの向上につながっていることを実感できた瞬間は、仕事の励みになりますね」

今後、池田はどんな道を目指すのでしょうか。彼女はこう話します。

池田 「マーケティングの仕事が本当に好きなので、これからも続けていきたいですし、さらにいろいろな経験を積み、新しいことにもチャレンジしていきたいと思っています。また、ここ数年、社内の教育制度や勤務制度が充実し、柔軟な働き方もできるようになってきました。私自身も型にとらわれない働き方を実践して、今以上に、大切な仲間がずっと働き続けたいと思える会社にしていく一助となれればと思っています」

日本ストライカーのプレート&スクリューを、誰よりも愛情と情熱を持って育ててきた池田は、自身のさらなる成長と会社の進化を目標に掲げ、新たなチャレンジに向けて着々と歩みを進めています。

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