オフィスに誰もいない1日? 終日一斉テレワークを実施して叶えた、社員の “小さな幸せ”

2017年7月24日、神保町にある株式会社スタディストのオフィスは一日中静まり返っていました。それは、国が進める「テレワーク・デイ」の取り組みに参加し、全社員37名が一斉に終日テレワークを実施していたから。テレワーク・デイ実施の背景には、スタディストが目指す「スマートワーク」という働き方がありました。
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事業継続性を実証するために実施を決めた、“終日”“全員”テレワーク

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▲2017年7月24日、社員が誰もいないスタディストのオフィス

私たちスタディストが創業したのは、「テレワーク・デイ」からさかのぼること7年前の2010年春。当時のメイン事業は業務改善コンサルティングで、メンバーはお取り引き先へ常駐することが多く、全員がオフィスに集まることはほとんどありませんでした。そのため、テレワークはある意味当たり前の働き方だったといえます。

マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」を事業のコアに据え、コンサルティング事業から完全撤退したのが2015年秋のこと。それに伴いオフィスへの出社が当たり前となり、また従業員数も急増しました。

2015年春に7人目の社員として入社した広報の朝倉慶子は、このひとつの過渡期を目撃してきました。

朝倉 「私が入社してから2年強で社員数が5倍になりましたが、そうなると、テレワークの認識に差が生まれます。創業メンバーは慣れたものですが、新しく入ってきた人たちは気軽に使えなかったり、そもそもテレワーク制度自体に不慣れだったり……」

災害など有事の際に全員がテレワークをしたとしても、本当に何の問題もなく事業を継続できるのだろうか……。朝倉は不安を覚えます。また、社員の半分以上がパパ・ママ社員となり、より柔軟な働き方を会社としてもっと推奨すべきという思いもありました。

そんな折に舞い込んできたのが「テレワーク・デイ」(※)実施の知らせです。「働く、を変える日」をキャッチフレーズに、経済産業省らが推進。2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日に、始業から午前10時半までの間テレワークを実施する企業・団体を募集したのです。

改めてスタディストがテレワークを推奨することを周知し、同時に事業継続性を検証するために、テレワーク・デイはまさにうってつけの機会だったといえます。2017年6月、朝倉は経営会議で「終日」「全員」でおこなうテレワークを提案します。

朝倉 「公式なテレワーク・デイの実施要項は“始業から10時半”でしたが、当社では終日かつ全員でテレワークを実施することで、業務に与える影響の調査を目指したんです。ほとんど抵抗なく承認されましたが、唯一、“自宅で働くのが難しい社員”への配慮を指摘されました」

中には、小さな子どもが家にいると、集中して仕事をするのが難しいという社員もいます。そこで、当日利用したカフェやコワーキングスペースの料金を会社負担とする『テレワーク補助金』の支給を実施3週間前に決定。社員の約3分の1がこの補助金を利用することとなりました。

朝倉 「『テレワーク補助金』の支給などのケアをした結果、全社に広報したときも、ネガティブな意見は一切聞こえて来ませんでした。案外みんなクールで、『へー、そうなんだ』くらいの感じで(笑)。みんな、テレワークに抵抗感があったわけではなく、ただ不慣れなだけだったんです」

「全社員終日」「補助金支給」と大胆なテレワークを実施するスタディストの取り組みは注目され、メディアでもテレワーク・デイ参加企業の代表例として紹介されました。

(※)総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府、東京都及び経済界と連携した、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした働き方改革の国民運動。 

円滑なテレワークを可能にしたのは、自社サービス「Teachme Biz」

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経営陣から従業員一人ひとりまで、ほとんど抵抗もなく受け入れられた、全社員終日テレワーク。結論から述べると、当日は何のトラブルもなく終了しました。

実施後のアンケートでは、「一⻫テレワークにおいて困ったことや、実施困難だった業務はありますか?」という質問に対して、8割強の社員が「いいえ」 と回答。「はい」と答えた社員にも理由を確認するとサービス提供に即座に影響のある内容ではなかったため、たとえ有事で誰一人オフィスに出社できなくとも、『Teachme Biz』を支障なく提供できることが証明されたのです。

朝倉 「もしかしたらサービスをうまく回せないかもしれないという不安。会社にどうしても行かなければという責任感。そんな、“無理をしてでも出社しなければならない理由”がなくなり、今までよりもずっと柔軟に、かつ安心して働けるようになったと思います」

当日離れた場所にいる社員をつないだのは、G Suiteを利用したテレビ会議やYammer・Chatworkなどのチャットツール、そして自社サービスでもあるTeachme Bizでした。

Teachme Bizは画像や動画をベースとした“伝わりやすい”マニュアルを作成・共有できるツールで、コミュニケーションロスを防いでチームの生産性を上げることに重きを置いています。

このTeachme Bizを使えば、業務を指示する場面でも、隣で付きっ切りで教える必要がありません。質問や迷いがある場合は、まずマニュアルを見て、理解してもらい、どうしてもわからない部分のみチャットで聞くようにすれば良いからです。実際、このTeachme Bizを利用してテレワークをしているというお客様もいらっしゃいます。

朝倉 「当社では、経費清算の仕方や営業管理ツールの使い方、ウェブサイトの更新の仕方まで、ありとあらゆることをマニュアル化しています。全部で1,000個ほどのマニュアルがあるからこそ、同じ場所にいなくても大丈夫という安心感がありました」

結果としてテレワーク・デイは、事業継続性に加えて、Teachme Bizのテレワーク下での有用性も立証することとなったのでした。

効率化だけじゃない。テレワークで叶った、ささやかな幸せ

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▲自宅でお子さんと並んでテレワークを実施するスタディスト社員
社員が一人もオフィスにいなくても、ほとんどすべての業務を実施できる。しかもTeachme Bizはテレワークをするにあたり有効なツールとなる。テレワーク・デイは、スタディストにとって、大きな勇気を与えてくれました。

朝倉 「やはり、とても効率的に働けますよね。朝起きて、オフィスまで電車で揺られる1時間と、すぐに机に向かって仕事を始める1時間では大きく違います。私はもともとテレワークを活用していましたが、新しく入ったメンバーも、その効果を実感できたのではないでしょうか」

通勤時間が減り、効率的に業務を実施できた、終日テレワーク。若手のエンジニアからは、「まとまった作業などに集中して取り組むことができた」という声も上がっています。テレワークが生産性向上につながることを、多くの社員が実感するきっかけになったのです。

また、テレワーク・デイは、個人のワークスタイルのみならずライフスタイルにも変化を与えることを教えてくれました。

朝倉 「必須ではないけれど、できたら嬉しいことって、実はけっこうありませんか? そういう小さな幸せが叶ったという喜びの声を多くの社員から聞きました」

すごく天気のいい平日に布団を干すこと。昼休みの時間を活用して子どもの宿題を見てあげること。朝ごはんをいつもよりゆっくり食べること……。無意識のうちに諦めていた、個人のささやかな「WILL」を、テレワークは叶えてくれました。このような柔軟な働き方の実現は、パパ・ママ社員が仕事と育児の両立をする上で、大きな後押しとなるでしょう。

テレワークによる小さな幸せの積み重ねは心の平穏をもたらし、穏やかな心は生産性をも向上させる。そう、私たちは期待しています。

知的活力を生み出すために。無駄をなくした「スマートワーク」を目指す

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▲スタディスト広報・朝倉慶子

創業時から推奨されていた、テレワーク。今回のテレワーク・デイの取り組みをきっかけに、新しいメンバーにもその働き方が浸透しました。

「荷物を受け取るから午前は在宅勤務をする」「子どもの予防接種のために夕方から出社する」など、比較的ライトな理由でも気兼ねせずテレワークをしてほしい。その思いが、全社員に伝わった取り組みになりました。

では、なぜ当社がこれほどテレワークを推奨するのか。それは、当社が短時間で成果を出す「スマートワーク」を大切にしているためです。がむしゃらに長時間働くよりも、働きやすい環境で、短時間で結果を出すことが求められています。

朝倉 「スタートアップは忙しいからと、子育てと仕事の両立を諦めず、家族を大切にしてほしい。 対面でのコミュニケーションが良い場合も多いが、それに縛られすぎずに、生産性を追求してほしい。それが、代表の鈴木の創業時からの想いです」

その想いが反映されているのが、当社の「知る、考える、創り出す喜びにあふれた、知的活力みなぎる社会を作る」というビジョン。

毎日、目の前のタスクに追われて余裕がなければ、自分自身の知的活力を刺激することさえできません。クリエイティブな考え方をするためには、インプットするための時間的余裕と心の余裕が必要となるのです。

そのために、私たちは無駄な時間をなくして効率化することに多くの力を注いでいます。社内ではテレワークを推奨して移動時間をカットする一方、Teachme Bizではお客様のコミュニケーションコスト削減や人材育成の効率化を実現。

本質的なものだけに注力できる、本当の意味での働きやすい会社や社会を目指して、そして、日々の小さな幸せを叶えるために、私たちは今後もサービスを提供していきます。 

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