Supershipが月曜午前を有休にした理由 ーデータ活用で目指す柔軟な働き方ー

月曜日の午前中、誰もいないオフィス――。この様子は、Supershipでは定番の光景になりつつあります。その理由は「毎週月曜の午前中が有給休暇になる制度」“Super Happy Monday”が導入されたから。この制度の背景には、データテクノロジーカンパニーとしての強い意志が秘められていました。

データテクノロジーカンパニーらしく、働き方の課題もデータで解決

▲人財開発本部 人事企画部 部長 松岡広樹(写真左)/同部 松平欣典(写真右)

Super Happy Mondayとは、「月曜の午前中のみに使える最大2時間の特別有給休暇」で、法定で付与されている年次有給休暇とは別に、Supershipが独自に導入している休暇制度です。

2018年8月から2カ月間かけて行った“HappyMonday(β)”のテスト運用を経て、データ検証と制度内容をブラッシュアップして、2018年11月からSuper Happy Mondayとして正式導入されました。

はたして制度導入の背景には、どのような経緯があったのか――。

Super Happy Monday導入に向けたプロジェクトチームの中心メンバーである、松岡広樹と松平欣典がご紹介します。

松岡 「われわれ人財開発本部のミッションのひとつに、“ 社員がいきいきと働きがいを持って働ける会社にすること ”というものがあります。
働きがいという言葉には、仕事そのものだけでなく、働く時間や場所の柔軟性、オフィス環境なども含まれているんです。
各項目の状態はwevoxというサービスを用いて可視化しているのですが、今までの課題として、職場環境、健康(仕事量や時間)のスコアが他社平均やほかの項目と比べて低いというものがありました。
こうした現状を踏まえ、データテクノロジーカンパニーとして、データとテクノロジーの力を使ってよりよい職場環境や働き方をつくっていきたいと思っていました」

そうした課題意識の中、2018年8月に行われた役員合宿において、Super Happy Mondayの原型となる特別有給休暇制度案について議論がされていました。

役員から賛否両論のさまざまな意見が出て、議論が白熱する中で、代表の森岡康一から 「データテクノロジーカンパニーなのだから、議論する時間をデータ取得する時間に変えよう。良さそうな制度があるならまずトライして、データを見てから導入するかどうか判断しよう」という意見が挙がったことが決め手になり、2カ月間のHappy Monday(β)のテスト導入が決まったのです。

こうして、人事制度の企画運用を統括する松岡と人事関連規程の管理運用の知見が豊富な松平が中心となり、プロジェクトチームが結成されました。前職でも人事制度を担当していた松平も、初めてこの話を聞いたときは驚いたといいます。

松平 「初めて聞いたときは、思い切ったなと思いました(笑)。
また、経営トップ自らが『休め』というメッセージを出していることや、勤務義務がある月曜午前中も休めばいいんじゃないかという発想力、そして施策に対するスピード感に驚きましたね。
前職では、制度を変更したり、新たに導入するときは長時間かけて検討することが多く、ものによっては 1年〜数年はかけるのが普通でしたので……。
まずやってみて、テスト運用でデータをとった上で正式導入を判断するという発想と意思決定の速さはすごいと思います」
松岡 「初めは『本当に効果があるのだろうか?』という疑問はありました(笑)。一見メリットばかりの制度のように見えますが、平日 5営業日のうちの貴重な 0.5営業日なくすことで、会社の生産性が低下したりほかの日の残業が増えたりするのではないか、という懸念がありましたから」

テスト導入のデータによって成功を確信。正式導入へ

▲テスト導入の結果、制度を利用した社員の総労働時間が減少

2カ月間のテスト導入によって、実際に残業時間削減に効果あるのか、生産性に影響あるのか、という観点で検証し、満足度も測りました。テスト運用の結果はどうだったのでしょうか。

松平 「満足度は非常に高く、5段階評価で平均 4.3程度でした。
制度を利用した社員の総労働時間は前年同月比で 1日あたり 34分も減少し、制度を利用しなかった社員の労働時間も 12分減りました。
生産性について、業務上の不都合あったと回答した社員は 8.5%。やりにくく感じることはなかったと回答したのが全体の 3分の 2以上だったので、ブラッシュアップすればより良い制度になる、と確信が持てましたね」

一方で、社内からは制度に対して一部ネガティブな声も上げられたと言います。

松岡 「テストを導入する中で、ある部署から月曜日の午前中は特定の業務が集中しやすいので使いづらいというネガティブな声があったんです。
そうした声には、まず実際にそうした問題が起きているのかをデータで検証しました。部署や就労形態ごとにデータを取得して分析してみましたが、結果的に特定の部門だけ利用率が目立って低いということはなく、全部門で満足度も高いというデータが出たんですね。
一方で、『どうやったらうちの部署でも使えるか』という観点でポジティブなフィードバックをくれる部署もあり、そうした声を参考に運用レベルでも正式導入に向けてブラッシュアップしていくことができたと思います。さまざまな声が寄せられましたが、制度をブラッシュアップすることで解決・改善できる課題がほとんどでした」

また、Super Happy Monday以外にも並行してさまざまな施策案を検討したと言います。たとえば、多くの企業で労働時間削減のために導入されている「ノー残業デー」。議題にあがりはしたものの、採用しなかった理由があると言います。

松平 「結局部署によってどの曜日が忙しいかは違うし、掛け声だけになって企画倒れになってしまっている例も多く、効果が不明瞭だと思いました」
松岡 「Super Happy Mondayとノー残業デーとの大きな違いは、週末とつなげることで休暇の過ごし方の選択肢が広がるところです。ノー残業デーの場合、余暇は平日の夜だけですが、 Super Happy Mondayだと余暇の選択肢が金曜日の夜から月曜日の午前中まで広がります。たとえば日曜日に箱根に泊まり、月曜日の昼にそのまま出社することもできますよね」

制度導入によって広がる、Happyな社員の声

▲Super Happy Mondayは高い注目を集め、多数メディアからの取材を受ける

このような経緯を経て正式導入が決定したSuper Happy Mondayですが、導入から半年ほどたち、どのような成果があったのでしょうか。

松岡 「制度導入後は、当初課題のひとつである wevoxの健康スコアが上がりました。ベンチマークとしていたスコアを上回ることができ、一定の成果があったと考えています。
また、SNSで社員が月曜午前にジムに行ったりカフェに行っている写真を自発的にアップして、そこに社外の友人がコメントするという流れでポジティブなバイラル効果も確認されているんです。
私自身の実感としては、時間が限られたことにより集中力が高まったと感じていますね。月曜日は午後しかないからこそ、集中力を高めて同じ量のタスクをこなすということを意識し、生産性が高まるようになりました。
全社で見て“ 1時間あたりに生み出す売上利益 ”が高まっていることを示す数値も出ていますが、同時にコスト削減など他施策にも取り組んでいるため、一概にSuper Happy Mondayの効果だけとは言えないのが少し残念ですが(笑)」

社員からは「銀行や役場など、平日しか空いていない場所に年次有給休暇を使わなくても行けるようになったのはよかった」という声や「朝の満員電車に乗らずに通勤できるのでストレスがない」といった好意的な声が多数あがっています。

さらに、採用候補者のSuper Happy Mondayについての認知が高く、面接でもたびたび話題にあがると言います。

ほかにも月曜が憂鬱になる「ブルーマンデー症候群」という社会課題を紹介する番組や羨ましすぎる社内制度特集の中で取り上げられたりと、多数メディアから取り上げていただいています。

反響の大きなSuper Happy Mondayですが、導入後、テスト運用では見えなかった課題はなかったのでしょうか。

松岡 「『誰がいつこれを使うのかがわからないので連絡がとれず困る』という声がありましたが、" 事前に関係する人に制度の利用を周知する ”ことを徹底してもらうことで回避することができました。
また、制度を取得しにくい空気がある、という声が導入当初にあがりましたが、導入後、社内でかなり認知が高まってきており徐々に改善されていると思います」

データドリブンな人事制度で目指す、時間と場所ともに柔軟な働き方

▲月曜日午前中のSupership社内の光景

2人には、Super Happy Mondayを皮切りに今後もデータドリブンな制度を導入することで、実現したい働き方があると言います。

松岡 「Super Happy Mondayでは働き方の柔軟性を高めることにチャレンジしましたが、さらにデータとテクノロジーの力で時間と場所の柔軟性を高めていくのが今後の方向性です。最終的には、自分のライフスタイルにあった時間と場所で働けて、それがデータとテクノロジーを使った形で可視化されフェアに評価される世界観をつくっていきたいと思っています」
松平 「データをモデリングできれば将来予測ができるようになります。データを人事領域に掛け合わせることによって、過去を見て示唆を得るところから将来を予測し、よい未来を加速させ、悪い未来を予防するようなかたちでデータ活用していきたいですね。
何か起こったことに対して対症療法的に対応するのではなく、将来を予測してそれに向けて事前に対応を打つような状態をつくれたらいいなと思います」

データが示すものは客観性が高い。そのため、感情的な物事よりデータの方がより多くの人に受け入れられやすいのです。

これからも人財開発本部は日々、人とデータに向き合いながら働き方や生産性を高められる日本一の人事チームを目指していきます。

そして、Supershipは多くの仲間とともに国内データテクノロジーカンパニーのトップランナーになれるよう、尽力してまいります。

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