最後発SSPサービスが、シェア1位となった急成長の秘密は“三方良し”の精神

Supershipが提供するSSPサービス「Ad Generation(アドジェネ)」 。競合サービスのなかでは最後発だったアドジェネですが、国内スマホアプリ広告市場シェア1位※1に達するほどの急成長を遂げました。この驚異的な成長の背景に何があったのか。立ち上げ期を知る青山佳那子と赤羽俊彦が語ります。
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「選択と集中」に徹した立ち上げ期

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▲Supership株式会社サプライ事業部アドジェネ部パブリッシャーソリューショングループ グループリーダー赤羽俊彦(右)とリーダー青山佳那子(左)

SupershipでSSP※2サービス「Ad Generation(アドジェネ)」が誕生し、SSP領域に参入したのが2013年のこと。

参入当時のデジタル広告業界は、アドネットワークが主流。SSPは新しいカテゴリーだったため、2019年現在に比べてかなり知名度は低い状態でした。

アドジェネ立ち上げ当初の営業担当は青山佳那子と事業責任者の2名のみ。青山は、当時を振り返ってこう語ります。

青山 「当時、SSPはアドネットワークよりも収益性が悪いイメージをもたれていたので、立ち上げから1年くらいはつらい時期が続きましたね。営業をしても手ごたえが薄く、ほぼ毎日チームメンバー同士で自主的に作戦会議をしていました。飲みながらですけど(笑)」

参入当時のSSP業界は、WEBサイト領域ではすでに他社の独占状態で参入する隙がなかったため、WEBサイト領域を捨て、スマホアプリ領域に特化するという戦略を決めました。

しかし、スマホアプリのなかで最も勢いのあったゲームアプリは競合SSPサービスがひしめき合っており、切り替えのサイクルも速いため参入するハードルが非常に高かったのです。

そこでアドジェネチームは、スマホアプリのなかでも他社が手を出し切れていなかった家計簿やカレンダーなど生活に役立つツール系アプリやニュース系アプリに集中し、ターゲットを絞る戦略へと舵を切りました。

青山 「ツール系アプリやニュース系アプリは、一度導入して安定的に運用していただければ、より中長期的に安定したお付き合いになるだろうということも見込んだうえでの決断でした」

成長の契機となった「アドジェネビールナイト」

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▲16回目のアドジェネビールナイト(2019年1月24日開催)の様子

ターゲットとするアプリを絞って営業を開始してからも、しばらくのあいだはアドジェネのサービス認知はおろか、「そもそもSSPって何?」といった反応が返ってくることが少なくありませんでした。

そうした状況を打破するために日々の作戦会議を重ねるなかで生み出された企画のひとつが、「アドジェネビールナイト」でした。

これは、ビールを飲みながらカジュアルで楽しい雰囲気のなかで、日頃お世話になっている媒体社や事業社の方々へ感謝の気持ちとともに最新のデジタル広告やSSPに関する知識を持ち帰ってもらおう、というイベント。

また、どうせなら業界全体を盛り上げようと、同じ悩みを抱えながら日々切磋琢磨する競合SSP各社にも声掛けして、参加者同士のネットワークを広げられるような仕立てにしました。

青山 「回を重ねるごとに楽しみにしてくださる方が増え、今では応募開始後すぐに定員が埋まってしまい、定員枠を増やさなければならないほどの人気イベントに成長しました。はじめた時にはここまで成長すると思っていなかったので、自分たちでもおどろいています」

こうした取り組みを重ねたことで、徐々に媒体社のなかで、SSPやアドジェネへの理解が深まっていきます。そして、媒体社同士の横のつながりのなかでもアドジェネへの期待や評判が広がっていくことを実感できるようになっていきました。

媒体社、広告主、ユーザーのHappyを追求する”三方良し”で急成長

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▲”三方良し”の考え方は、サービスポリシーとしてアドジェネのWEBサイトにも掲載されている

立ち上げから2年ほど経つと、競合サービスと機能性やフォーマットを比較しても見劣らない状態になっていましたが、さらなる打ち手を探していたアドジェネチーム。

そんななか、急成長の転機になったのは、“三方良し”の精神に基づく、「無料で無制限に使えるアドサーバー」への方針転換でした。当時、「無料で無制限に」を掲げたこの方針転換は業界内では画期的なもので、大きな注目を集めました。

アドジェネの運用面を統括する赤羽俊彦は、当時を振り返ってこう語ります。

赤羽 「アドジェネチームには当初から、媒体社さま、広告主さま、ユーザーさまの三者のだれかひとりでも損する仕組みは持続可能ではないという信念があったので、媒体社さまのために”制限なく自由に楽しく使えるアドサーバー”を提供する、という方針になったのも自然な流れでした。
アドジェネのアドサーバーを使っていただくことで利便性が向上するので、餅は餅屋で媒体社さまにはより良いコンテンツの提供や集客に専念してもらおう、という発想でした。
また、広告主さまの目線では、アドフラウド※3・ブランドセーフティーの観点からグループ会社のモメンタム社や外部ツールとも連携して、不正媒体の検出・配信停止・実装方法の見直しに着手しています。
さらに、ユーザーさまに対しては、スマホサイトを見ていると上からふわっと落ちてくる広告(オーバーレイ広告)やミスタップを誘発するような実装もアドジェネでは推奨していません。
ついつい目先の売上に走りたくなりますが、長期的な視点で考え、それは本当に三者にとってメリットがあるのか、世の中にとっていいことなのかを、考えたうえでリリースしています」

細部の改善と新領域へのチャレンジで、更なる三方良しを追求

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▲Supership株式会社のSSP領域売上推移

”三方良し”のアドジェネがけん引するSupershipのSSP領域は、売上において年平均78%の勢いで急成長を続けており、国内スマホアプリ広告市場においてシェア1位を獲得しています。媒体社目線での細やかな広告配信の調整と配信後のレポートも、アドジェネが媒体社から高い支持を集めている大きな理由のひとつです。

赤羽 「アドジェネ経由の広告配信もそうでないものも、各社公平な条件でeCPM※4を算出し、約1時間毎に自動で比率の調整をおこなっています。
他社さんでは1日に1回の頻度だったり、手動による比率調整がメインというところもあると聞いています。もちろんそれぞれの良さもありますが、媒体社さんからは手放しでしかも収益性の高い事業社に配信を寄せるので助かる、との声をいただいています。
また、レポートもアドネットワークだけでなくDSP事業者毎に開示したり、透明性の高さも評価いただいています」

こうした細部の改善と並行して、外部パートナーとの連携による新領域への進出も進めています。

2018年5月には、大規模なパートナー連携に関するプレスリリースが発表されました。

Supershipの「Ad Generation」、ヘッダービディングソリューション「Amazon Publisher Services」と国内で初めてビッダー及びアドサーバーとして連携

この連携によって、立ち上げ当初は参入できなかった悲願のWEB領域に進出が可能となり、媒体社の広告収益も更に拡大させることができるようになりました。

青山 「 Supershipが KDDIグループであるということも、こうした大規模パートナーとの連携を後押しする大きな要素となりました。今後も、媒体社さま、広告主さま、ユーザーさまの Happyのためにアドジェネを改善し続け、外部との連携も積極的に仕掛けていく予定です」

”三方良し”を追求し続けるアドジェネチームの道のりは、まだまだはじまったばかりです。


※1:3rdpartyベンダーを利用し広告マネタイズしているスマホアプリを対象。当社調べ。(2018年8月時点)

※2:Supply Side Platformの略。適切な広告事業社の選定、配信比率の調整等によって媒体社の収益最大化を実現するアドプラットフォーム。配信管理だけでなくレポート等も一元管理できる。

※3:botなどを使い無効なインプレッションやクリックによって広告費用を騙し取る不正広告のこと。

※4:effective Cost Per Milleの略。デジタル広告の配信単価の種類のひとつで、インプレッション課金でないクリック課金型の広告をCPM(表示1000回あたりの広告費)に換算して、課金形態の違いによらずに、インプレッションに対してどれだけコストがかかるかを測るために使用する指標。

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