データドリブンな組織作りへの挑戦 ーデータが社会課題を解決する未来に向けてー

データテクノロジーカンパニーSupershipにおいて、データサイエンティストやエンジニアなど粒ちがいのスペシャリストが集まり、多様なビッグデータ分析からソリューションを生み出す部署「データサイエンス&エンジニアリング室」。マネージャーの黒柳とR&D責任者の吉原が目指すデータドリブンな組織とは。

外資テックカンパニーを経てSupershipへ 決め手はデータの量と質

▲データビジネス事業部 データサイエンス&エンジニアリング室 室長 黒柳茂(写真左)/データビジネス事業部 データサイエンス&エンジニアリング室 R&D PM 吉原トマス(写真右)

データを扱う多彩なスペシャリストから構成される「データビジネス事業部データサイエンス&エンジニアリング室」。2019年現在、25名ほどのメンバーが、力を合わせて様々なプロジェクトを遂行しています。そんなデータサイエンス&エンジニアリング室室長の黒柳茂は「豊富で良質なデータ」に大きな魅力を感じて、Supershipへの入社を決めました。

黒柳 「もともとキャリアを考えるうえで大事にしていたのは、営業力・技術力・マーケティング力が身につくかどうかでした。新卒では日本マイクロソフトに技術営業として入社し、技術力と営業力を鍛えられました」

 その後、日本に上陸したばかりのフェイスブック ジャパンに転職し、営業サポートやアナリストとしてデータ分析を担当した黒柳。希望通りデータマーケティングについて幅広く経験することができ、成長スピードも速く刺激的な環境だったのですが、日々データ分析に関わるなかでデータをもっと極めたいという想いが強くなりました。

 黒柳  「そこで、豊富で良質なデータを扱うことができる環境に魅力を感じた Supershipに、データアナリストとしてジョインすることにしました。Supershipはペタバイト※ 1規模の大規模データを保有しておりますが、これほど大規模なデータを処理・分析できる基盤と、その基盤上で様々なケースの分析ができる魅力的な環境はなかなかないと思います」

 同じくデータサイエンス&エンジニアリング室で、PMとして研究開発を担当する吉原トマス。彼は、ドイツの広告会社BBDO interoneなどを経て、Supershipへ入社しました。少年時代のある経験が、現在おこなっているデータ分析に結びつくところがあると考えています。

 吉原 「ドイツにいた幼少期から音楽にのめりこんでいましたね。父が音楽家で、 MIDI※ 2の機器やシンセサイザーが家にあったので、子供のころからコンピューターで作曲していました」

 当時はちょうどベルリンでテクノブームが起こり、コンピューターで音楽をつくるという概念が現れはじめた頃でした。

   吉原  「現在は研究開発職として、新しい技術やシステムとデータをかけ合わせることで、お客様にどのようなメリットを提供できるか、もっと改善できることはないかを考えながら、開発や分析に取り組んでいます。
そんななかで、作曲をするときに使った計算処理を再び用いる機会がありました。たとえば、データ分析の際に用いる移動平均の技術は、株価予測の前処理にも、作曲時の BPMの測定にも応用できるんです」 

摩擦を恐れない活発な議論によって、アウトプットが最大化する

▲データサイエンス&エンジニアリング室のデータサイエンティストとエンジニアによる勉強会の様子

一口にデータといっても、クライアントが保有する購買履歴、WEBサイトのアクセスログ解析などの1st Party データ、パートナー企業などから直接入手する2nd Party データ、Supershipが保有する3rd Partyデータなど、中身や出元は様々です。

確実性の高いデータと、膨大な量の良質なデータを統合することで、定量的なデータに基づく、優良顧客のユーザーの実像を見ることが可能となります。莫大なデータを分析するために、データサイエンス&エンジニアリング室は、データサイエンティストチームとエンジニアチームに分かれて業務をおこなっています。

データサイエンティストチームの領域は、Supershipが保有するデータと顧客データをかけあわせて機械学習を用いた予測モデルを構築したり、ペタバイト規模の豊富で良質なデータを分析したりすることで、新しいマーケティングソリューションを開発して顧客に提供することなど、多岐に渡ります。

 一方でエンジニアチームは、ペタバイトを超えるデータを、データサイエンティストが分析しやすいようにETL処理※3をおこなう基盤の構築や、社内のデータサイエンティストが構築する様々な予測モデルを一元管理するシステムの構築、ハイブリッド型DMP「Fortuna(フォーチュナ)」の開発をしています。

このように様々な業務をおこなうデータサイエンス&エンジニアリング室独自の取り組みとして、エンジニアとデータサイエンティストによって定期的に開催される勉強会があります。毎回、各メンバー自らがテーマ設定をし、調査結果や自身の知識をメンバーに共有しながら、メンバー同士で活発な議論をおこないます。

多岐に渡る各メンバーの業務やノウハウの共有だけでなく、この場の議論から新しいアイデアが生まれることもあります。たとえば、ある日の勉強会では、「エンジニアとデータサイエンティストがもっと仲良くなるためのデータサイエンティストの話」や、「新規サービスの技術選定と設計」といったテーマで各メンバーから発表があり、積極的な議論が交わされました。

 黒柳 「データサイエンス&エンジニアリング室のカルチャーは、摩擦を恐れずに議論を活発にすることです。前職やその前も外資のテックカンパニーだったので、『議論しない人はそのミーティングに次から来なくていい』というほどメンバー一人ひとりが積極的に発言する共通のカルチャーがありました」

しかし日本だと、「この問題わかる?」と聞いても誰も手を上げない文化があると黒柳は言います。

黒柳 「真逆ですよね。『ミーティングに出席しているんだったらちゃんと議論しようよ』というのもあるし、せっかく優秀なメンバーが集まっているからこそ、議論することでアウトプットを最大化できると思っているので、議論を活発にできるような環境をつくりたいというのは強く意識しています」 

最も大事にしているのは、メンバーの心理的安全性を確保すること

マネージャーである黒柳は、日本のビジネスパーソンが不得意とする議論の活性化を促すために、自ら積極的に動いています。それが功を奏して、吉原もディスカッションしやすい空気を感じています。

黒柳 「マネージャーとして常に心掛けているのはメンバーの心理的な安全性を確保することです。日本人が誰も手を上げない理由は、心理的安全性が確保されていないからだと思います。 具体的なアクションとして、 25人ほどいるメンバー全員と 1on1ミーティングを毎週おこない、業務について個別に深く議論したり、様々な相談に乗ったりしています」

また、毎週行っている全体のミーティングでは、冒頭に必ずアイスブレイクの時間を設けています。 1時間のうち 20分ほど使うことも多く、贅沢な時間の使い方のように思われるかもしれませんが、黒柳はそれだけの時間を割くほど重要だと考えています。

黒柳  「それから、ちゃんとメンバー一人ひとりの表情見て、腑に落ちていなさそうなメンバーがいたら、話をふったりして議論を活発にできるような場を整えることを心がけています。フェイスブック ジャパン在籍時によく耳にした『 What would you do if you are not afraid?』という言葉がとても好きで、メンバーには怖がらなくていいよと、もっとチャレンジングになるような働きかけをしてチームのアウトプットが最大化するようにサポートしているつもりです」
吉原 「私自身はもともと、ミーティングでは気になった意見に対して忖度せずに積極的に発言していました。でも日本では、それが意見に対してではなく、個人に対して攻撃しているように勘違いされたり、誤解されたりすることもあります。 データサイエンス&エンジニアリング室では、アウトプットの最大化のために活発な議論をするのは当たり前というカルチャーが根づいているので、とてもディスカッションしやすい空気だなと思います」

目指すのはデータドリブンに意思決定できる組織

▲日々膨大なデータを分析しながら様々なソリューションを開発している

摩擦を恐れない活発な議論によって、アウトプットの最大化を目指す組織づくりを進めるデータサイエンス&エンジニアリング室。膨大なデータ分析の先には、データドリブンな組織と未来というビジョンがあります。

吉原 「研究開発職として、 5年後くらいの近い未来に、世の中がどうなっているかをよく考えています。よくAIや自動化で仕事がなくなると言われていますが、データ量が増えるとその分データを扱う人間の仕事も増えるので、どれだけ自動化が進んでも人間は必要になると思います」

 国家レベルの悩みや個人レベルの日常生活の悩み、どちらの悩みもデータで解決できることがたくさんあるという吉原。

吉原 「データ活用によって、もっといい未来になるのではと考えています。誰もがデータに簡単に触れる時代になったからこそ、困っている人を助けるためにデータが使われるようにしたい。Supershipもデータで社会課題解決できる仕組みを考えてマネタイズできる組織となることで、社会に貢献していきたいです」
黒柳 「マーケティング領域では既にデータ活用が進んでいるのですが、これからは非マーケティング領域でもデータ活用が加速していくでしょう。たとえば、工場やスーパーなどにある品質管理や顧客の動きを捉えたカメラなどから得られる様々なデータを生かして、顧客の課題を解決できるような新しいソリューションを整えていきたいですね」

また、 Supershipはデータテクノロジーカンパニーなので、より一層データとテクノロジーに知見を持つ”プロフェッショナル集団”だと評価されたいと言います。

黒柳 「そのためにも、データビジネス事業部はもちろん、 Supership自身のカルチャーとして、すべての社員のすべての意思決定がデータドリブンになるカルチャーをつくっていきたいなと思います。 たとえば、オプションが複数あったときに、データを軸に判断したり、検証して定量化して考えたりするというイメージです。経験だけに基づくのではなくて、すべての社員がファクトや数値というデータを信じて意思決定するデータドリブンな思考をもつことで、 Superな組織へ近づけると信じています」

Supershipは、データが社会課題を解決する未来のために、摩擦を恐れず挑戦を続けていきます。


※1:ペタバイト:コンピューターで扱われる情報量や記憶媒体の記憶容量に関する単位。1ペタバイトは1000テラバイト=1000兆(10の15乗)バイト。記号は「PB」。

※2:MIDI:Musical Instruments Digital Interfaceの略で、電子楽器同士を接続するための世界共通規格。

※3:ETLは、データ分析する際に重要となる、Extract(抽出)・Transform(変換)・Load(書き出し)の頭文字を並べたもの。データを分析しやすい構造と内容に整理するためにETL処理を行う。ETL処理する事で、さまざまなデータが利用しやすいものに変わる。

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