ハイブリッドスタートアップから誕生した新規事業「DIGROW」の1年

転職支援プラットフォーム「DIGROW(ディグロウ)」は、Supershipの新規事業として生まれ、5月に1周年をむかえました。生みの親であるプロデューサー藤井と技術面からサポートする天野・中谷が辿ってきた道のりと、これから目指す未来とは。

DIGROWで実現したい、仕事選びのオープン化

▲新規ビジネス推進部 プロダクト2G GL/DIGROWプロデューサー 藤井 康介(写真中央)/データソリューションスタジオ プロダクト開発G 中谷 有希(写真左)/データソリューションスタジオ プロダクト開発G 天野 環(写真右)

少子高齢化に伴う労働人口の減少や年功序列制度の崩壊など、働き方に関するニュースが連日メディアに取り上げられています。新卒採用マーケットは空前の売り手市場が続いている上、転職のハードルが数年前と比較して低くなっており、転職は珍しいものではなくなっています。


そんななか、2018年5月にSupershipの新規事業として誕生した転職支援プラットフォーム「DIGROW」は、求職者と転職エージェント・採用人事をマッチングするプラットフォームです。


そもそもDIGROWは従来の転職支援サービスと何が違うのか。


藤井 「従来の転職サービスは、求職者は「待つ」ということが普通でした。たとえば、求人が掲載されているページにエントリーして、スカウト届くまで待つというふうに。


一方、DIGROWは転職や仕事選びの悩みを投稿していただく事からスタートします。今までクローズドな環境で行われていたスカウトやQ&Aが、世の中にオープンになっている事で「こんなに親身に相談にのってくれる転職エージェントがいるのか」や「自分と同じ悩みの人に支援している」などによって自分にとって最適な転職エージェントや採用企業を見つける事ができるサービスです」

藤井自身、前職までにHR領域をかじってきて、転職のプロセスに不透明な部分があることが気になっていました。


藤井 「私にはこどもがふたりいるので、彼らが仕事選びするときには、不透明な部分が無くなって、仕事選びをオープンでスムーズにできるようになっていてほしいという想いがあります。そんなときに、 Supershipの新規事業コンテストがあった際に温めていたアイデアで応募して通過したことから、 DIGROWがスタートしました」

DIGROW1周年までの道のり

▲2019年5月で1周年をむかえたDIGROW

DIGROWも、1周年までの道のりは順調ではありませんでした。実は、DIGROWはビジコン通過後すぐに、ピボットをしていたのです。


藤井 「ビジコンの選考時よりも、事業を立ち上げるほうが苦労しました。当初のコンセプトは『エージェントが採用企業に対して口コミをする、第三者が企業の評価をするプラットフォーム』で、エージェントによる企業の口コミでミスマッチをなくす、という狙いでした。


ただ、『トラフィックは集まりそうだけど、エージェントに申し込むところにつながりにくいよね』という意見もあり、『両者がよりオープンにやりとりすることで、ブランディングにつなげるプラットフォーム』という方向性に軌道修正していきました」

DIGROWの技術チームのひとりである中谷は、2018年に新卒でチームにジョインしました。


中谷 「チームに入ったときは、転職に全然興味がありませんでした。業務を通して、自分で調べたり周りのメンバーに聞いたりしていくなか、転職がどういうものかがわかってきて、徐々に興味がわいてきたという感じです」

新規事業は多くの場合、プロデューサー以外のメンバーは「やりたいわけではない状態」で始まります。そのためプロデューサーの藤井は、メンバーにどうコミットしてもらうかに特にカロリーを使い、どういう世界観を目指しているかについて話すディスカッションを、何度も重ねたといいます。


藤井 「定期的にエンジニア含めメンバーには伝えているのですが、転職活動は人生を変える重要なライフイベントです。困っている人が DIGROWを通じて幸せになったことを体感したときに、一番やりがいを感じます。求職者さんのアンケートや、エージェントさんから『入社して活躍している』といった声を聞くと、やっててよかったなと思います」

一方、技術チームのメンバーはDIGROWにどのようなやりがいを感じているのか。


天野「 自社サービスの開発という事もあり、技術選定や開発手法など、エンジニアにとっても大きな裁量権で開発できるというところです。また、藤井を筆頭に企画者にもエンジニアの経験がある方がいるので、距離感も近く、密なコミュニケーションが取れるので、そこは大きな魅力ですね」

中谷 「自分が実装したものが、そのままユーザーに使ってもらえている実感があります。プロデューサーにも直接意見を言えて新しい機能を実装できたり、風通しがいいチームだと思います」

1周年を迎えるまでに、手応えを感じたこと、不安に思ったことはあるのでしょうか。


藤井 「ローンチ前は『エージェントはオープンな環境のやりとりは嫌がるでしょ』といろいろな人に言われましたが、リリースしてみると意外と皆さんやってくれています。リリース当初、80社ほどの転職エージェントがオープンな環境でやりとりを行っていただきました。人材紹介会社の方々も『自社をブランディングして、求職者に対する介在価値をアピールする必要がある』という課題感があったのだと考えています。


 SNSでも賛否両論があったり、弊社人事のところに他社人事の人たちから問合せがあったりと、決して無風ではなく、ざわついたのはよかったと思います。


一方、求職者の集客のところでは、もうちょっとみんな使ってくれるだろうと思っていました。そこはまだまだ足りない部分で、まだ目標の 10分の 1くらいです」

ハイブリッドスタートアップにおける新規事業のメリット・デメリット

KDDIグループであるSupershipは、スタートアップのスピード感と大企業KDDIの資本力・アライアンス力・人財力をかけ合わせた「ハイブリッドスタートアップ」と称されています。


ハイブリッドスタートアップにおける新規事業として立ち上がり、成長してきたDIGROWですが、メリット・デメリットはあるのでしょうか。


藤井 「 KDDIグループを生かしたさまざまなネットワークのなかでいろいろやれるのはメリットだと思います。また、社内に新規事業に成功した人も失敗した人もいるので、いろんな面から指摘をしてくれる恵まれた環境はなかなか無いと思います。経営会議前の社内調整が必要な時など重要な局面では有益なアドバイスをくれたりと、とても助かりました。


他にも立ち上げ初期から、広告宣伝費や人件費がそれなりに使えるということも大きいです。何よりKDDIグループであることで、大手の人材紹介会社とスムーズに会えたということも大きなメリットだと感じました。設立直後のスタートアップだと会ってくれなかったかもしれないです。


一方、これは当たり前ですが、成果、つまり売り上げを強く求められます。新規事業をやっていると経済活動に直結しないなど、アーティスト然としてやってしまう人も少なくありません。我々は大企業のグループ会社としてやっているので、広告宣伝費や人件費使える分、アーティストは許されない。そこは自分を律する点になったかと思います」

天野 「これまで複数の企業で働いた経験がありますが、これまで働いてきたなかでこんなに自由に働けるところはないです。リモートワークが許されている環境なのも、働きやすいポイントのひとつ。家族がいるなかでどう働くかという点では、いろいろな会社があるなかでベストに近い回答を出しているのではないかと感じるし、それが実現できているのは試行錯誤して試せるチャレンジ精神と余力があるハイブリッドスタートアップだからかもしれません」

中谷 「入社前は定時で帰ると怒られると思っていましたが、みんながっつり帰っていて、やることをやっていたら大丈夫なんだと思いました。リモートワークも働きやすいです」

また、ビジネス職と技術職のチームワークもDIGROWチームの特徴の一つ。チーム内のコミュニケーションはどのようにとっているのでしょうか。


藤井 「週に 1回、チーム会をやっています。僕がわがままなことを言って、それをどう実装するか? スケジュール感はどうするか? といったことなどを議論している感じです。ビジネス職寄りの意見だけでなく、エンジニアからの改善の意見も出ます。双方で意見を出し合って、毎回 1時間半ほどやっています。

私にとって、天野と中谷はリトマス試験紙のような存在です。ふたりは理解しているときは頷くし、理解できないときは首を傾げてたりするので、反応を注視しています」

天野 「チーム会では、自分なりの理解が正しいか判断するときに話すようにしています。あとはバックグラウンドを知りたいときですね。なんでそれをやるのか? ということを知りたい。それがあると無いとでは大違いなので」

DIGROWが目指す、仕事選びに必要な情報のオープン化

▲DIGROWがオープン化を目指す領域

今、日本では労働力人口の減少が問題視されており、 2060年には 4000万人になると言われています。さらに、日本のひとりあたり GDPも減少しつづけており、現在は世界で 35位。会社に対するエンゲージメント率の調査は 6%程度で世界でほぼ最下位と深刻な状況です。


そんな状況のなか、今後の DIGROWが目指す世界とは。


藤井 「労働力人口が減っているにも関わらず、生産性もやる気もない。これはヤバいと思います。それをどう解決するか? ひとつの解として、仕事選びをアップデートする必要があり、労働力の最適配置が必要だと考えています。現在の転職市場はまだまだ不透明なものが多いです。転職や仕事選びに必要な情報は誰でもアクセスできるようにするべきです」

藤井は今後DIGROWで、仕事選びのプロセスにおけるそれぞれのフェーズのドアを開けて、パブリックにしていきたいと言います。


藤井 「今は仕事選びの最初のフェーズをまずオープンにしている段階です。パブリックに仕事を選ぶ体験ということを一般化していけるように注力しています。今後 3年ですべてのフェーズをオープンにしていけるようにしていきたいです」

一方、技術チームの天野の目標は。


天野 「開発面の目標でいうと、技術的負債を返すことです。それに付随して、環境構築とか手作業になってしまっているところを自動化していくために、サポートをしていきたいと考えています。属人的になってしまっている部分がいくつかあるので、新しく入ってきたメンバーがすぐに開発携われるように、複雑な部分を自動化していきたいです。


いろいろ新しい機能やアドバイスとかが追加され、やれることが多くなった分、情報が多くなってきて、これは一体どういうサービスだ? という所の整理は今後やっていかなくてはいけないと思います。十徳ナイフのようになってしまうといけません。見せ方を変える、もしくはなくすところはなくすということを考えないといけないと思います」

また、新卒でチームにジョインした中谷にも、真摯な想いがあります。


中谷 「まだまだ勉強中ですが、藤井さんとDIGOROWが目指す世界に少しでも近づけるよう、サポートしていけたらと思っています。チームのメンバーの一員として、仕事選びのすべてのフェーズがオープンになった世界を見ることができたら、最高だなと思います」

新しい転職支援プラットフォームDIGROWの今後の展開にご期待ください!

https://digrow.jp/



▼プロデューサーの藤井によるDIGROW1周年振り返りnote

https://note.mu/fffjjj/n/ne8d11bad62c2


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