データ活用で「働く」をアップデート~アジャイル人事への挑戦~

2019年5月28日、Allganize Japan株式会社主催の「テクノロジーによる働き方改革」をテーマにしたイベントにSupershipホールディングスの吉田毅が登壇。Supershipグループの人事におけるデータ活用の重要性や、データドリブンなアジャイル人事への挑戦について話しました。
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今、「アジャイル人事」が求められる背景

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Supershipホールディングス 人財開発本部 本部長 吉田毅

Supershipホールディングス 人財開発本部 本部長の吉田は「データ活用で『働く』をUPDATEする 〜アジャイル人事への挑戦事例〜」と題したセッションで、Supershipのデータドリブンな人事について発表しました。なぜ、人事業務においてデータの活用が求められるのか。その背景について、吉田は次のように分析します。

吉田 「現代は環境変化が激しく、先行きが不透明かつ非常に複雑で VUCAと呼ばれています。そうした中で企業のフロントに立つ事業側は、外的な環境変化に俊敏に対応しなければなりません。

一方、バックエンドでメンバーと組織を支えている人事も当然、外的な環境変化に俊敏に対応する=アジャイルになって然るべきだと、私たちも含め多くの企業の人事が考えているのではないでしょうか。この 『アジャイル人事』を実践しようとする中では、どうしてもデータの活用は欠かせないものであると考えています」

データ活用で重要なのは「目指す未来を、解像度を上げて定義する」こと

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私たちは、人事におけるデータ活用を「『現状を数値データで可視化し、そのデータを分析して取り組むべき課題を明らかにして施策を練り実行、検証する』というプロセスを経ることである」と定義しています。吉田はこの過程において、「目指す未来を、解像度を上げて定義する」ことが大事だと言います。

吉田 「たとえば、社員の平均年収額を上げたいと考えたとします。 3年後に
XXX万円にする、これではだめです。だめというか、あまり意味がありません。使える指標にしていくために、解像度を高めます。人員数は 3年後どこまで伸ばしていたいのか。その時、職種別の人員構成率はどのようでありたいのか、役職者の比率はどうか、各等級ごとの平均年収はどうか」

数字で目標を描いていくというのが、データドリブンに人事を行う上ではかなり重要。これは吉田がさまざまな施策を実践する中で気付いたことでした。

社員エンゲージメントは業績に直結する重要指標

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エンゲージメントサーベイツールwevoxを導入

吉田は、Supershipにおける「アジャイル人事」の事例として、サーベイツールを活用した社員エンゲージメントの可視化を挙げました。社員エンゲージメントは、会社の業績に直結する重要な指標のひとつだとされています。

Supershipが導入しているサーベイツールwevoxでは「組織風土」「人間関係」「自己成長」などのエンゲージメントの構成因子について、メンバーのスコア推移を担当のマネージャーが個人名は伏せられた状態で確認することができます。この活用の中でも、吉田には見えてきた傾向がありました。

吉田 「 wevoxは、マネージャーがそれぞれ自分のチームのデータに何回アクセスしたかを管理者が見ることができます。このデータを分析する中で、その回数とエンゲージメントのポイントの向上率が相関関係にあることがわかりました。つまり『自分のチームのデータをこまめにチェックしているチームほど、チームのコンディションが良い』んです」

こまめなデータのチェックがなぜチームコンディション向上につながるのか。その理由について吉田はこう続けます。

吉田 「以前、騎手の武豊さんが、ある女性から『騎手は日常的な体重管理が欠かせないと思いますが、ダイエットのコツはなんですか?』と質問された際に、『毎朝体重計に乗ることです』と答えていました。これは、体重計に乗ると自動的に痩せるということではなくて、毎朝体重計に乗ることをルーティーン化することで『少し体重が増えてしまったので、今日のランチは軽めにしよう』という風に常に意識がダイエットに向かうようになるということなのだと思います。

それと同じで、マネージャーがメンバーのスコアを気にすることで、メンバーとさまざまなコミュニケーションをとるようになり、結果としてチームのコンディションが上がっていくのだと考えています」

これを踏まえて、Supershipグループの人事では、結果のフィードバックをデータのアクセス回数があまり多くないマネージャーも含めて対面で行うなど対策を重ねています。そして、こうした取り組みが現在では退職率の低減につながっているのです。

データの分析・検証が目指す未来につながる

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さらに、評価制度のリニューアルや、Super Happy Monday(毎週月曜の午前を有給休暇とする制度)といった新制度の導入についても「まずトライアルで実施し、その過程でデータを集め、効果検証する」ことで、より効果を高めることができ、“解像度を上げて”定義した未来へ近づけることができていると吉田は話します。

吉田 「たとえば、 Super Happy Mondayを導入する際には、『導入して良いのか』と役員陣で議論が巻き起こりました。『生産性が下がるのではないか』『月曜午前を有休にしたところで、結局ほかの曜日に業務のしわ寄せがいき、トータルの残業時間は減らないのでは』などの意見が出ました」

こうした中でも、Supershipが選んだのはデータの検証方法を事前に洗い出した上で、まずトライアルで実施してみることでした。

吉田 「トライアルの結果、利用率は高く、アンケートで『不満足』と回答した数が非常に少なかったほか、ひとりあたりの生産性は変わらないのに、 1日あたりの労働時間は減少していることがわかりました。また、業務上の問題が『ある』と回答したメンバーが 8%ほどいましたが、解消可能な問題でしたので、対策をした上で、正式版の実施に至りました。

このように、先進的な施策に挑む上でもデータドリブンにやっていくことで、まずはトライアルで実施し『悪いところは直す。効果があればそのまま本導入する』といった形で進めることができます。『人事の取り組みは慎重に進めるべき』といった風潮や意見も散見されます。しかし、事業側の環境は非常に激しく変化しているのでそこに呼応する形で、私たち人事もある種挑戦的な施策ができているのではないかと思います」

このイベントでは、パーソルホールディングス CDOの友澤大輔様や、Allganize Japan 代表取締役の佐藤康雄様による「RPAやAIの職場における活用」についての対談も行われ、RPAやAIとの向き合い方などについて活発に議論が交わされました。

Supershipグループは「データテクノロジーカンパニー」として、今後もデータとテクノロジーを駆使し、働きやすく働きがいのある環境づくりに努めてまいります。

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