「生の声を聞きたい」起業家の困難に思えたスウェーデン視察、ロコのサポートで実現

トラべロコは商談サポートや、市場調査などビジネスでのご利用も多くあります。そんななか、今回取り上げるのは「働くママに、笑顔を。」をコンセプトに、ベビーシッターサービス「mormor」を運営されている鈴木美里佳さん。市場調査のために訪れた、世界一女性が活躍する国スウェーデンで気づかされたこととは?

世界一女性が活躍する国をこの目で見たかった

トラべロコは、ビジネスで活用するユーザーが多いのも特徴のひとつです。

革製品をつくる会社の担当者が、海外進出のためにターゲット層のロコに直接ヒアリングをしたり、新規事業でコーヒー農園をはじめるユーザーがラオスのロコに市場調査の協力をお願いしたりとその活用方法はさまざま。

「働くママに、笑顔を。」をコンセプトに、東京でベビーシッターサービス「mormor」を運営されている鈴木美里佳さんもそのひとりです。

今回は、鈴木さんがどのようにトラべロコを使ったかという話だけでなく、鈴木さん自身が会社を立ち上げた背景から、スウェーデンを訪れた理由、視察を終えて気づいた日本とスウェーデンの育児の違いなどについても、振り返ります。

2012年11月に「mormor」を立ち上げた当時のことを、鈴木さんはこう語ります。

鈴木さん 「当時私は会社員で、フルタイムでワーキングマザーをしていました。その時息子は 2歳だったんですが、自分が「働くお母さん」をやってみて感じたのは、今までと比べて圧倒的に自分の時間がないということです。
私はときどきベビーシッターさんに子どもを預け、夜の時間帯に同僚や友人と飲みニケーションしたり、映画を見に行ったりと意識的に自分のための時間を確保していましたが、世の中を見渡してみるとそういうお母さんは少ないんですよね」

お母さんになったからには、ましてやワーキングマザーであれば「自分の時間がないのも、しんどいのも、我慢するのも当然」という風潮があると感じられていました。

鈴木さん 「そういう風潮に対して、本当にそれでいいのかな?ママだからって我慢したりすることなく、自分らしく生きてもいいんじゃないかな?と思ったのが、ベビーシッターサービスを立ち上げるきっかけとなりました」

サービス名である「mormor」はスウェーデン語で「おばあちゃん」という意味をもつそうです。

鈴木さんは、この名前に「お母さんにとって一番身近で安心できて信頼できる子育てのパートナーであるおばあちゃんのような存在」、そして「世界一女性が活躍している国と言われるスウェーデンのように、日本も女性がもっと社会で活躍できたらいいな」というふたつの想いを込めました。

言葉もわからない、現地に知り合いもいないなかで見つけたひとりの救世主

▲ スウェーデンの風景

鈴木さんにとって、スウェーデンは自分の目で見て確かめる必要がある国ということもあり、視察旅行をするに至りました。

お母さんが当たり前に働けて、幸福度も労働生産性も高いスウェーデン、自らの事業に通ずる価値観をもつその国は、鈴木さんの目にどのように映ったのでしょうか?

しかし、どうすれば上記のような人々とつながれるのか、どうやってコミュニケーションを取れば良いのか。スウェーデン語も話せず、現地に知り合いがいない鈴木さんにとって、自力でおこなうのは難しい状況です。

そんなとき、目に入ったのが海外に住む日本人(ロコ)に相談や依頼ができるトラべロコでした。

ストックホルムには、70人以上のロコの方々が登録しています。鈴木さんはそのなかから、20年以上ストックホルムに住み、現地で大学の職員をされているねねさんを見つけ、実際に現地の視察先のアポイントの依頼をしました。

ねねさんに「こんな目的でこんな人に会いたい、こんなことが知りたい」と相談した結果、子どもがいる一般家庭、ワーキングマザー、育休中のパパ、保育園、公共の子ども向け施設、女性の起業家の方などさまざまな人々を紹介してもらったと言います。

鈴木さん 「今回、視察という目的でスウェーデンを訪れましたが、スウェーデン語もできないですし、現地に知り合いもいないので、コーディネートをしてくれたねねさんがいなかったら、こんなに充実した視察は実現できなかったです。
レスポンスもスムーズでしたし、いろいろ提案してくださったり、現場で聞ききれなかった話を補足としてうかがうこともできたので、お願いして本当に良かったです」

ねねさんに依頼をしたことで、結果的に現地の生の声を聞くという目的を達成することができました。

現地に行ったからこそわかった、日本との大きな違い

視察旅行をおこなうことができた鈴木さんは、世界一女性が活躍している国と言われるスウェーデンの印象についてこう語ります。

鈴木さん 「一番印象的だったのは、パパが平日の日中にベビーカーを押している姿をあちこちで見かけたことですね。
スウェーデンではパパも育児休暇を取るのが一般的なので当たり前の日常風景ですが、日本であまり見かけませんよね。
児童館に育児休暇中のパパと子どもたちがたくさんいたり、カフェでパパ会をしていたり。それがスウェーデンではスタンダードなんだなって思いました」

街の風景からも、育児への関わり方において日本との違いが垣間見えるスウェーデン。さらに、実際に現地の人々と話したことで、その違いは明確になります。

鈴木さん 「スウェーデンだと約 95%の男性が育児休暇を取ります。生まれた直後の 2週間は夫婦で休んで、それとは別に最低 3カ月は取るのが一般的だそうです。
ある起業家の女性は『うちは主人も事業をしていて忙しいから、彼はたった 1カ月しか育休を取れなかったの』と言っていました。
日本だと育児休暇を取る男性は全体の約 3%でその平均取得期間は 3〜5日だという事実をお伝えしたら『考えられない』みたいな反応でした」

また、半年間の育休中で2人目の子育てをしているアパレル企業勤務の男性に育児休暇を取って良かったかと質問をされた際にも、日本とスウェーデンの違いを感じられたそうです。

鈴木さん 「その男性は『 1人目の時にも育休を取ったけど、その時にはじめて子育てや家事の大変さを知った。これは “休暇 ”ではなく “仕事 ”だね。男性もある程度の期間、フルタイムで子育てするのはすごくいいことだと思う』と言っていましたね。
スウェーデンで子育て中のパパは、男性だから、女性だからという考え方があまりなくて、ごくごく自然に子育てや家事を担っていると思いました。
日本だと育児休暇を取るって言いにくいですけど、スウェーデンでは当たり前のことなので彼の場合も上司から『育休はいつ取るんだ?』と聞かれたそうです」

これからも「働くママに、笑顔を。」が事業の中心

実際に自らの足で現地に訪れ、たくさんの人々とのリアルなコミュニケーションに成功した鈴木さん。スウェーデンの育児に関わる環境を目の当たりにし、多くの学びがあったと話します。

鈴木さん 「あふれ出そうなくらいいろいろ学ばせていただき、すごく刺激を受けました!
本やデータからは得られない、現地の方の気持ちも一緒に受け止めることができましたし、やっぱり行かないと知ることができなかったことがたくさんあったので本当に行って良かったですね 」

育児に関する価値観や、それを取り巻くスウェーデンの環境について多くの学びを得た視察旅行を終え、今後やっていきたいことについてこう話します。

鈴木さん 「事業をはじめ数年たち、息子も成長して、生活が落ち着いて来たので、もう少し中長期的なことを考えはじめています。
今は直接的に保護者に時間を提供するというかたちでサービスを提供しているんですけど、お母さんたちの状況を見ていると根本的な問題に切り込んで行かないといけないなと思っています」

働き方の問題が解決しないと本当の意味で豊かな生活は手に入らないんじゃないかーー鈴木さんが今回スウェーデンに行って思ったことはさらなる目標へとつながっています。

鈴木さん 「ベビーシッターサービスを継続しながらも、ライフスタイルを変えていくっていうところにももう少し踏み込みたいですね。
サービスというよりは啓蒙活動になると思うんですけど。それが結局、事業の理念でもある『働くママに、笑顔を。』にもつながると思っていますので」

鈴木さんのスウェーデン視察旅行にトラべロコが少しでも関わることができたのは、とても嬉しいことです。

今回のように行ったことのない国で、視察をしたりアポをとったりすることは困難を極めます。そんな時、現地に住むロコに相談できることは多くのビジネスをする人々の手助けになると思っています。

これからも鈴木さんのように、“やりたい”ことがロコの手助けによってかなう事例が増えていくのが楽しみです。

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