旧名称「トラベロコ」の由来

▲株式会社トラベロコ代表・椎谷豊

弊社が提供している「ロコタビ(LOCOTABI)」は、海外で「したい」ことのある日本人と、それをかなえるスキルがある海外在住日本人(「ロコ」と呼びます)をマッチングする、プラットフォームサービスです。

このサービスは旧名称「トラベロコ」として2014年1月にスタートし、2020年1月現在で丸6年がたちました。

スタート当時と今では、世の中の状況や私たち自身も大きく変化してきました。東京オリンピックが開催される2020年という節目に、次の10年に向けてさらなるステップアップをしていきたい──そんな想いをこめて、新しい名称「ロコタビ」で第2ステージのスタートを切りました。

まずは、旧名称「トラベロコ」の由来をご紹介します。

「海外在住日本人(ロコ)」と「海外と関わる日本人(ユーザー)」をマッチングする「CtoCシェアリングサービス」として、2014年にβ版サイトがオープンしたのが始まりです。

実際には2012年ごろにサービスアイデアが生まれました。とはいえ、2013年GW前にα版サイトを公開していたので、「トラベロコ」の名前自体は2012年にでき上がっていました。

今では「メルカリ」や「Airbnb」、「Uber」など日本でもシェアリングサービスが普及してきています。しかし、当時シェアリングサービス自体は日本にほとんど存在せず、誰にこのサービスのアイデアを話しても理解してもらえませんでした。

そこで、感覚的に理解しやすいものにしようという想いから、「Travel(トラベル)」という誰もが知っている言葉を入れました。そして、「Traveloco(トラベロコ)」というサービス名が生まれたんです。

そんな想いの詰まったトラベロコですが、その道のりは順風満帆なものではありませんでした。

海外在住日本人の活躍の場、ロコタビを世界のゲートウェイに

▲2014年、サービス開始当時の椎谷代表

「トラベロコ」誕生の経緯は、前職で出会った多くの海外在住日本人の方たちに、独自のさまざまな経験やスキル、才能、そして、「仕事がしたい、もっと何かやれることがある」という強い想いがあるにも関わらず、ポテンシャルを生かしきれていないと感じたことから始まります。

2012年当時、海外ではAirbnbが爆発的に普及し、多くの新しいシェアリングサービスが誕生しました。それに衝撃を受け、このしくみを使えば海外在住日本人が活躍できる場所をつくれるのではないか、というアイデアが湧いてきたんです。

そこで、当時あった海外のシェアリングサービスに、私が思い描くサービスに近いものがあったらそれの日本展開をできないかと考えました。ですが、思うようにはいかず……。そうして「自分がつくるしかない!」という想いに至りましたね。

その後のサービス誕生秘話はこちらのストーリーで紹介しているので、見てもらえればと思います。

2012年にサービスアイデアが生まれてから、2015年12月に正式に法人化するまで約4年間ありました。その4年間にはアイデアを具現化する作業の中で、2013年のα版サイトオープンに協力してくれたロコを含め、初期の立ち上げに関わってくれた多くの方との出会いや別れがあったんです。

2014年のβ版サイトオープン後には、利用者ゼロ。サイトにユーザーが来てくれない状態が何カ月も続いたんです。このアイデアは駄目なのかと、ゼロイチの生みの苦しみを味わうこともありました。

しかし、そんな苦い時期の後、サービスアイデアが生まれてから4年後の2016年。そのときから徐々にサービスを支えてくれる仲間が増えていきました。そして2020年1月現在では、「海外在住日本人(ロコ)」の登録者は5万人にもなり、世界172カ国2437都市と世界のおよそ9割を網羅。たくさんの「海外と関わる日本人(ユーザー)」とのマッチングが実現できています。

個人でもインターネットを通じて世界中の人々と自由に取引ができる時代。しかし、そのリスクのすべてを個人が背負うことは困難です。また、インターネット上では届かない情報や場所、人を介した経験やスキル、つながりなども存在します。

なので、「ロコタビ」で、可能な限りの取引コストとリスクを下げる。そうすることで、関わる人が安心・安全に利用できる場を提供することが、私たちの役割であり使命だと考えています。

そんな私たちのビジョンは「日本人がもっと世界と気軽につながって、本当に自分の『したいこと』が手軽にできるようになることで、今よりも世界が身近に感じられる世の中をつくる」ことです。

だから、「ロコタビ」が世界のゲートウェイ(出入口)としての役割を果たす。それを実現するのが目標ですね。

私たちが手掛けている「ロコタビ」は海外に関わるものなんですが、私自身の話をすると、実は海外にはどうしても好きになれない部分があるんですよね……。

世界中のロコを旅したい。「ロコタビ」で思い描く理想と夢

▲椎谷を支える、トラベロコ社員の仕事風景

私は学生時代の海外バックパッカー旅行と1年間の留学、社会人になってからは友達や親類を訪ねて海外旅行、前職では海外の子会社の視察と、定期的に海外と関わってきました。

ところが、そういった経験を経て行き着いた結論は「自分は海外が苦手」だということでした。

異国の空港の到着ロビーに立ったときの居心地の悪さ(アウェイ感)。また、現地で「何かしよう」としたときの行動範囲の狭さもありますし。はたまたレストランでの食事さえもためらい、見慣れたマクドナルドやコンビニを探してしまうもったいなさもあります。このアウェイ感は歳を重ねるごとに増していき、若いときのようなノリで海外に行くことが難しくなりました。

実は、私自身が「ロコタビ」を使って海外に出てみようと思ったのはサイトがオープンしてから約1年半後で。パスポートを確認すると3年前に期限が切れていたというのは、今となってはいい笑い話ですね(笑)。

しかし、過去に何度も行った海外で、いつも感じていたこのアウェイ感がなかったことがあります。それは、異国の空港の到着ロビーに立った際に、そこに知った顔の人がいてくれたときでした。そのときは今までに感じたことのなかった安堵と心地良さ(ホーム感)がありましたね。信頼できる知り合いがいるだけで、まるでホームのように、なんでもできる。いわば無敵感みたいなものがあったんです。

あなたもそんな状況を想像してみてください。今までしたくてもできなかったことができる。それだけで世界が広がりませんか?

私が「ロコタビ」のサービスをスタートする前に思い描いた、理想の利用イメージがあります。

それは、スウェーデンのストックホルムに行き、インテリア雑誌に載っている憧れのインテリアショップを、現地在住の家具職人見習いのロコに案内してもらうこと。

私は以前インテリア業界にいたこともあり、同じ業界のロコを介して店員さんとも話が弾み、本場の業界に関する知識を充分に得ることができ満足しました。

さらにロコとも意気投合し、ついには彼が働いている家具工房に連れて行ってもらい、思い描いていた「したい」を超えるすばらしい体験ができました。

ロコがいることで、世界がまるで自分のホームのように、自由に「したい」がかなう。そんなことがロコタビでは実現します。

私の次なる夢は「世界中のロコを旅したい」ということです。そして、私だけではなく、このサービスに関わる多くの人たちが実現できる場になってほしいという想いをこめて「ロコタビ(LOCOTABI)」と名付けました。

そんな想いで名付けた「ロコタビ」ですが、本当はもっと大きな野望があるんですよ。

2020年から10年間の野望。VFR市場への挑戦

▲スコットランド・エディンバラで、バー飲み体験からウイスキー蒸留所見学のサプライズ

私たちはこうした、人を生かすサービスをつくってきました。そんな中で、今、時代は「モノ消費(商品・サービス)→コト消費(体験)→ヒト消費(出会い)」と変化してきているようです。

ロコタビでは、ユーザーの「したい」をロコの経験やスキルを使って実現すること。そうすることで、今までにない「体験」ができるのです。しかし、実はロコとの「出会い」が本質です。

どんなロコと、どんな過程を経て、どんな出会い方をするのか──。

それ次第で、その後の体験の質が大きく変わるんです。

そこでロコタビの「出会い」を実感できる、典型的な利用事例をご紹介します。

アルゼンチンタンゴの本場で一度は踊ってみたいというユーザーがいました。しかし、情報も少なく、現地のコネクションなど多くのハードルがありました。

そこで、ロコタビで、ブエノスアイレス在住の日本人タンゴダンサーとして活躍するロコを見つけて相談したんです。すると、地元が同じだということがわかったんです。

その後ロコタビ上で何度も連絡を取り合い、タンゴ、同郷という共通言語でお互いの信頼関係が高まって。現地でタンゴを踊れる場所に連れて行ってもらうサービス利用の当日は、長年の友達に会いに行くようなワクワク感と夢がかなう高揚感に包まれていました。

この8年間で「ヒト消費」サービスのロコタビに、やっと時代が追いついてきたって感じです。

さて、海外では3大旅行目的のひとつに分類される旅行形態「VFR(Visit Friends and Relatives:友人・親族訪問)」をご存じでしょうか。日本の「帰省」に近いかもしれません。

移民などで他国に親類や友人が住んでいることも多い海外では、年間10億人もがVFR目的で他国を訪れています。日本では、移民はおろか海外在住者も人口の約1%の135万人ほど、海外出国率も15%程と低く、VFR目的の海外旅行者はごくわずかです。

世界中で友達のような現地在住日本人ロコを訪ねる──ロコタビは、仮想VFRのようじゃないですか?

そこで私たちは、ここから10年「インターネットの日本人街」をつくることで、日本人のVFR市場を開拓していくことを宣言します!

そして多くの日本人、とくに私のような「海外が苦手」と感じている人が、世界中に友人がいるような安心感を持って気軽に海外を訪れるようになり、現地でのユニークな出会いや体験が当たり前になっていくことを信じています。

旧名称「トラベロコ」の命名者として、今回の名称変更に至るまでは長く悩みました。しかし、このサービスが今よりももっと広がっていくために、避けては通れない道だと思い、決断をしました。

トラベロコという名称自体は、会社名としては残りますので、「ロコタビ」共々「株式会社トラベロコ」も引き続きよろしくお願いします。