創立60周年の学園グループが貫いてきた“学生自らが能動的に学べる教育方法”

2016年11月1日に、創立60周年を迎える都築学園グループ。建学の精神である「個性の伸展による人生練磨」を掲げ、数多くの有為な人材を世の中に輩出してきました。創立100周年へ向けて、日本経済大学の学長である都築明寿香が考える未来への展望をお伝えします。
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プロフェッショナルの個性からパーソナルな個性へ

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都築学園グループの歴史は、1956年(昭和31年)にスタートします。当時の教育は、高度経済成長を背景に、基礎学力の早期習得。効率重視の画一的な教育がほとんどでした。

その現状を見兼ねた創始者の都築頼助と都築貞枝が、自ら教育機関を創設したのがきっかけです。一人ひとりの個性や才能を伸ばす理想的な教育を行うべく、初めに福岡第一高等学校、続いて第一薬科大学を創設しました。

その4年後の1960年(昭和35年)には、建学の精神である「個性の伸展による人生練磨」が生まれました。以後、60年間に渡り全国に教育機関を展開、運営をしてきました。その中でも最も重視した教育機関が総合大学ではない、専門教育に特化した単科大学の形態だったのです。

都築 「貞枝先生が亡くなる前によく言っていたことは、『子どもたちに自信をつけさせて社会に出したい』ということ。人それぞれが持っている個性とは“プロフェッショナルな能力”であると捉えて、具体的なスキルや職業に従事できるような教育を行ってきました」
ところが、グローバル化が急激に進展する中で、教育環境も大きく変化。学生が自信をつけるには、専門的な能力だけでなく、世界を見据えた教育が必要になりました。

そこで現在、特に力を入れているのが、小中高のリンデンホールスクールです。ここでは、国内でも類を見ないイマージョンプログラムを採用しています。このプログラムでは、国語以外のほとんどの授業を英語で行うことで、実践的で使える英語をマスターし、高校課程では世界に通じる国際バカロレアプログラムを実施しています。

一方で、グローバル化が進めば進むほど大切になるのが、日本人としての人格の核となるアイデンティティーをいかに醸成するかということ。日本の歴史観や伝統文化を学ぶほか、剣道や柔道などの武道をはじめ、茶道、華道、香道など精神性を伴う教育プログラムを導入しています。

道を通じて自分と向き合い、見つめ合うことによって、自分の世界観を創出する教育が行われているのです。

都築 「外国人とコミュニケーションを取る上で、必ず必要になるのが、『あなたの価値観や信条は一体何に基づいているのか?』という疑問に正しく答えること。どんなに知識があっても、自分はどんな価値観やどんな信条で生きているのかを相手に理解できるように伝えられなければ、そもそも人として信用されません。だからこそ、英語を日常的に使えること以上に、アイデンティティーの醸成や人格の核となる教育が必要になるのです」
今年の春に、12年間一貫の英語イマージョン教育を受けたリンデンホールスクール第1期生が卒業し、国立大学医学部の現役合格のほか、早稲田大学、慶応大学、アメリカ・コーネル大学、イギリス・キングスカレッジロンドン等、国内は元より世界中の名門大学へと飛び立っていきました。

自発的に学びたいという意欲を促す「きっかけ」をつくる

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リンデンホール学舎
実は現在の教育体制を考えるようになったきっかけがあります。それは、学長である都築明寿香が小学校の夏休みにホームステイで海外に行った時の話。アメリカの小学校の模擬授業を受けたときに、強い衝撃を受けました。

授業では、知識をただ詰め込む日本の教育と異なり、ディスカッション形式。生徒一人ひとりが自分の意見を交わしながら、先生が授業を進めていく教育に感動。自分には絶対、その教育が合っていると信じて、そのあと高校生ながら単身渡米。アメリカのリンデンホールスクールで学びました。

都築 「留学時代、米国人はもとよりアジアを中心とする優秀な留学生に囲まれて勉強する機会に恵まれたお陰で、今後、日本以外のアジア諸国が経済的に発展しグローバル化していく中で、日本人学生自らが能動的に学べる教育方法を日本の教育に早期に取り入れ、国際社会の中で対等に議論する力と、リーダーシップを兼ね備えた人材を育てていかねば、将来、国際舞台における日本の存在感がなくなると強い危機感を覚えました。教育の質の低下は、日本が世界から取り残されることを意味します。だからこそ、今、学生が自発的に学び、日本人としての自信と英語力を身に付けられる教育を導入すること。それが学園創設者の祖父や祖母が私に残したミッションではないかと思うようになりました」
そこで、日本経済大学で進めているのが、学生が能動的に学ぶ「きっかけ」づくりです。学生一人ひとりの個性を伸ばすために、さまざまなプロフェッショナルな人や企業人との出会いを提供し気づきや発見の「プラットホーム」に大学がなれればいいと考えています。
2016年9月には、台湾起業家グループと起業家コースのビジネスコラボレーションが実現しました。

都築 「日本経済大学はそもそも留学生が非常に多く、日本にいながらにして20カ国以上の国籍の人たちと知り合うことができる、希有なグローバル環境があります。

ですから、海外から日本に進出したいという企業と学生をコラボレーションする意義も大きいですし、一方で日本から海外に進出したいという企業とのコラボレーションについても意義は非常に大きいのです」

起業家と接する中で生まれる「きっかけ」

加えて、渋谷キャンパスには、アントレプレナー養成センター「ハッチェリー渋谷」というインキュベーション(起業支援)施設があります。

ここからは、ミドリムシを中心とした微細藻類に関する研究開発や生産管理などを基幹事業とする「ユーグレナ」(東証一部上場)、コスメの口コミサイト「アットコスメ」を運営する株式会社アイスタイル(東証一部上場)、再生可能エネルギー事業で年商60億円超の「レノバ」(旧社名リサイクルワン)など世界的に通用するイノベーティブな企業が巣立って行きました。

都築 「これらのインキュベーションに17年間携わった実績をもって、今後は海外に進出したいという日本のベンチャー企業と学生とのコラボレーションも考えています。これから新しいアイデアで成長していく企業のケーススタディを間近で見られる、本気でビジネスで世界にイノベーションを起こそう、社会をより良く変えていきたい、という熱い想いを持つ起業家精神に早い時期から接する、という出会いを提供することで、学生が一念発起する『きっかけ』となればいいと考えています」
一方で単科大学ならではの強みを生かし、大手企業との教育連携も実現していきます。2016年8月には日本航空との教育連携も実現。今後は学生の人材育成、キャリア形成に力を注いでいきます。

都築 「実際に、現場の声をキャビンアテンダントさんやJALの支店長さんから、話を聞くことは、学生たちにとって大いに刺激があることです。2017年以降は、さまざまな業種の経営者、実務担当者の方をお呼びしてエクスペリエンスラーニング(実学)の一環として進めていきたいと思っています」

日本との架け橋になる留学生を育てる

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先進国で最も早く本格的な少子高齢化を迎えている日本。今後の貴重な労働力として期待されているのが留学生です。私たちは、彼らが祖国に帰国したときに、日本と祖国の架け橋となるような人材を育成することを目標としています。

都築 「留学生は人財だと、私は常々申しております。先日も、ミャンマーで本学の教員がセミナーを行いました。その際、新聞社の副編集長になった卒業生が顔を出してくれました。それだけでなく、なんとセミナーを新聞で告知してくれたのです。おかげでより多くの人が、日本のことを知ってもらえるきっかけとなりました」
毎年、世界中に卒業生のネットワークが構築されているのです。先進国で最も早く、本格的な少子高齢化を迎えている日本。今後の貴重な労働力として期待されているのが留学生です。私たちは、彼らが祖国に帰国したときに、日本と祖国の架け橋となるような人材を育成することを目標としています。

毎年、グローバルに活躍する日本人・留学生の卒業生のネットワークが構築されています。世界中に散らばる本学同窓生とメールひとつで必ず繋がることができる。これほどのネットワークはまさに財産です。

今後、創立100周年を目指して、世界の第一線で活躍できるグローバル人材を育てるために、建学の精神を見据えつつ、都築学園グループは絶えず前進し続けています。

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