Uniposで“バリュー”が根付く―― 社員同士で送る“優しいボーナス”活用術

仲間同士で少額のボーナスを送り合えるサービス、「Unipos」の社内利用率が9割を超えるProgate社では、互いをたたえ合う文化が根付いています。過去には社内の空気が険悪になってしまう時期もあったというProgate社が、上司・部下や部署の違いといった壁を乗り越えていくまでの道のりをご紹介します。
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成長期のProgate社に訪れたエンジニアとビジネスサイドの隔たり

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▲HR Managerの尾嵜司氏。Progate社には2017年11月からジョイン

まったくの未経験から気軽にプログラミングを学べるオンライン学習サービス「Progate」。

東大在学中にこのサービスを立ち上げ、2018年9月現在では株式会社Progateの代表を務める加藤將倫(かとうまさのり)氏は「Forbes 30 Under 30 ASIA」や「Forbes 30 Under 30 JAPAN」に選出されたことでも話題になりました。

2014年の設立以降、急速に成長を遂げたProgate社。2017年の夏頃からは次々と新たなメンバーがジョインし、開発メンバーが大半を占めていた社内に、ビジネスサイドのメンバーも加わっていきました。

しかし、エンジニアとビジネスサイドとのコミュニケーションがうまくとれず、次第に社員たちはフラストレーションを感じるようになっていったのです。

多くの人に「Progate」を活用してほしい。いいプロダクトにしたい――。

その想いは社員みんな同じ。しかし、熱い想いを持った優しいメンバーが多いゆえに、面と向かって本心を言えず、問題が生じてからやっと口を開き、揉めてしまうという悪循環。

課題感を持った経営陣は、まずSlackでのコミュニケーションの“場”の提供を試みました。

尾嵜氏 「 Slackに『 #Sugoi』という人を褒めるためのチャンネルと、嬉しいこと、良かったことなどを報告する『 #Happy』チャンネルをつくりました。 “褒める ”という行為はとてもポジティブなので、コミュニケーションの中にぜひ取り入れていきたいと思ったんですね。
でも、『 #Sugoi』チャンネルはイベントの開催やプロダクトリリースなど、誰もが認めるような大きな出来事がない限り、あまり投稿がありませんでした。また、メンバーがマネージャーや先輩を褒めるのはハードルが高く、あまり活発に使われなかったんです。
その頃は、社員同士が面と向かって『ありがとう』と言うことがまったくないと言っていいような雰囲気でしたね」

しかし、会社としての“バリュー”を策定する頃から、状況は好転しはじめます。

尾嵜氏 「行動指針のようなものはあったのですが、あらためて
“Deliver the best.”
“ High performance, high return.”
“ One team, one goal.”
という 3つのバリューを掲げることにしたんです。
同時に、社内のオープンスペースの設置や全社の情報共有化といったコミュニケーションのしやすい環境づくりをいろいろと行なっていきました。そのうちの施策のひとつが、 Unipos導入です」

ルール・制限なしの“ラフさ”と“あくまでポジティブに”が活性化のカギに

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▲MVPだけではなく、“MUP(Most Unipos Player)”を設けているProgate社
尾嵜氏 「もともと『褒める』というコミュニケーションは重要だと感じていたので、『 Unipos』の存在を知り、まずは気軽にやってみようと。また、ハッシュタグを活用し、 “褒め合うコミュニケーション ”の中にバリューを入れることで、バリューそのものが浸透しやすいとも思ったんですね。
当初はマネージャーたちが意図的にバリューをハッシュタグにして発信していましたが、1週間くらいすると社員みんなが普通にハッシュタグをつけるようになりましたよ」

Slackの『#Sugoi』チャンネルでは投稿を躊躇していたメンバーたちも、Uniposを活用してからは積極的に投稿するようになりました。

尾嵜氏 「 Uniposでなら、明らかに “ポイント ”という価値があるじゃないですか。投稿することで絶対に相手が喜んでくれるという安心感があるし、ポイントをあげたいという思いも生まれるので、一歩踏み出すのが楽になったようです。当初、代表の加藤が積極的に Uniposを使ったことで、使い方が浸透したのもよかったと思います」

マネージャーが積極的に投稿する企業ほど、メンバーも「使っていいんだ」という気持ちになり、Uniposの利用率が高まる傾向にあります。

加えて、Progate社がUnipos導入に成功した背景には、あえてルールを定めない“適度なラフさ”もありました。

尾嵜氏 「若いメンバーがマネージャーを褒めることに対して『失礼では?』と抵抗を感じていることもありましたが、当社はまったくそういうことを気にしない文化ですし、『別にいいんだよ』とフォローしていました。
でも、マネージャー陣がルールを敷いて制限したり、『ポイントを使い切っていないよね』などと否定したりするようなことはまったくしていません。強制したら、使わない人が出てきてしまいます。それに、ポジティブなコミュニケーションをしたいから活用しているのに、義務感が発生したらあまり意味がないじゃないですか。
極端に言えば、『こぼしたお茶を拭いてくれてありがとう』とか、『花粉症の病院を教えてくれてありがとう』とか、社員同士でふざけて肩を揉んだら『お礼に Uniposで 300ポイント払うわ』とか(笑)。『お疲れ様』や『入社おめでとう』っていうのもあります。
とにかく気軽に使っていたら、徐々に Uniposを使うことが当たり前になっていったんですよね」

「全員ひとり飯」から、ほとんどのメンバーが仲間とランチに出る会社に

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▲MUPを受賞したメンバー

バリューを策定後、MVP制度や独自の“MUP(Most Unipos Player)”制度も導入しました。

尾嵜氏 「それまで表彰制度がなかったのは、 Progateの成果がユーザー数や満足度といった指標でしか図れなかったという背景があります。なかなか個人の目標を立てづらいですし、たとえば『アプリ開発の間、4カ月成果がない』というような状況もあるわけです。
でも、本当はお互いに『ありがとう』と伝え合いたい気持ちがあったんですよね。3つのバリューを定めたことで、行動のプロセスや姿勢を評価する軸ができました。
MUPは、最も Uniposをもらったメンバーに対する栄誉賞です。投稿数が多い人と、もらった投稿数が多い人の途中経過ランキングを Slackの Uniposチャンネルで流すなどして、盛り上げています」

「シャッフルランチ」制度という、月に 1回ランダムにつくった 3~ 4名のグループでランチに行く取り組みもはじめました。費用は会社負担。会話のテーマがあり、ランチ後に Slackで全社共有するという流れ。

こうしたさまざまな取り組みが相乗効果を生み出し、社内のコミュニケーションはどんどん活発化していったのです。

尾嵜氏 「私が入社した当初は、全員コンビニで買ったものを自分のデスクで食べているような状況でした。でも、今は大半が仲間とランチに出ていますね。
全社ミーティングも以前は『シーン』としていて、本当にしゃべりづらい雰囲気でした。今はずいぶん話すようになってきましたね。 Uniposを通じて心理的に安心感が出てきて、『自分は認められている』という感覚をメンバーみんなが持てるようになってきたんじゃないでしょうか」

プロダクトのために妥協はしない。忖度や遠慮なしに意見を言い合える会社に

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▲コミュニケーションが取りやすいProgate社のオープンスペース

「バリューセッション」という、 1on1でマネージャーとメンバーがバリューについて話すミーティングを設けているProgate社。ここでも、 Uniposの投稿が活用されています。

尾嵜氏 「バリューセッションでは、 Uniposのハッシュタグがついている投稿を羅列して見せることも。『こういう取り組みがメンバーに評価されているよ』という話をしていますね。
Uniposを導入していなかったら、システマティックな評価方法になり、ドライに“成果”にフォーカスするしかなかったと思います。
Progateは、上から評価するのではなく、『互いに称え合おう』という文化です。そして、成果だけではなく、人間性や考え方、行動を褒めていきたい。 Uniposはそういう意味でもわれわれの文化と非常にマッチしたと思いますね。
たとえば、エンジニアのスキルのみを評価するのではなく、スキルがあるエンジニアが『メンバーを助けた』ということに対しても評価ができる。感謝をポイントという形で同僚同士で送り合える。そして、それが目に見えるというのはとてもいいですよね」

Uniposを使う文化が根付いているProgate社だからこその要望も。

尾嵜氏 「現在、 Uniposは『送る・届ける・リアクションする』で完結していますが、『確かにそれはいいね』という風に他のメンバーからリアクションを送りたい場面もあります。
また、『チームに対して投稿したい』『海外メンバーにもビジュアルで社内の雰囲気を共有できるようにしたい』というケースもあるので、まとめて投稿できる機能や写真掲載機能があるとより良いと思います。
Slack上で『ありがとう』と言ったら Uniposでポイントになる、といったように、特定のテキストから集計できる機能があってもいいじゃないかな、と思います」

褒めるという“優しいコミュニケーション”があることで安心感が生まれる――。

そして、社員一丸となってビジネスにおけるさまざまな壁を乗り越えていくことができます。

尾嵜氏 「今後は、 “心理的安全性 ”が隅々まで行き渡り、もっと相手に忖度なく話せる状態になるのが理想ですね。自分が意見を言うことで『誰かを傷つけるのでは』『立場が悪くなるのでは』と思ってしまう空気感ではなく、プロダクトのためになら小さな違和感でも共有できる。そんな状態にしていきたいですね」

社内が分裂している状況を打開し、同じ“バリュー”の実現に向けて一体感が生まれたProgate社――。現状に満足することなく、さらなる高みを目指し続けています。

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