日本中に眠っている16兆円もの“価値”を、再び市場へと送り出すために

2016年8月、株式会社ウリドキネットは、リユース(中古)品の宅配買取モール「ウリドキ」を正式にリリースしました。サイト上で公開されている商品の買取価格を比較し、取引するショップを売り手が選ぶことができるーー。このプラットフォームが誕生するまでに、私たちが辿ったストーリーをお届けします。
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日本中に眠っている不要品を、再び市場に流通させたい

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日本国内には、市場価値にして16兆円を超える品物が、使われることもなく、かといって捨てられもせず、部屋の片隅や押し入れの奥などに眠っているといわれているのをご存知でしょうか?

株式会社ウリドキネットの代表取締役CEO 木暮康雄は、いち早くそのリユース市場に着目し、これまでなかった事業を作り上げてきました。

木暮「たとえば衣類だけ見ても、日本では年間250万トンが消費されると同時に200万トンが処分されています。このうち、リユース市場に回っているのはわずか20パーセントに満たないんです。衣類だけではなく、ゴミの焼却量は日本が世界でダントツ1番だといわれています。処分されている中には、まだ使えるものがたくさんあるはず。私たちはその可能性を掘り起こしたいと考えました」

処分されてしまったり、休眠したりしている品物の価値を揺り起こし、それを必要としている人へと届けていく――そうした循環を生み出すことを目指しているのが、当社が運営している宅配買取モール「ウリドキ」です。

「ウリドキ」は、売りたい品物・リユース品を、サイト上で買い取ってもらうことができる新しいプラットフォームです。

多数の買取業者がさまざまな商品の買取価格をオープンにしているため、売り手はその価格をサイト上で比較し、自分が売りたいショップを選ぶだけ。該当するショップに買取を申し込むと、宅配業者が自宅まで商品を取りに来てくれるので、売り手は家から一歩も出る必要がありません。

大きな特徴は、ネットオークションやフリマサイトのように、売り手がひとつずつ「出品」する必要がないこと。そのため、複数の商品をまとめて売りたいときも手間がかかりません。買取金額はウリドキから支払う仕組みになっているので、複数のショップに買取を依頼したとしても、振込申請の翌営業日には一括で現金を受け取ることができるのです。

木暮はどのような経緯で、このビジネスモデルにたどりついたのか――その道のりは、今から10年以上前、彼の学生時代の起業経験からはじまりました。

大学時代の仲間と起業し、古本のECサイトを入り口にリユースの世界へ

木暮は中学時代にインターネットと出会い、その世界に触れるうち、無限に広がる可能性に強くひきつけられました。その強烈なイメージが忘れられず、「いつかインターネットでビジネスを立ち上げたい」と考えるようになります。そしてその「いつか」が、思いがけず早いタイミングで訪れたのです。

大学の経営学部に進学した木暮は、卒業して2~3年ほど会社に勤めてから起業しようと計画していました。しかしある日のこと、とある教授の言葉にハッとさせられます。「“いつかやる”なんて言っていてはダメ。本気のヤツはこの授業が終わったあとに起業する」――。

それを聞き、木暮はとにかく1日も早い起業を決意。そして2005年、大学3年生の1月に起業することにしたのです。

起業するには仲間が必要だと思い、声をかけた同級生のうち最終的に集まったのは4人。しかし、そこから模索の日々がはじまります。EC(ネット通販)を主軸とする方針だけは決まっていましたが、取り扱うジャンルや商品がなかなか定まらなかったのです。1年が過ぎても、経営が軌道に乗る気配はありませんでした。

そんな状況を打破するきっかけになったのは、メンバー同士の何気ない会話でした。そのとき、木暮たちが扱っていたのはジュエリー。トレンドを把握するために女性誌などを読み込んで研究するのですが、あまりにも会議がつまらなくなっていました。

木暮「ある日、会議の合間のふとしたタイミングで、たまたまメンバーが漫画の話をしはじめたんです。事業とは関係ない脱線トークだったはずなのに、みんな嬉々として盛り上がり、場の雰囲気がにわかに熱を帯びていって。その雰囲気を見たとき、『本当にやりたかったのは、こういう楽しいビジネスだよな』と痛感したんです」

「これだ!」という実感をはじめて得た彼らは、夢中になってサイトを作成し、それからわずか1週間で新規事業を立ち上げました。ネットで漫画の古本を“大人買い”できるサービスです。

そのプレスリリースを打った途端、サイトには1万を超えるサクセスが殺到しました。2006年にこのサービスが成功したことをきっかけに、木暮はリユース市場へと足を踏み入れることになったのです。

すべての取引が完結できる、リユース買取の流通プラットフォームを目指す

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漫画のリユース事業は大成功を収め、最終的には3億円を超える年間売上げを達成。このサービスを利用してくれたユーザーの声を通じて、木暮はあることに気づきます。

木暮「当時から、私たちは買取価格をサイトでオープンにしていました。その相場価格が、どうやら他社の数倍に達しているらしいとわかったんです。お客さまからの感謝の手紙をいただくこともありました。でも利益はちゃんと出ていたし、決して自分たちが無理していたわけではありません。もしかすると漫画だけではなく、他のリユース市場も同じなのではないかと思いました」

2010年代はじめの頃は、まだネットを通じたリユース品買取のしくみが確立されておらず、買取価格の相場も不透明でした。しかし木暮はそれまでの経験から、中小規模の買取業者の中にも優良企業が多数あり、高い買取価格でサービスを提供していることを知っていたのです。

そうした事業者と連携していけば、どこよりも高い買取価格でサービスを提供できる――そう確信した木暮は、2013年にリユース品の買取価格を比較できるサイトを立ち上げます。最初は価格が比較しやすいゲームソフトからはじめ、徐々にブランド品や電子機器など、他ジャンルの商品へ……。このように裾野を広げながら、ウリドキは現在の形に近づいていきました。

通常のネット通販はBtoC(企業から消費者へ流れる取引)、ネットオークションやフリマサイトはCtoC(消費者間の取引)ですが、リユースの買取事業は「CtoB(消費者から企業への取引)」になります。しかし当時、この領域はまだまだ未成熟な状態でした。

木暮はこの事業と本格的に向き合うことを決意し、漫画の大人買いサイトを運営していた会社を同社役員に事業譲渡。2014年12月、新たに「株式会社ウリドキネット」を創業しました。

まだ手つかずのリユース買取市場を目の前に、ウリドキネットには3つの選択肢がありました。ひとつは買取価格が比較でき、買取に特化したクリック課金型モデルのバーティカルメディアとしての道。もうひとつは、成約課金型のアフィリエイトサイトとしての道。そして、サイト上で取引の決済まで完結できる「流通プラットフォーム」を目指す道。

木暮「ネットを通じた宅配買取の利用者はまだ少なかったものの、需要は絶対に伸びると思っていました。買取価格やお金の流れも透明化したいと考えていたので、それならやはり、自分たちがプラットフォーマーになるのが一番ではないか、と。大変であることはわかっていましたが、その道を突き進むことにしたんです」

不用品を新たな価値に変える、宅配買取モール「ウリドキ」が目指す社会とは

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法人設立から1年半後の、2016年8月。当社が運営してきた買取価格比較サイトは、ついに目指していた流通プラットフォームへと進化を遂げました。リユース品買取の価格比較から決済、流通までを一貫して仲介する「宅配買取モール『ウリドキ』」が生まれたのです。

今でこそ類似のビジネスを見かけるようになりましたが、ウリドキの開発をはじめた当初は同じようなサービスがありませんでした。そのため開発メンバーは、自分たちの経験や知識を踏まえたうえで、イチからシステムを構築していきました。

木暮「どうしたらユーザーのみなさまが使いやすいか、どうしたら買取業者の方々の手間が省けるか……。とにかくあらゆる試行錯誤を重ねましたね。リリース後、ウリドキを通じてさまざまな取引が成立していくのを見て、ようやくステップアップできたことを実感しました」

リリースから半年、ウリドキは順調に成長を遂げており、日々多くの方にご利用いただいています。古本やゲーム、フィギュア、ブランド品、電子機器、自転車など、今まで眠っていたあらゆるリユース品がサイト上で取引され、新たな市場へと流通しはじめているのです。

木暮は将来的に、ウリドキで自動車や不動産などといった高額な商品も取り扱うことも視野に入れています。また今後は、同じサイト上で旅行のチケットやレストランのディナー予約、エステのクーポンなどを入手できるしくみを作り、不要品を「新たな体験」に変えられるサービスを提供していく予定です。

しかしまだまだ、リユース商品のネット宅配買取については認知度が低いのが現状。日本のEC利用率は72.2パーセントに達しているにもかかわらず、ネットの宅配買取を利用したことがある人はわずか6.3パーセントしかいません。

木暮「まずはより多くの方に、ネット宅配買取にはメリットしかないことを知っていただきたいですね。買取価格はすべてサイト上で比較できるうえ、複数商品の一括査定もできる。ネットオークションやフリマサイトのように自分で配送の手配をする手間もかからず、支払いなどの面倒な手続きはウリドキがサポート――。私たちは今後もこうした利便性の高い環境を追求し、ユーザーのみなさまに提供していきます」

日本中に眠っている多くの“不要品”を、ウリドキを通じてもう一度市場に流通させる。そうした「循環型社会」の実現に一役買うことこそが、ウリドキネットが目指すビジョンです。いま、自宅に眠っている品物を、あなたも新しい価値と交換しませんか――?

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