離職を防ぐ3つの改革──「縁」で豪華客船を編むために

2019年7月現在、株式会社UT・キャリアで営業本部長を務める本多裕太。前職では大手人材系企業に務め、代表取締役社長 川村拓司の学生時代からの友人というご縁もあり入社に至りました。一時、離職が続いた営業職に歯止めをかけようと行った3つの改革をご紹介します。

課題に感じた「人と金=育成と業績」

▲求人広告会社の悩みも、お客様と変わらず離職について。今変えなきゃ、と一念発起

これまでに本多が経験してきたのは規模感・従業員数・歴史などが整っている企業ばかり。カードがなければ社員ですら社内に入ることができないような環境から、業者も出入りする小規模なビルのワンフロアにあるUT・キャリアへ。入社当初は驚きの連続だったと言います。

さまざまなツールや社内インフラが変わり始め、入社2カ月目を迎えた2018年11月に営業部長に就任したとき、変えなければいけないと思ったのはハード面だけではなく、営業職ならではのソフト面です。

本多 「最初に課題に感じたことは、『人と金』ですね。人の面は離職と育成はニアリーイコールなんだけど、自分が育っていないと思うから離職につながるだろうし、離職者が先に出ちゃうから育成につながらないと思うし、人が育つ環境をつくれていなかった。
金の面では、最近部活動が始まったり、社内イベントを開催したりといろいろやっているけど、綺麗事抜きにお金がなかったら社員の要望をかなえてあげられない。その必要経費を営業部が稼がなきゃいけない」

人が入っても離職が続けば育成できない。育成ができなければ、顧客獲得にもつながらない。

その課題に気づいたときに、営業部全体の空気感を変えるきっかけになったのは、退職を考えているメンバーの悩みが耳に入ったときのことです。その中には人間関係に悩みがあるという意見もあり、これも離職してしまう数ある要因のひとつだと本多は感じます。

離職に関する内容は月に1回程度行われている社内イベント「よくする会議」でも、議題に上がりました。1年間の離職率が3割という現状を受けて、「人が辞めない会社をつくろう」という内容のもと、離職の原因ではないかと集められた意見は全社共通してコミュニケーションが不足していること。

たくさんの話し合いの中から生まれたのは、週1回の定例会。ユニットごとや他部署の役職者とも定期的に話し合いの場を持つことで、それまで見えていなかった姿に理解が深まり、助け合いが自然とできるようになったのだと言います。

営業部のユニットごとの定例会では、単なる数字の読み合わせだけでなく、他拠点のメンバーとどういう風にコミュニケーションを取っているか、会社を良くするためにどうするかといった意見を小さいものから大きいことまで聞いていきます。今までなかった話し合いによって、日ごろ感じている疑問や不満を吸い上げやすくなったのです。

メンバーから挙げられた意見を会議で提案できるようになり、これが本当の連携だと気づけたことに喜びを感じると語ります。社内イベント以外の場所でも「ちいさなよくする会議」が働きやすさをつくり出しているのです。

チームワークの土台づくりとルール改正

▲社長に言われて気づいた土台づくり。可視化したことで生まれた絆

本多はどちらかと言うとロジックを立てて計算していくタイプ。ここをこういう風に歩留まりを改善すれば結果的に良くなるだろう、とたどることで営業部の成績を伸ばそうと考えました。しかし、社長の「業績はチームワークや土台があった上じゃないと成り立たない」というひとことで、それは机上の空論だと気づかされたのです。

本多 「社長に『全然できてない』と指摘されて、『たしかにそうだ』と思いました。たとえばテレアポの数を増やせばいいとか、商談率を上げるためにロープレを何回すればいいとかっていう型にはまった考えが先行していて。ロジックを固めることだけしか考えていなかったんですよね。それを全部取っ払おうって、考え直したんです」

大きく変えたのは、直行直帰ルールと1時間の集中タイム。それまでの直行直帰のルール上では、9時までに会社に来られるなら1度出社し、タイムカードを押してからすぐに会社を出ていました。

直帰も同じようにタイムカードだけを押しに帰社することも。効率が悪いという意見から経営ボードの会議で提案し、全員が現在地を見える状態にできるならと、10時アポまでは直行してもいいというルールに変わりました。また、社内で行う業務をホワイトボードに書き出すなど、誰が何をしているかがわかるようにするしくみづくりが行われたのです。

本多 「直行直帰申請用のチャットをつくって現在地の地図を送ってもらったり、集中タイムをつくって今の業務を可視化させたりするようにしたのは、信じてないとか別のことをしてるって疑ってるわけではないんです。そんなことはみじんも思ってないけど、どこで誰が何をしているかをみんなが知ってることに意味があると思ってます。
そういう意味での社内の透明性を確保したかったんです。ほかの人が何をしてるかがわからないというのが問題だったから、それを可視化することで生産性が上がったのを感じていますね」

大切にし始めた「可視化」はチームワークにつながります。

営業は自分だけで稼ごうと思えば稼ぐことができるがゆえに、自分は稼げているのに、毎月のチーム目標が達成できていないということが起こってしまいます。そのため、重要視すべきは個人プレーに走り、個人で結果を出すことよりも、チーム全体で目標達成すること。それをしっかり周知して、ひとり、またひとりと賛同してくれるメンバーが増えてきたことを肌で感じています。

本多 「チームで達成するために、ほかのメンバーに対し、『今月はみんなの分頑張るから、来月自分のショートしてる分頑張ってよ』って言い合える空気感に、全員がなってほしいってずっと思ってるんです。
最近、個人目標を達成しているメンバーも、ショートしているほかのメンバーがいつ商談にいくか、いつご契約をいただけそうかを把握して、チーム目標も達成できそうだって話をしているのを見ると、成長しているなって思いますね」

リーダーらしい人格を育てる早朝ミーティング

▲固定観念を捨てさせる。リーダーだからこそメンバーの気持ちのわかる人格形成を

離職に関する「よくする会議」の意見の中には『悩みを相談できない』『リーダーとのコミュニケ―ション不足』といった声も。

社長を交えてリーダー以上の役職者全員で意見を書き出したポストイットが並ぶ画像を見て、『事実かどうかはわからない。ただ、意見を出したのはメンバーだっていう事実がある以上、こういう想いを感じさせてしまっているファクトを受け止めた上でどうするか』という話し合いを何度も繰り返しました。

本多 「これまでは数カ月連続で目標達成できればリーダーになるシステムだったけど、リーダー職ってそうじゃないんです。メンバーの気持ちをくんであげて人を育てられなければ、リーダーになっちゃいけないと俺は思っています。だから、まずはリーダーの育成から始めなきゃな、と思って」

3つ目の改革は、リーダーらしい価値観の育成をするために2018年12月から始めた、早朝に行っているリーダーミーティングです。だらだらと、熱くなりすぎないような温度感でリーダーに話をし、部下への話し方や考え方をインストールし始めました。そして、半年間続けてきて考え方や言葉の癖は少しずつ変わってきたと感じています。変化の見えづらいマネージャーですら、本多の目からは成長をたしかに感じられるのです。

また一方で、目には見えない土台の部分をつくることを社長から言われて気づいたことで、メンバーの育成をリーダーに丸投げしていたことを反省しました。本多自身も、人を育てることに立場は関係ないと思い始めてからは直接声かけをするようになり、空気感が大きく変わったのです。

本多 「レボするぞ、ロープレするぞって自分から声をかけるようにしたり、朝礼のやり方も一カ所に円陣みたいに集まるようにしたり……それだけでもまとまり感が違うし、そういう積み重ねが業績にもつながるんだなって実感してますね。
この空気感が新人に影響して『めちゃくちゃ厳しいし、夜もぶっちゃけ遅いけど仲良いし、みんなひとつなんだよな』って感じてくれたら、離職の抑止力にもなるかもしれません。なので、それも踏まえて今の良い空気感を継続していきたいです」

1年間で3割という離職率を下げ、人が辞めない会社をつくることを目標にいろいろな方策を実行してきたUT・キャリア。離職がある一方で、ある一定のフェーズを越えれば1年以上定着しているメンバーが多数いることも事実です。

『仕事が好き』『この会社が好き』『一緒に働く人が好き』そういった想いを胸に営業の第一線で働く方や、営業から部署移動して新たな活躍の道を見つける方。さまざまな想いにUT・キャリアは支えられています。

その想いと“いい空気感“を伝播させることが、リーダーの役目なのだと本多は考えているのです。

縁をつないで、いつか大きな豪華客船に

▲ボーカルを務めるバンド「FATE」。奇しくも“縁”という意味を持つ名前に仕事との運命を感じる

せっかく出会えたご縁だからこそ、人や会社を愛する心を大切に──。変わらない「UT・キャリアイズム」を持ち続け、新しく入ってくる人も、今会社にいる人も全員を大事にしていこうという想いを本多は抱いています。

そして東京・京都・大阪・福岡と展開し、今後もスケールしていくであろう同社で本多はさまざまな夢を描きます。

本多 「直近で言うと、まずは本社で営業 100人の会社に、という目標があります。そうなると、今の小さなビルには入りきらなくなるので移転したいですね。求職者の方や他社からのお客様など、誰が来ても恥ずかしくない、ガラス張りの綺麗なオフィスにしたい。
そのために何をするかでいくとやっぱり『育成と業績』の部分はブレずにいたいですね。それを突き詰めていくことで勝手にスケールしていくと思うので。
逆に個人目標はあんまり思い浮かばないですね……。自分だけ良い想いをしたいなら UT・キャリアじゃなくてもいいんじゃないかと思うし、会社がこれからどうなっていくか考える方が今は楽しくて。
大きな目標は、人材のことなら UT・キャリアと頭に思い浮かぶような『第一の門』になるくらいに会社を成長させること、ですね」

本多が目指す、人材の第一の門・UT・キャリア。人という点に軸を置き、求人広告のみならずオウンドメディア「Hitocolor」や退職代行サービス「ネクステ」など、取扱商材は必ず誰かの役に立てるもの。少しでも人が、企業が、日本が元気になれる手助けができるものを提供し続けていきます。

会社は確実に成長していく──そう考える根拠は、商材の質の高さ、そして今活躍しているメンバーに対する厚い信頼と期待。

本多 「メンバーに対しては……信用してます、建前抜きで。もちろん、みんな歩幅が違うので成長の速度も違います。ですが、成果はまだ上がっていなくても、うちにサボっているメンバーはひとりもいません。
そのがんばりを反映させてあげたいし、言えるのは『信用してる』のひとこと。そんなメンバーの歩幅を早めたり大きくするのが俺の仕事です」

また、これから入社してくる方にも大きな期待を寄せています。

本多 「まだ見ぬ未来の仲間に対しては、今はちっちゃい船なんだけど 5年後にすごい豪華客船にするために、船のどの部分かわからないけど一部分になってほしいと本音で思っています。
単純に大手企業にある、 “歯車の一部 ”になるのではなく、自分で何かをつくっていってほしい。
どんどん拠点が増える中で、まだまだリソースが足りていないから部署に関係ない業務もあるけど、生みの苦しみだと思って歯を食いしばってくれれば必ず良くします。

いや、一緒に良くしていきたい。5年後に入ってきた新人に『あのころは本当にキツかった。キツかったけど、その積み重ねで今があるんだよ』って言えたらいいなって思います」

成長期にあるUT・キャリア。そんな中でも会社の利益だけでなく縁を大切に、さまざまな施策を行っています。求めているのは社員全員が会社の成長のために頑張れる“仲間“だと言える空気感。

より良い会社をつくるための本多の挑戦は、続きます。

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