社員が講師に!プログラミング授業が生んだ未来の種とエンジニアの誇り

2020年から小学校で必修となる「プログラミング教育」。VSNでは小学校で行なわれる課外授業として「プログラミング授業」を提供し、多くの社員がプログラミングの講師からサポートまでを担当しています。社内初のCSR活動には、未来への投資と社員たちの変化の物語がありました。
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社内初のCSR活動である「プログラミング授業」の提供

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▲子どもたちにプログラミングを教えることで社員の「愛社精神」を育む

小学校でのプログラミング教育必修化の検討が開始されたのは2016年のこと。2020年の開始に向けて文部科学省による教育指針が提示されているものの、現場の教師たちには授業対応への不安が広がっていました。

この課題を解決するためにはじめたのが、「プログラミング授業」の無償提供です。社内初のCSR活動となる本プロジェクトでは、希望した社員が小学校に出張し、プログラミングに関連する基礎知識を得られる課外授業を子どもたちに行ないます。また時には教師を対象とした授業も提供しています。

私たちVSNはエンジニア派遣事業を中心とし、「ヒューマンキャピタル(人財)の創造と輩出を通じて、人と社会の歓びと可能性の最大化を追求する」という理念を掲げています。子どもたちが身につけるべきプログラミングのスキルを提供することは、理念にある人財育成につながると考えました。

さらに、この活動には社内的な課題解決の視点もありました。それは愛社精神を生み出し、退職者を減らすことです。VSNの社員の多くはクライアントである他社に常駐して業務を行なうため、VSNに対する意識が育ちにくい傾向がありました。

経営イノベーション本部に所属する平田昭宏は、プログラミング授業がこうした社内外双方の課題を解決する手段だと考えました。

平田 「学校の先生たちはエンジニアに助けを求めていました。エンジニアという職業が現代社会や未来を担う子どもたちにとって、いかに重要かということを、社員自らが感じられる機会だと思ったんです。自身のスキルが役立つことを感じ、誇りを持ってもらいたいな、と」

一方で、授業を実施するためには社員の時間やスキルをプログラミング授業へ投資する必要があります。CSR活動として開始したいと社内に提案した際には、費用対効果に対する懸念の声もありました。

平田 「それでも社会貢献がしたいという熱い想いを秘めている社員は少なからずいたんです。賛同してくれる社員を巻き込みつつ、少しずつ仲間を増やしながら、スモールステップで進めていきました」

活動開始当初は強い想いを持った社員が少人数で授業を実施することになりました。ところがこの活動は、その後、思わぬ結果を生み出します。

歓迎されたエンジニアスキルと、子どもたちからの反響

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▲ときにこの活動がひとりの生徒の人生を変えるキッカケになることさえある

首都圏の小学校を対象にはじまったプログラミング授業は、プログラミング教育を構築するために悩んでいた教師の皆様や、校長先生に想像以上に歓迎されました。

広報を担当する井川由佳は、社外の反応を見て、この活動が社会課題を解決すると改めて強く感じました。

井川 「プログラミング授業の仕組み化についての関心は高く、メディアに取り上げられる機会も増えました。また、顧客である企業から『 VSNさん、小学校で授業をやっているんだってね』と声をかけていただく機会も増えて……偶然にも担当者のお子さまが通う学校で授業をしていたケースもあったんですよ」

反響があったのは、教師やメディア、顧客からだけではありません。授業を行なった学校から届いたアンケート結果には、子どもたちの素直な声がつづられていました。

ーー今まで自分の趣味以外楽しいことがありませんでした。あたらしい道(光)をもうひとつくれてありがとうございました。
平田 「勉強も運動も苦手だった。でも、プログラミングのセンスや才能があった。子どもたちが自分の可能性を見つけられる機会として、授業が役立っている一面を発見しました」

プログラミングとの出会いがきっかけで再び学校に通うようになった不登校の生徒や、将来VSNで働きたいと意欲を見せる生徒。授業はいつしか、子どもたちの未来を大きく左右するかもしれない機会になっていました。

毎回、授業後に実施している子どもたちへのアンケート。そこに書かれている授業を通じて感じた想いや変化は、授業を提供したVSNの社員たちが伝えたことの証とも言えるでしょう。

井川 「子どもたちがプログラミングを純粋に楽しむ姿を目の当たりにして、心が洗われたと感じる社員も少なくありませんでした。子どもたちに勇気づけられ、エンジニアの仕事のやりがいや意義を再認識できたのだと思います」

ずっしりと重みを持つアンケート、そしてアンケートとは別に、後日、子どもたちから送られてきた直筆の手紙は、社員にもフィードバックされています。こうした結果を重ね、授業を行ないたいという社員が徐々に増えていきました。

「働いていることが誇らしい」と思える会社へ

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▲VSNの社内表彰制度「VSN Award」で2年連続受賞を果たした

2018年11月現在、VSNによるプログラミング授業で訪れた学校は100校、参加した社員は100名以上、その授業を受けた生徒は延べ3000名以上になりました。

社内SNSには授業に参加した社員の想いや生徒たちの写真が共有され、それを見た社員同士によるあたたかなコミュニケーションが交わされています。そのやりとりに触発され、「どうしても参加したい」と名乗りを挙げる社員も。

平田 「他社に常駐する社員が多いので、社員同士のつながりをつくることもなかなか難しかったのですが、最近は教室で出会う社員同士で意見交換をしたり、授業をきっかけとした会話が弾んだりしているのが印象的ですね」

こうした社員の変化は、社内の課題であった愛社精神の醸成に直結しているものです。VSNで働いているのを「人に自慢できる」という社員のフィードバックは、この活動を経て初めて生まれたものでした。

井川 「自分が険しい顔で仕事をしていたことに気がついたという社員もいました。社会に貢献しているという感覚が、社員の誇りを育てています」

一連の取り組みは、VSN社内の表彰制度「VSN Award」で2年連続、受賞を果たしました。新聞やテレビ番組などのメディアで取り上げられたことも含め、活動に関わった社員からは歓声が沸き起こりました。

VSNに対する誇りが生まれていくことは、現在の社員だけでなく、将来的な人材採用にも影響を及ぼしつつあります。面接の際に就職希望者からプログラミング授業について質問があったことからも、就職する会社を選ぶ判断基準のひとつとしても活動が浸透していると分かりました。

平田 「採用については、劇的な効果がすぐに生まれるとは思っていません。現在授業をしている対象は小学 4〜 6年生の生徒が中心なので、彼らが社会に出るのは約 10年後ですから。それでも、こうした活動が VSNへの印象を変えつつあるのは事実でしょう」

社員への感謝とともに、プログラミング教育の筆頭に立つ

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▲これからも当社は人財教育の視点から社会に貢献していく

広報、採用、営業など多岐にわたる部署に良い影響をもたらしつつ、社会課題の解決にも直結しているプログラミング授業の提供。しかし、活動にはまだ課題も残されています。

授業への参加はすべて無償で行なわれており、リソースには限界があります。学校の授業は開始時間が早く、一度に複数の授業を受け持つことになると、講師を担当する社員は終日対応が必要です。さらに、授業は対象の生徒向けの工夫を重ねている内容のため、準備にも時間をかけています。

VSNは全国各地に社員がいますが、現在、プログラミング授業に関しては首都圏の学校が対象となっています。今後、この活動を地方に広げ、参加の意志が強い地方社員にも機会を増やしていくことが目標です。

平田 「 VSNはエンジニアの集団ですから、プログラミングに対して困っている教育機関に協力することは一種の使命とも言えるかもしれません。そして、民間企業が教育機関でスキルや楽しさを伝えることで、テクノロジーの発展に長い目で貢献できれば、と強く願っています」
井川 「社会課題という点では、人材不足も深刻な問題ですね。今後の日本を担う子どもたちが楽しい経験を通じて ITを学ぶことで、的確な進路を選べる一助になれたらと思います」

遠い未来に種をまくCSR活動が今も絶えることなく拡大を続けているのは、自ら活動に参加しようと意志を持って行動する社員たちがいるからです。

井川 「この活動は、私たちだけでは成り立ちません。学校に赴くメンバーが、業務調整をして、努力を重ねて授業に臨んでいることを承知しています。それでもなお続けてくれる社員に、感謝の気持ちを伝えたいです」

事前学習、授業準備、授業対応。そのための長距離移動。休日を返上して参加する社員もいます。こうした活動や熱意への感謝や評価の気持ちが、今回の物語の根幹にあります。生まれた愛社精神は、社員同士の絆も強めているのでしょう。

VSNは今後も、エンジニアのプロフェッショナルとして人財教育の視点から社会に貢献します。そして、その活動を通じてプログラミングに携わる社員の誇りを育て、日本のテクノロジーを支え、発展させる仕事の大切さを共創していきます。

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