「花嫁の夢と憧れをもう一度」ハワイの伝説的チャペル・リニューアルの物語

2018年10月17日にワタベウェディングが誇るハワイの伝説的チャペル「コオリナ・チャペル・プレイス・オブ・ジョイ」がリニューアルオープンを果たした。日本とは違う、ハワイという土地での施設オープンが、いかに大変か……。リニューアルへ向けた苦難と感動の日々を、ハワイ支社長・宮崎健介が振り返る。
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長年愛されてきた伝説のチャペルが突然運営休止に

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▲コオリナ・チャペル・プレイス・オブ・ジョイと宮崎

ワタベウェディングは、リゾートウェディング=“リゾ婚”のパイオニアとして、これまで60万組以上のお客様のウェディングをプロデュースしてきた。

人気エリアは圧倒的にハワイ。そして、ハワイの中でも、17年間にわたって年間挙式組数2,000組という圧倒的No.1の座を維持し続けた伝説のチャペルがある。かつてハワイ王室の保養地だったオアフ島屈指のロイヤルリゾート地“コオリナ”のオン・ザ・ビーチという特別なロケーションに建つ、独立型チャペル「コオリナ・チャペル・プレイス・オブ・ジョイ」(以下、コオリナ・チャペル)。

多くの著名人も式を挙げたこの会場は、ワタベウェディング社員全員にとってのプライドの象徴とも言える特別なチャペルだ。そんなチャペルの運営休止が決まったのは、突然のことだった。

ハワイにおいて注目のリゾート地であるコオリナリゾートエリア一帯の再開発がおこなわれ、チャペルが建っている敷地もその影響を受け、運営できない状況になってしまった。多くのお客様にも、スタッフにも愛されていたチャペルの運営休止決定は、社内外に大きな衝撃が走った。

しかしチャペルがある土地のオーナーの協力も得て、調整の末、なんとかリニューアルをおこなったうえで再オープンできることが決まったのだ。

その時の様子を、ハワイ支社長の宮崎健介はこう振り返る。

宮崎 「ワタベウェディングがワイキキに店舗を構えて、2019年現在で 46年目。再オープンがかなったのは、45年間まじめにハワイという土地で営業を続けていたその “信頼 ”が決め手になりました。

諸先輩方が、“真心の奉仕と知恵ある提案 ”という基本理念に沿った行動を受け継ぎ、時には自分たちの利益を顧みずにハワイの発展に尽力してきたからこそ、この地で、国の文化や人種の壁を超えて多くの方々の支持を得ることができたんだと実感しましたし、この会社を誇りに思いました」

しかし、安堵したのつかの間、そこからはスケジュールとの闘いだった。

1日も早くオープンしたいーー焦る気持ちとお客様との約束

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▲新設バンケット デザインラフ

ワタベウェディングはリニューアルオープンに向けて動き出した。しかし、その中で宮崎は大きな不安を抱えることとなる。

宮崎 「 1日も早くオープンしたい。けれどお客様と一度約束をしたら絶対に破ることはできない」

ウェディングという商材は、お申込み(受注)のタイミングと挙式当日(施行)のタイミングが半年~1年ほど空くため、オープン日を早く告知する必要があり、スケジュールを見定めることが重要。オープンできないということが許されないウェディングならではの重圧だった。

ただ、それ以上に宮崎を苦しめたのは、早くオープンしたいという焦る気持ちだった。

会社のプライドであるコオリナ・チャペルが営業を休止してから約半年。新商品を出したものの、そう簡単には伝説のチャペルを超える商品をつくることはできなかった。さらにはお客様からの支持のみならず、社員の士気が下がりつつあることを宮崎は感じていた。その状況を1日も早く打破したいーー。
そんな想いで必死だった。

2017年10月、工事スケジュールの打ち合わせがはじまった。専門家の見解によると、オープンは2019年3月。もともとあった、バンケット(パーティ会場)がリゾート開発の影響を受けて使用できないため、バンケットの新設が必要になったためだ。1日でも早くオープンしたい宮崎にとって、1年半もの年月は気が遠くなる話だった。

工事会社も含めた議論を続け、1日でも早く竣工させる方法はないのか?あらゆる手法を検討し、なんとか2018年10月17日にオープンすることが決定する。しかし、またもや宮崎を悩ませたのは、“ハワイアンタイム”といわれるのんびりとした時間の捉え方。観光時には解放された気分でリフレッシュできるが、日本のビジネスを展開するには大きな障壁であることを改めて実感する……。

“ハワイアンタイム”を加味したスケジュールを設定してはいたものの、想像を超えるスローな進行が続き、工事をおこなう前に必要となる建築許可の取得に大幅な時間を要してしまった。

やっと工事が開始できたのは2018年4月のことだった。すでにオープンまで半年を切っており、焦燥感はピークに達していた。

宮崎 「工事会社はさすがに 2018年 10月にオープンすることを不可能だと言って来ましたね。ただ、ここで簡単に諦めるわけにはいかないので、クオリティを落とさず期日に間に合わせるため、チャペルとバンケットの工事会社を分けたり、建築方法も途中でプリキャストコンクリート方式(予め建物の壁を工事現場以外の場所で製作し、プレハブ建物のように現場で組立てる方式)に変えたり、労働人員や労働時間を増やしたり、とにかくありとあらゆる知恵を出し合い、工事会社を説得しました。
自分の中では絶対間に合うという自信があったんです。それはコオリナ地区の晴天率の高さにありました。工事会社が考えるスケジュールは、天候不良による予備日をかなり取っている印象だったので」

オープンまでの日程は、刻々と迫っていった。

「何かせずにはいられない」ハワイ支社全員が熱い想いで奔走した日々

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▲ハワイ支社メンバーが工事を手伝っている様子

予定通りに進まない工事、迫るオープン日。

宮崎 「自分は “プレッシャーを楽しむタイプ ”だと偉そうに部下や後輩に言っていたのが、ただの強がりだったことに気付かされました。皆に自分は “プレッシャーと同居できないタイプ ”でしたと謝りたいですね(笑)。本当にプレッシャーに押しつぶされそうでした。挙式を申込むお客様の数は日に日に増え、1,000組近い組数になった頃には絶対に期待に応えたいという想いと、思い通り進まない現実と……。

ただ、僕が落ち込んだ顔をしているとハワイ支社の士気も下がるので、絶対に悟られないように全力で明るく振る舞っていました」

お客様の期待に応えられるチャペルにしたい——ハワイ支社全員が同じ想いを抱えていた。そして自然と、通常業務の合間に工事現場へと足を運ぶスタッフが増えていった。

宮崎 「少しでも完成を早めたいという気持ちが強くて、動かずにいられませんでした。工事の方々が帰った後で、『これだったら自分たちでも進められる!』と暗闇の中、皆でやったことを、翌日工事の方々に『 What are you doing!(何してるんだ!)』と怒られて元に戻させられたりしたこともありました。でも、毎日のように『今日終わる』って聞いた作業が、1週間も手付かずで進んでいなかったら、誰だってたまらず動いてしまいますよね」

予想不能な問題が次々に勃発する中、ギリギリの状態で調整を続ける日々が続いた。宮崎の予測通り、工事期間中に雨天でのスケジュール遅延は一切なく、またスタッフが手伝うことにより、その熱意が工事会社にも伝播し、終盤にかけての工事進捗は勢いを増していった。工事はなんとかゴールが見えてきたが、肝心の営業許可がなかなか下りなかった。営業許可書が無いと、お客様はもちろん、スタッフさえも施設に入ることができない。待ちに待った営業許可書が届いたのは、オープン直前の関係者内覧会当日のことだった。

宮崎 「このときはさすがに、こみ上げてくるものを止められませんでした。日本の本社から社長や上司に来てもらって、来賓の方々も大勢招待しているお披露目イベントにもかかわらず、施設の中に入れないってあり得ませんよね。営業許可書を受け取ったのは内覧会開始 15分前。ドラマチックすぎるタイミングでしたね」

そして迎えたオープン初日、第1号となるお客様をスタッフみんなでお出迎えするため、急いでコオリナ・チャペルへ。

宮崎 「リムジンが到着してお客様の笑顔を見たときには、涙がこぼれました。自分はこの姿を見るためにここまで頑張って来たんだ……このプロジェクトに関わった皆の努力が報われたという嬉しさと同時に、就職活動でこの会社を志望した動機も思い出しました。お客様に感動を提供したいという初心に戻った感覚でした」

こうして当初の予定通り、2018年10月17日12時に、無事オープンを果たすことができた。

たくさんの想いと絆でつくられた奇跡のチャペルが目指す未来

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▲ハワイ支社のメンバー。後列の青いTシャツ姿の男性が宮崎

リニューアルオープンを果たして、約3カ月。お客様の反応、社内の反応は、思った以上のものだった。

宮崎 「おかげ様で、オープンからこれまで、ワタベウェディングの取扱いチャペルの中で人気 No.1をキープし続けています。新設したバンケットは全面ガラス張りで、コオリナの美しいビーチを眺めながらプライベートな時間を楽しめると挙式されたお客様に大変好評です」

激動のオープンまで深く携わった、ハワイ支社河野真と島田瞳はこう話す。

河野 「完成に辿り着くまでには数々の困難に直面する事もありましたが、社内外を問わず協力してくれる様々な方との出会いもあり、どうにか乗り越える事ができました。

お客様一組でも悲しい思いをさせてしまったら完成しても意味が無い、そんな強い想いを一人ひとりが持ち、最終的に無事オープン日までにリニューアル工事を完成する事ができました。
最終追い込みの工事終盤では支社長をはじめホノルル支店の皆が現場でできる作業をおこない、文字通り、汗、泥だらけになりながら、皆で完成まで辿り着きました。
このプロジェクトを通して、よりホノルル支店の結束力と絆が深くなったと強く感じています」

島田 「普段オフィスで仕事をしている私が、オープン前は我慢できずに、ずっと工事現場にいましたね。
1組目のお客様の挙式直前まで本当に数えきなれないほどの苦難がありました。その度に、くじけそうになりながらも、必ずオープンするという一心で皆で考えて行動すると、不思議と社内・社外から誰かが助けてくれました。
何かに守られている、そんな奇跡を感じるチャペルで、これからもお客様の大切な結婚式をお手伝いできることが何より嬉しいですね」

今後、ハワイにおいて、ワタベウェディングが目指していくものとは……。

宮崎「お客様はもとより、多くの方々の想いが詰まって完成した素晴らしいチャペルなので、その施設で提供させていただくサービスも最高の品質にすべく、日々お客様第一の姿勢で取り組んでいます。
今後は、この素晴らしいチャペルと最高のサービスを、日本のお客様のみならず、アメリカ本土のお客様をはじめ、世界各国のカップルに提供したいと考えています。

そして、このコオリナ・チャペルに匹敵する、お客様から絶大な支持を受ける施設やサービスを今後も産み出して、ハワイの地域社会の発展に貢献していきたいと強く考えています」

これからもお客様を第一に考える工夫は崩さず、新たな挑戦を続けていきたい。まだまだ、ワタベウェディングハワイは進化の途中である。

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