「保育業界の立場を越えた情報共有を」―会社初のMeetupイベントに込めた想い

株式会社ウェルクスは、保育士や介護職の転職支援事業をはじめ、保育や介護分野のメディア事業、障がい児向けの放課後等デイサービス事業など、社会問題を事業領域としています。2016年6月22日、私たちの事業内容、事業背景を多くの人に知ってもらうため、初のMeetup(仲間集め)イベントを開催しました。そのテーマは「保育の社会問題」。イベントの企画・運営の中心メンバーとして活動した室谷には、ある特別な想いがありました。
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“傍観者”にならないと決めた3つ原体験

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remanbeで講演
はじめに室谷のバックグラウンドを紹介します。

室谷は、北海道の南西部にある人口6,000人に満たない小さな町、長万部(おしゃまんべ)町で生まれ育ちました。少年時代は、缶ケリ・雪だるま作り・ゲームと、遊びなら何でも大好きな子どもだったそうです。

長万部町の学生は、進学や就職を機に、町外の札幌や函館、東京などへ移り、多くの人が町を離れます。室谷自身も、なんとなく地元の“過疎化”が進んでいるな……と感じていました。そんな室谷にターニングポイントが訪れたのは2011年。自身のアイデンティティが強く揺さぶられ、考え方を変えることになる3つの出来事が起こりました。

ひとつ目の出来事は、2011年の3月に発生した東日本大震災です。当時新宿の職場にいた室谷は、その翌日の報道で実際の被害の凄まじさを知って、いてもたってもいられなくなったのです。

室谷「東北は北海道に地理的にも近いこともあり、昔から親近感がある地方。そのため被災した東北に自分も何かしたい気持ちがありました。そして震災後すぐの4月に、『社員による災害ボランティア支援』の募集が職場で告知されたので、この機会を逃したら後悔すると思い、上司や職場の理解もあって被災地支援に行くことができました」
室谷が被災地を訪れたのは、2011年の5月末頃。東京にいたのでは想像もできない、見たことがない光景が広がっており、そのときの感情は言葉では言い表せないものでした。また、宮城県・石巻市にいた1週間は毎晩、ボランティアが集う民家で行われた「地元の小中学生の子たちとの勉強会」に参加。

室谷「参加者の中には、津波で兄弟を亡くされた子や、津波のなか奇跡的に助かった子もいたのですが、その子たちが元気に明るく私たちに振る舞ってくれたことが強く印象に残っています」
さらには、2011年の8月に発生した長万部町のゆるキャラ「まんべくん」のTwitter炎上事件。地元のゆるキャラが全国に名を轟かせるチャンスだったのに、期待していたスターがいなくなってしまった。加えて2011年10月、当時働いていた会社で粉飾決算事件が起きました。

室谷「上場廃止してしまったら会社はどうなってしまうのだろう……と不安でした。職場では『この話題に触れてはいけない』とあまり良くない雰囲気になってしまったんです」
この3つの体験から、室谷の中に地元や職場、そして日本への問題意識が生まれ、そこから「問題解決は誰かに頼るのではなく、自らが解決に動き出さなくては」と考えるように。その結果、本業のかたわらで、あるプロジェクトを開始することになります。

インターネットを活用して、東京にいながらして地元・長万部町を活性化させるためのローカルメディア「remanbe(リマンベ)」を2013年に立ち上げたのです。その活動開始から今年で3年、当初は室谷ひとりからはじまったこの活動も、一緒に地元を盛り上げたいという想いをもつ有志が集まり、いまでは10名ほどの大所帯となっています。

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そして2014年12月、室谷はウェルクスに入社しました。

転職活動では、「社会課題に取り組む仕事」か「マーケティングの仕事」のどちらかができる仕事を探していました。社会問題の解消を目指すウェルクスならどちらもできると感じて入社を決定。

室谷「面接のとき、保育園で見かけるような装飾が会社の壁に飾られているのを見て『壁面が飾ってある会社って雰囲気が良いんだろうな』と思ったんです。前職は飾れるような社風ではなかったので(笑)」

「保育」は立場によって見方が異なる複雑な課題

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運営チームでミーティング
ウェルクスの事業内容を知ってもらうことは、その背景にある社会問題を知ってもらうことにも繋がります。室谷ら運営チームは、「会社や社会問題について知ってもらうにはどうしたら良いのだろう」と考え、メディアなど多様な立場の方が集うイベントを開催するというアイデアにたどり着きました。

イベント開催にあたり、そのテーマを決めることからスタート。運営チームが数多ある社会問題の中で最初に伝えたいと考えたのは「保育」でした。

ウェルクスはもともと保育士の転職支援からスタートした会社。また保育に関するニュースが増え、社会の関心が高まっているこのタイミングこそ、みんなに理解を深めてもらうチャンスではと考えたのです。

保育に関する社会問題には、保育士の待遇や待機児童問題、保育園開設反対など数多くあります。しかし、保育をはじめ社会問題にはあらゆる利害関係や立場の人が関わっているもの。そのなかで社会問題を少しでも前進させるためには、適切な判断と正しい情報が必要です。

室谷「各々の視点でなんとなく理解していた保育の問題について、さまざまな立場での意見を通して理解を深められれば、目指す方向がひとつになり、問題解決の一歩につながるのではないかと考えたんです。『当事者の声・現場の情報などいろいろな視点からの情報を集めて共有する場を作りたい』と運営チームで目指す方向を決めました」

「緊急招集!保育の問題ってなんなんだ会議」がスタート

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参加者の方は大きく分けて、一般参加者とメディアの2種類。通常のMeetupでは「採用」に向けた仲間集めの要素が大きな割合を占めます。しかし今回のWelksMeetupは、「保育の問題」に関心を持つ仲間を集めて情報共有の場を提供するという目的がありました。

イベント運営にあたって、私たちが最も重視したのが“参加者の満足”です。一般参加者とメディア、それぞれの満足度を高めるために、室谷はイベントの企画・進行の方法にこだわりました。

室谷「一般参加者の方には、交流を促進する仕掛けを用意し、最後のその瞬間まで楽しめるコンテンツにすること。メディアの方には、記事として取り上げたくなる“キーワード”を登壇者から引き出し、記事写真として掲載したくなる“画”を撮影できるように、心がけました」
そして2016年6月22日、少し緊張した雰囲気の中、イベント「緊急招集!保育の問題ってなんなんだ会議」が開催されました。

第1部は、株式会社スマートシッター代表取締役の島田敏宏さんと、社会福祉法人どろんこ会理事長の安永愛香さんによる講演。おふたりから、それぞれが考える保育のあり方や、目指す姿を熱くお話しいただき、参加者の皆さんもとても熱心に聞いていらっしゃいました。

とくに安永さんが講演中に語った「生きる力がある保育士が背中で教えていくことが必要」「子どもにどんな力をつけて世の中に送り出してあげたいか、そのためには何が必要かを、自分で考え行動できるようにならなければならない」という言葉は、多くの参加者に響いている様子でした。

その後、現役保育士と元保育士によるパネルディスカッションがスタート。「私が共感した保育士あるあるネタ」をテーマとしたトークでは、会場には笑いが起こるなど会場が明るい雰囲気に。そのあとの懇親会では参加者の皆さんがとても活発に交流している姿を見ることができました。

いろんな立場の方を巻き込んで問題解決を

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イベント後のアンケートや感想メールでは、「今まで同じ職業同士の集まりはあったが、別の保育業界の方との交流がなかったので話が聞けて良かった」というお声を多くいただき、室谷はこのような場が求められていたことを改めて実感し、手応えを感じたといいます。

室谷「改善点も見つかりましたが、イベントを通じて交流の機会を提供できたことが本当に良かったです。今回のテーマは保育でしたが、介護や障がい者支援など他の業界でも同じようなニーズがあると思っています。次回も、問題解決を推進していくために、いろんな立場の方を巻き込んでいきます」
自ら動くことで、世の中の何かが変わるきっかけになることや、周りを巻き込んでいくことの大切さをより強く感じた室谷。

そんな彼と、ウェルクスの今後に、ぜひご注目ください!

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