多様な“自由”が行き交う場ーーWeWorkからイノベーションを育む、川崎重工の挑戦

心地よい音楽が流れている共有エリアで作業に集中したり、気軽にコミュニケーションを取ったり。洗練と上質が息づくWeWorkのワークスペースでは、多様なビジネスパーソンの自由な働き方が同居しています。その“自由”にイノベーションのチャンスを見出した、川崎重工業株式会社。新しい物語が今、はじまります。
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真に価値あるビジネス創出のため、新たな拠点から自前主義の脱却へ

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▲ビジネスの新たな可能性を探るべく、WeWork丸の内北口オフィスに入居した宮副さん(左)と岡本さん(右)

バイク、船舶、産業用ロボット、プラント、航空宇宙、油圧機器、鉄道車両――。一般に広く知られるバイク以外にも、幅広い製品を手掛けている川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)。120年を越える歴史を背負い、国内トップクラスの重工メーカーとしての地位を確立しています。

これまで、川崎重工では技術も製品もビジネスモデルも、自前主義中心で生み出してきました。しかし、今や社会はオープンイノベーションの時代。ベンチャーやスタートアップとの協業が珍しくありません。

自分たちもこの波を取り入れていかねば……。社内でもそうした気運が高まり、イノベーション部が発足しました。

そこに集った8名は、それぞれ営業系や技術系のバックボーンを持つ少数精鋭の面々。本社部門のマーケティング担当部署出身の宮副栄一郎さんと“造船女子”の岡本智実さんはその中の2名です。

宮副さん 「イノベーション部のミッションは、事業の一歩先を見つめ、新しい可能性を探っていくことです。これからのビジネスは、いくつかの事業を結びつけて新たな価値を生み出していくべき。モノをつくりました、売りました、おしまい……では、広がりがありません」
岡本さん 「いわゆるソリューションの提案が必要なんですよね。トンネルを掘る作業でお客様が欲しいのは、トンネル掘削機ではなく効率的かつ安全に穴を開ける方法とツールなんです。モノづくりの枠を取り払い、広い視野で物事を見つめなくてはいけません。
さらに事業化へと結びつけるには、自前主義では限界がある。外部の方々のアイデアも取り入れながら、自由な発想でイノベーションを生み出す必要があったんです」

自分たちはもっと外を見ていかなければいけない。そんな想いに対する答えのひとつとして注目したのが、コミュニティ型ワークスペースの活用でした。

会社員もフリーランスも、アーティストもデザイナーもエンジニアも、日本人も外国人も。さまざまな人たちがひとところに集まる場所でなら、社内では生み出し得なかった出会いがあると考えたのです。

そして2018年5月、川崎重工のイノベーション部6名が、東京・丸の内にかまえるWeWorkのワークスペースに入居。これまで当然だったスーツ姿が、ここでは逆に浮いてしまうことに……。さっそく初日から、新たな環境の洗礼を受けてしまいました。

WeWorkでの常識を覆すカルチャーショックが、発想転換のきっかけに

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▲自由な働き方は仕事の効率化にもつながった

日本全体で働き方改革が叫ばれる中、川崎重工でも以前からリモートワークが導入されていました。しかし、実際にWeWorkのワークスペースを利用しはじめて、宮副さんと岡本さんは想像以上に柔軟な働き方を目の当たりにします。

宮副さん 「リモートワークやフレックスタイムなどの制度は知っていましたが、ここではもっと自由な働き方を実践している人たちばかり。いつも15時頃に帰ってしまう人もいれば、夕方からやってきて夜遅くまで働く人もいます。この目で見て、実感しました。あぁ、本当に自由でいいんだ、と」
岡本さん 「以前と比べると、時間配分の点でも作業空間の点でも働き方が変化しました。それでも、作業効率やアウトプットの質は、落ちるどころか上がっていると感じます。
たとえば、本社ではいつも決まった自席で仕事をしていました。でもWeWorkでなら、オフィスも個室もオープンスペースも移動が自由。やりたいことをやりたい環境でできる選択肢があります」

オープンスペースでも意外と集中できたり、外の景色を見ながら考え事をしたり。シチュエーションに合わせて柔軟に動けるWeWorkのワークスペースでは、働き方も自由にデザインできるのです。

カルチャーショックと試行錯誤の連続ではじまった、イノベーション部の新しい働き方。しかしながら、このチャレンジングな取り組みに対し、必ずしも全社的な賛同が得られていたわけではありませんでした。

岡本さん 「細かな検討課題を挙げていけば、きりがありません。だけど、それで立ち止まっていては物事が前に進まない。『試したいので、行かせてください!』と宣言し、本社を飛び出したんです。経営陣の理解を得られたことは、大きな後押しになりました」
宮副さん 「複数のワーキングスペースを比較検討しましたが、WeWorkでは1カ月単位の短期契約ができる。スタートのハードルが低いのはとてもよかったです。
また、レンタルオフィスとは一線を画す活気と雰囲気のよさも感じました。あまりに雰囲気が良いので、本社から打ち合わせに来た人たちを驚かせてしまうんですが……」

今までの常識とは一線を画す、刺激と発見に満ちた日々。そしてついに、宮副さんと岡本さんは「これだ!」という決定的な経験をすることになります。

WeWorkでのイベントを通じて生まれた「こんにちは」、その先に……

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▲イベントへの参加で、次の「こんにちは」が生まれる

WeWorkのワークスペースでは、頻繁にさまざまなイベントを開催しています。入居企業が自社の紹介をしたり、ワークショップを行なったりと形式は自由。日頃、ワークスペースを利用している人たちを対象としているので、いわゆる外部のセミナーなどに参加するよりも気軽に参加できるのが特徴です。

これは、自分たちの事業を伝え、新しい結びつきを生むチャンスだ――。宮副さんと岡本さんは早速行動に移ります。入居から約2カ月が過ぎた2018年7月、川崎重工主催のイベントを初開催しました。

宮副さん 「初回なので、まずは私たちの会社を知ってもらうことを第一に考えました。『事業はバイクだけじゃないんです』『神奈川県川崎市ではなく、川崎さんという人が設立した神戸の会社です』そして『皆さんと新しい何かを生み出したいんです』という3点。とにかくこれらを伝えようと思って臨みました」
岡本さん 「ワーキングスペースはあくまでも場所。同じところにいても、それだけで接点になるわけではないんですよね。もう一歩踏み込み、距離を縮めていくための方策として、イベントはとても効果的だったと思います」

事業紹介から名刺交換……という流れで、初めてのイベントは無事に終了。次回からは、よりカジュアルに友好を深める場にしていこうという方向性も見えてきました。交流を育むきっかけとして、宮副さんと岡本さんは十分な手ごたえを感じました。

変化は、すぐに表れました。それは、たった一言の挨拶――「こんにちは」を言い合えるようになったことです。文字にすれば、些細な変化かもしれません。しかし、そこから「御社の事業って……」と仕事の話がはじまったり「紹介したいスタートアップ企業があるんです」と言われたり。今までにはなかった広がりを感じられるようになりました。

岡本さん 「いうなれば『こんにちは効果』でしょうか。イベントは『こんにちは』を生むきっかけになり、それで関係が築ければより深い話に続くフックにもなるんです」

それはまさしく、外部とのつながりを育んで新しいビジネスチャンスにつなげようという、当初の目的が現実化した瞬間でした。

ここは出会いと可能性が満ちた空間ーー集う人々、生まれるチャンス

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▲WeWorkのコミュニティチームメンバーとの会話も、次なるイノベーションのキッカケに

WeWorkは世界中に拠点をかまえています。プラン次第では海外の拠点も自由に利用可能。出張先でもスムーズに業務を進められます。

宮副さん 「イスラエルへ出張に行くんですが、テルアビブの拠点を利用する予定です。WeWorkのワークスペースは、拠点ごとに特色があるのも気に入っています。
個人的には、ギンザシックスの掘りごたつが好きですね。WeWorkらしい高いデザイン性や居心地の良さは根底にしっかりと残しつつ、端々に遊び心を感じられるのがいいですね」

また、業界や企業規模の枠を超えたコミュニケーションが自然と生まれるのもWeWorkの特徴です。たとえば、大企業とノマドワーカーなど、日頃のビジネス領域ではなかなか重なり合わない人たちも、WeWorkでなら“同じ空間で働いている”という共通項で結びつけるのです。

岡本さん 「私が特に感じているのは、イノベーション部のミッションとWeWorkとの高い親和性。ごく自然に多様な人たちが集い、同じ空間で働く環境に移ったことで、イノベーション部が社内外をつなぐハブとして機能するようになりました。『WeWorkに行けば新しい何かができるんじゃないか』という認識が、社内でも少しずつ根付きはじめています」

たとえば、これまで本社で行なっていた打ち合わせを、あえてWeWorkで行なうケースが増加。自由で斬新な働き方を目の当たりにする機会が増え、他部署の方々も以前より意識が外に向かうと感じるそうです。

岡本さん 「WeWorkは、外部と積極的に接する仕事の人にはうってつけでしょうね。ロケーションによっては、オープンスペースに重点を置いた空間にしても良いと思います。新しい刺激やアイデアが欲しいとき、模索段階の発想をクリアにしたいとき、WeWorkに来れば何かしらのヒントがある。そんな存在として機能していくのではないかと思います」

イノベーション部としても、新しい動きが加速する兆しを感じているそうです。

宮副さん 「イベントを経て『こんにちは効果』から生まれた結びつきが少しずつ動きはじめ、今はまさしくさまざまな可能性を探っている段階。いずれは、ここから生まれた芽を育み、新しいビジネスを拓いていきたいですね」

多種多様な考え方や働き方、人種が行きかうWeWorkだからこそ、新しいビジネスチャンスを見つけ出すことができる――。あらゆる可能性に満ちた空間で、今日も“何か”が生まれているかもしれません。

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