わかりやすく、使いやすく──ヤフーの気象予報士が語るサービスのこれまでとこれから

ヤフーが提供している「Yahoo!天気・災害」と「Yahoo!防災速報」。このふたつのサービスマネージャーは、気象予報士の資格を持つ田中真司。サービスにかける想いやサービスのターニングポイントとなったエピソードを紹介します。
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ふたつのサービスを担うマネージャー、気象分野で重ねたキャリア

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ヤフーで「Yahoo!天気・災害」と「Yahoo!防災速報」というふたつのサービスを担当する田中。「Yahoo!天気・災害」では、気象会社から受け取った天気予報のデータを、そして「Yahoo!防災速報」では、省庁や自治体が発表した災害に関する情報をそれぞれ整理し、ウェブやアプリを通じてユーザーに届けています。

田中は気象予報士の資格を有し、過去には気象会社での勤務経験もあります。そんな彼が気象予報士に興味を持ったのは、大学卒業時のこと。それまで気象庁のみで許されていた天気予報を民間の会社でも実施できるようになってから、数年が経過したころでした。

難関の試験を突破し、無事気象予報士の資格を取得した田中。そんなとき、とあるベンチャー企業が伊豆大島に気象レーダーを建てたというニュースを見かけました。

田中 「気象予報が自由化されたとはいえ、当時民間の会社で大々的に観測をしているところは無く、何億円もする気象レーダーを建てて、きめ細やかに観測して解析することで予想を出すというのは、革新的でした。なので、『この会社ならより正確な情報を提供できる!』と思って入社を決めました」

そうして入社したのは、約20名の社員のうち10名が気象予報士という会社。民間の会社への天気予報に関するデータ提供や、放送局の天気予報原稿の執筆が主な業務でした。独自に気象レーダーを持っていたことから、雨の状況をリアルタイムで見て予想できることが会社の強みで、より細かい時間ごとの予想を出していました。

しかしその後、会社のM&Aに伴い広告会社へ転職。3年ほど気象分野からは離れたものの、やはり気象の世界に戻ろうと、気象庁の外郭団体へ入ります。

別業界への好奇心からヤフーへ転職し、気象とインターネットを掛け合わせる

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一度は別の分野に足を踏み入れるも、田中が気象分野に携わっていたのはその時点で計6年間ほど。そこからさらにヤフーへ転職を決意したきっかけは、自身の純粋な好奇心でした。

田中 「キャリアを重ね、ある程度気象のことがわかってきたので、気象以外の分野に携わってみたいと思ったんです。インターネットはそれまでの仕事でも使う機会があったため、そのような業界で仕事をしてみたいと思い、転職を決意しました」

転職時に気象会社は視野に入れず、コンテンツプロバイダーやサービス制作を中心に転職活動を始めます。最終的にヤフーへ入社を決めますが、これまでの経歴から「Yahoo!天気・災害」の担当となり、またしても気象分野に関わることになったのでした。

田中 「気象から離れようとは思っていましたが、自分の強みである気象とインターネットの仕事をかけ合わせてやっていけるのは、とてもありがたいことだと思いました」

「Yahoo!天気・災害」は普段の生活に密着し、気象に関わる困りごとをひと目で解決するサービス。毎日の天気や雨が降る細かい時間、そして台風や地震といった災害情報をわかりやすく整理しユーザーへ提供しています。

田中 「天気予報の見方って、十人十色なんですよね。たとえば天気アイコンしか見ていない人もいれば、降水確率を重視する人もいるし、最高気温が一番気になるという人もいる。 1時間ごとの細かい天気を確認したい人もいれば、週間予報で十分という人もいる。普段何を気にして過ごしているかによって、天気予報の見方は大きく異なるんです。
さまざまな見方ができるサービスだからこそ、重視するものの違いで排除してしまうことのないように気をつけています。中でもユーザーのほとんどが気にしているのは、雨がいつ降っていつ止むのか。そのため雨に関する心配事を無くすということを目指しています」

多いときには1日2,000万人以上が利用するサービスだからこそ、シンプルで使いやすいという点にもこだわっているそう。わかりやすく情報を提供するというコンセプトは、田中がヤフーに入社したときから変わりません。

しかし、実は「Yahoo!天気・災害」はもともと天気予報をメインに提供するサービスでした。そして「Yahoo!防災速報」は、あるターニングポイントを経たことで新しく誕生したのです。

3.11をきっかけとし、さらなる進化に踏み切る

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ヤフーで11年間気象サービスに携わっている田中が1番のターニングポイントだったと感じているのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。

田中 「当時は天気情報と災害情報が別々のサービスで提供されていました。しかし災害の多くは気象災害であり、毎日の天気と密接に関わっていることを考慮して、『 Yahoo !天気・災害』というひとつのサービスとして提供していくことになったんです。
3 . 11より前にも、地震情報などをメールで通知するという構想はあったのですが、未曽有の地震や津波といった大災害が起きたとき、当時のサービスで提供していた情報だけでは全然足りないと思ったんです。そこで、もっと人々の命を救える情報を提供するサービスにしようと決めました」

「Yahoo!防災速報」を立ち上げた経緯にも、3.11が深く関わっています。

田中 「地震や津波の情報をどこよりも早く伝えるという目的もありましたが、当時は電力不足による計画停電がありました。そういったこともあり、計画停電や電力の窮迫情報を伝えるために、『 Yahoo !防災速報』ができました」

地震や津波だけではなく、近年では2018年7月の西日本豪雨のような豪雨災害が懸念されています。田中は豪雨災害において「Yahoo!天気・災害」で雨量を伝えるだけでなく、「Yahoo!防災速報」で土砂災害や洪水といった情報を提供していくことが重要だと考えています。

田中 「災害に関する情報は、気象庁や国土交通省、地方自治体などが発表しているんですが、それが人々にちゃんと伝わっているのかと疑問に思ったんですよね。
さまざまな機関が発表している情報をヤフーが集めて、『 Yahoo !防災速報』というひとつの場所で伝えていく。異なる機関の情報をひとつにまとめて提供するのは一筋縄ではいきませんが、必要な情報をユーザーに届けるために取り組んでいます」

また、災害時の避難指示が発表された際に、旅行中などでなじみのない場所にいる場合、自分が避難の必要な区域にいるのかどうかがわかりにくい可能性があることも課題です。そのため危険区域を可視化して、一目で確認できるようにする準備も進めています。

情報の整理や提供がさらに進むことで、一般ユーザーだけでなく、救急活動にあたる自衛隊などでも活用できるサービスになればいいと田中は考えています。

田中 「 2016年の熊本地震の際には、省庁の関係者と情報交換をして、ヤフーで取得できる情報を活用できないか議論しました。災害時に役立つサービスづくりに、今後ますます取り組んでいければいいと思います」

天気予報のスタンダードとして、いつでも役立つサービスを

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大きな災害を経験してサービスの課題が明確になったことで、田中たちのミッションはより固まりました。

田中 「こんな言い方をするとおこがましいかもしれませんが、人々の豊かで安全な暮らしを支えることをミッションにしています。『 Yahoo !天気・災害』や『 Yahoo !防災速報』だけがあれば、豊かな生活ができるというわけではありませんが、ユーザーの意思決定に私たちのサービスを役立てていただきたいんです。
たとえば、明日晴れるならここに行こう、雨が降るなら家でのんびりしよう、災害が近づいているならしっかりと備えよう、そういった意思決定ができる情報を整理して、届けていきたいと思っています」

そのために心がけているのは、「わかりやすく、使いやすいサービス」を提供すること。

田中 「僕たちは気象会社ではないので、できる範囲は限られています。だからこそ、わかりやすさや使いやすさで勝負していく。こんな情報があればもっとユーザーにとって使いやすくなるという意見があれば、気象会社の方々とディスカッションしながらつくっています」

わかりやすく、使いやすいサービスにこだわること。それは次第にインターネットを通じて提供されている天気予報サービスのスタンダードとなっていきました。

田中 「ウェブやアプリでの天気情報の見せ方には、実は『 Yahoo !天気・災害』が始めたものが多々あります。
たとえ同じような見せ方のサービスがこれから増えたとしても、『 Yahoo !天気・災害』の使いやすさには自信があります。気象会社ではないので 1歩先の天気予報はできませんが、情報の見せ方という面では、他社の半歩先を歩いていきたいと思っています。
多いときには 1日 2 , 000万人の方に使っていただいているサービスですが、スマートフォンの普及率と天気に興味がある人口を考えると、もっとたくさん使われるようになってもいいはず。だからこそ利便性を高めて、より多くの人に使われるサービスを目指したいですね」

天気や災害の情報をわかりやすく伝え、ユーザーの生活を豊かで安全なものにする。そのために田中率いるチームメンバーは、ユーザーのためこれからも歩き続けます。

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