もう弥生“会計”株式会社とはいわせない ――「あなたの事業コンシェルジュ」が挑戦する未来像

私たち弥生株式会社は、17年連続で売上実績NO.1を達成(※2016年現在)している会計ソフト「弥生会計」をはじめ、さまざまな業務ソフトを開発し、お客さまへと提供してきました。しかし2008年より、私たちは「業務ソフトメーカー」から「事業コンシェルジュ」へと進化を遂げようとしています。今回は改めて、その背景を皆さまへお伝えします。
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市場に浸透した製品イメージのウラ側で――新たな道の模索

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「弥生株式会社は、何の会社か?」と問われたら、当社を知るほとんどの方が「会計ソフトメーカー」と回答されるでしょう。事業者が会計などの業務で使うためのソフトを、開発・提供している会社である、と。

私たち自身も、かつてはそのような認識でいたこともあります。その企業イメージの影響で、「弥生“会計”株式会社」と間違われることもしばしばです。

しかし、その答えは半分正解で、もう半分は誤りです。


実は、私たちは2008年から、「会計ソフトメーカー」や「業務ソフトメーカー」から、「事業コンシェルジュ」へ進化する道を、試行錯誤しながら歩み続けてきました。そしてその歩み、今もなお続いています。

私たちが目指している「事業コンシェルジュ」とは何か――。

私たちの主なお客さまは、中小企業、スモールビジネスを営む事業者の方々です。お客さまは会社や事業を成長させていく過程で、何度も壁に突き当たったり、さまざまな悩みを抱えることになります。その課題や悩みに寄り添う存在こそが、「事業コンシェルジュ」である。私たちは、そう考えています。

私たち弥生の使命は「日本の中小企業、個人事業主、起業家の事業を支える社会的基盤(インフラ)として、日本の発展に能動的に貢献」すること。そして私たちのありたい姿は、「共有・共生・共創の力を活かし、お客さまの事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズにお応えする」というもの。

従来通り、製品としての業務ソフトを提供するだけではなく、その周辺へと目を向け、そのサービスの輪を広げはじめたのです。

こうした明確な方向性が、「MVV(Mission Vision Value)」として社内に提示されたのは2008年のこと。その中心となったのが、現代表取締役社長の岡本浩一郎でした。

激動の時代を乗り越え、再び自分たちの“原点”に立ち返る

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岡本が代表に就任したのは2008年。それまでの数年間は、弥生にとってまさに激動の時期でした。2003年に米・インテュイット社より分離独立を果たし、翌年にはライブドアグループ入り。しかし2006年のライブドア・ショックによって再び独立を余儀なくされ、事業的にも大きな転換点を迎えていたのです。

岡本は代表就任の前年から、投資会社から依頼を受け経営コンサルタントとして弥生に関わっていました。代表就任以前はいわば“第三者”であったコンサルタント・岡本の目に、当時の弥生はどんな会社として映っていたのでしょうか。

「とにかく社員たちに、“お客さまのためになることをやる”という意識が強いことに驚きました。NO.1のシェアを長年維持し続けるためには、お客さまからの圧倒的な信頼が必要です。そのひとつの要因が垣間見えましたね。素直に、底力がある会社だと思いました」(岡本)

その時点でも、主力製品である会計ソフト「弥生会計」の売上実績はNO.1を維持し続けていました。しかし企業である以上、当然そこからさらなる成長が求められます。新しい市場、新しいお客さま、新しいビジネス……私たちもさまざまなことにチャレンジしましたが、必ずしもその全てが成果に結びついたわけではありませんでした。

「実は社長就任の前に、50人以上の弥生社員から話を聞く機会があったのです。そこで、会社が一体どこに向かおうとしているのか、全社員が理解し、共有できる明確な指針が必要だと感じました。目指す場所はもちろん、なぜそこに行く必要があるのか、そもそも私たちは何のために存在するのか……それをもう一度、全員で確認しなければならない、と」(岡本)

では、次はどうするべきか――代表を引き継いだ岡本が選択したのは「原点回帰」でした。

私たちのお客さまは、小規模なビジネスをされている事業者の皆さまであること。それを再確認し、その上で、当社として提供すべき価値は何かを改めて見つめ直したのです。そこでこれから目指す方向性を「事業コンシェルジュ」と明確に定義し、それを「MVV」によって全社員と共有することにしました。

「私自身、弥生に入る以前はスモールビジネスを営む事業者のひとりでした。だからこそ事業者の方が、さまざまな悩みや困りごとを抱えていることを自分事として実感していたのです。それらを解消するために私たちに何ができるかと考えた結果、『事業コンシェルジュ』にたどり着きました」(岡本)

「お客さまのために」という根本にある意識と、新たな指針である「事業コンシェルジュ」。私たちがもともと持っていた想いに、明確な方向付けが加わることによって、私たちの新たな挑戦がはじまりました。

新たな指針「事業コンシェルジュ」とは? 社員たちの戸惑いと模索

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会社として向かうべき方向が示され、新たな一歩を踏み出すことになった弥生。しかしこれまでなかったものが全社員へと浸透するまでには、かなりの時間を要しました。

「お客さまのために」という社員たちの意識はもともと強かったものの、それは「業務ソフトメーカーとして」という前提条件のもとにあったもの。業務ソフトメーカーとしてどうあるべきかを考えることはできても、それが「事業コンシェルジュ」だとどうなるのか……? 当初は多くの社員が、新しい言葉に戸惑っていました。

「確かに自分たちの役割は、かっちりと定義した方がわかりやすいし、行動もしやすい。でも私たちはあえて、その役割を意識して広げていこうとしました」(岡本)

その意図は、現場にも少しずつ届きはじめます。MVVを策定してから、社内で最初に生まれたのは「仕訳相談サービス」。それは長年お客さまと接してきた、とある社員発案のサービスでした。

「業務ソフトメーカー」であることを前提とするなら、仕訳をデータとして入力・集計・出力できるソフトウェアを作ればいいことです。でも実際に事業者の方が求めていたのは、そこだけではありませんでした。お客さまは、「そもそもどんな仕訳を入力すればいいのか」でも悩んでおり、それこそが「事業コンシェルジュ」として解決すべき事柄だったのです。

この「仕訳相談サービス」、スタート当初こそ相談数が少なかったものの、リピートや口コミによって年々利用者が増えています。そこには確かにお客さまのニーズがあり、私たちが提供できる価値も見出すことができました。

「お客さまと接するなかで、各々の社員はソフトだけにとどまらない課題やニーズがあることはわかっていました。でも自分たちは業務ソフトメーカーだから……と、可能性を閉じ込めてきた部分があったのかもしれない。

そこを“事業コンシェルジュ”としてやろう、と役割を広げることで、自分たちがそれを提供してもいい、そこまでやっていいんだ、という意識が生まれたのだと思います」(岡本)

「これでいいのか?」という戸惑いからはじまり、「ここにもニーズがありそうだ」「次はここまでやってみよう」という前向きな姿勢へ……何年もの時間をかけ、次第に全社員によって「事業コンシェルジュ」の在り方が模索されるようになりました

会計や経理だけではない ―― 「事業コンシェルジュ」としての未来

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すべての事業展開の根本にあるのは、「困っているお客さまの役に立ちたい」というシンプルな想いに他なりません。そしてその思想は、私たち弥生の製品やサービスの設計にも色濃く表れています。

一口に「中小企業・事業者」といっても、お客さまのタイプは実に多種多様。その中には老舗の町工場もあれば、最先端のサービスを提供するIT企業もあります。それぞれ全く異なるニーズを持つお客さまに対して、私たちはできる限り多くの選択肢を提供していくことを目指しています。

たとえばソフトのクラウド版とデスクトップ版、両方を提供し続ける。サポートも、電話はもちろん、メールやチャットなどでも対応する。そのために、私たちは大阪と札幌で600席のカスタマーセンターを運営しています。

「流行りや最先端の技術を追うことも大切ですが、それ以上に重要なのは、あらゆるお客さまが常に自分たちに合ったものを選べるということ。そして、それを実現できるのが、弥生の強みです」(岡本)

長年にわたって培ってきた、このような事業基盤を軸に、私たちはこれからも中小企業・事業者にとっての「事業コンシェルジュ」として進化を続けていきます。岡本は、この進化を遂げた先にある弥生の理想の姿を、次のように描いています。

「これまで私たちの業務は業務ソフトの開発・販売にとどまらず、経理業務全般のサポートへと広がってきました。でも、このまま経理分野だけに留まるつもりはありません。

お客さまの事業発展に貢献することが私たちの使命なら、たとえば労務関連の課題解決や販売業務の圧倒的効率化など、まだまだできることは山ほどある。自分たちだけで全てをカバーするのは難しくとも、会計事務所などのパートナーと連携すれば、きっと実現できます」(岡本)

実際に、2016年2月には、クラウド請求管理サービス「Misoca」のグループ会社化を発表しました。これも私たち弥生のミッションを実現するための、重要な一歩です。

今後、ひとりでも多くのお客さまに、弥生株式会社を「事業コンシェルジュ」として認めていただけるように――。さまざまな可能性を模索しながら、私たちは、これからもさらなる前進を続けていきます。

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