あえて“空気を読まない”技術フェローのジョインで生まれた変化

クラウド見積・納品・請求書サービスを開発する株式会社Misocaは、2016年に弥生株式会社のグループ会社となりました。そんなMisocaの共同創業者のひとり、松本哲は2019年に弥生の技術フェローに着任。松本が現在進行形で起こしている変化を紹介します。
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物事がうまくいく仕組みをつくり、世の中の問題をなくしていく

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2016年、弥生は時代の変化に合わせて、新たな化学変化を起こすべく、請求書作成ソフトの開発・販売を手がけるMisocaをグループ会社化しました。2019年現在、Misocaの共同創業者である松本哲は、当社の開発本部に技術フェローとして参画しています。

高校生のころからプログラミング経験があったと話す松本は、大学卒業後にさまざまな企業で経験を積み、2011年に「Misoca」をリリース。ITの力を使って煩雑な業務の効率化を進めることに魅力を感じて、事業を進めていました。

松本 「物事が自動的にうまく進んでいく仕組みをつくることがおもしろかったんです。さらにそれを使って、世の中にある問題が少しでもなくなれば嬉しいなと。だから事業を始めるときは、これは世の中を良くするために役立っているのか、という視点を大切にしています」

弥生のシステム開発部のシニアテクニカルリーダー・黒木進矢は、松本のこうした考え方に裏打ちされた働き方に、新たな可能性を感じています。

黒木 「長年培われてきた働き方、仕事の流れなど、松本にあって開発本部のなかでアップデートされていない面が多々ありました。外部の情報も入ってきにくくなってしまって。松本にはそうした外部の視点をどんどん取り入れていってほしいという想いがありました」

現在、松本は特定のチームには属さず、部署間も越えた様々なプロジェクトに自発的に入り、相談役やプロジェクトのサポート役などリベラルな動きに加え、自分でも社内ミートアップを立ち上げるなど、これまでの知見に基づき、弥生全体の活性化に貢献しています。

それは一方的に技術・ノウハウを伝えるのではなく、より良いやり方をメンバーと一緒に見つけていくことが肝心。そして何より、最終的には個々のメンバーがもっと自発的に動けるようになる環境を整えたい、そうした考え方が根底にありました。

松本 「技術フェローの打診をいただいたとき、弥生の開発メンバーが楽しみながら働ける環境をつくろうと思いました。仕事なので辛いことはあるはず。でも技術とメンバーとの関係性が良いものになれば、働きやすくなり、業務のなかで楽しいことも増えていくはずですから」

しかし開発本部はメンバーが多く、複数のチームに分かれているため、横断して交流できるような雰囲気が松本から見るとあまり無いように見えました。風通しのよい組織と言われていても、昔からの慣習や組織の文化、システム上の都合など、疑問に思うこともなあなあになるケースはあります。

でもフラットな視点は、よりよい環境づくりに不可欠だと考えるので、それは極力なくしたほうがいいと思っています。よそ様の立場だからこそ、あえて“空気を読まない”コミュニケーションで改善した方がいいと思うことはどんどん発言するようにしています。

そこで、風通しを良くして交流が生まれるような試みをスタートさせていったのです。

若手エンジニアが失敗を恐れず、のびのびと動ける環境をつくる

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▲初回の開発者ミートアップ

松本は社内での交流を目的として、ミートアップを開催しました。弥生には製品・サービスが複数あり、10チームほどに分かれて開発・改善を進めています。そのため、ほかのチームにどんな人がいるのかも把握しづらい状況でした。

困ったことがあれば、チーム関係なく社員に聞ける雰囲気があることは、組織の強みになります。そのため、お互いに情報共有できるような土壌をつくりたいという想いがありました。

松本 「社内を、若手エンジニアがのびのびと意見を言えたり、開発できたりする場にしたいと思いました。それに伝統を重んじるよりも、効果が高いものを選んでいくのがエンジニアリングだと考えています。多様な視点を持ってもらうことが大切です。

ミートアップを開催するにあたり、社員に何度も伝えたのは『なんでもいいから自分が頑張ったことを発表して、みんなに褒められよう』ということ。どんどん発言できる雰囲気をつくることが大切なので、たとえ若手の詰めが甘い提案だとしても、ちょっとは大目に見てほしいとチームリーダーにも伝えました」

ミートアップでは、チームの紹介から、チームで使った技術の話、消費税の計算式の話など当社ならではのものから、技術トレンドの話まで、多様な発表がありました。

松本 「本質的にはミートアップだけではなくて、チャレンジしやすい環境をつくりたいですね。だから、失敗しても大丈夫な状態を整えておくことを大切にしています。損することはないから、全然気にしないで、と若手のエンジニアたちには伝えています」

社員同士の距離感を縮めて、本音を話してもらう。最近は若手エンジニアも打ち解け、ベテラン勢の話も聞いてみたいという意見が挙がってきました。

そして次に、松本は社外に対して弥生のイメージを変える試みをしていったのです。

弥生は技術の会社。日々の努力で最先端技術にも対応

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▲2019年度の「de:code」では、開発本部が中心となって資料やブース設計を行う

当社は数年前から、マイクロソフト社が主催するエンジニアを対象にしたテクニカルカンファレンス「de:code」に参加していました。de:codeは各企業がブースを出展しているほか、AIやクラウド、IoTなどに関する100以上のセッションも開催される大規模なイベント。

ここではとにかく会社のことを知ってもらい、採用につなげることがこれまでの参加理由でした。しかし効果が出ているのかは、はっきりとはわかりませんでした。

弥生が持たれがちなのは「スーツを着た、お堅いのピラミッド構造の組織」という誤ったイメージ……。技術に対してきちんと投資をしている開発企業であることを伝えたい。社内と外部が持つイメージに大きなギャップを感じた松本は、伝えたいメッセージを明確にすることをチームで共有しました。

松本 「エンジニアの人にキャリアをちゃんと築ける会社だと理解してもらい、優秀な人材のキャリアの選択肢に入れてもらうためには、開発本部内がどんな組織構成で、どんな技術を使い、どんな気持ちでつくっているのかを明確に伝えようと思いました」

2019年度のde:codeでは、開発本部が中心となって資料やブース設計をしました。開発本部の技術や取り組みを、来場したエンジニアの皆さんに伝わるように努めました。

松本 「最初からすでに技術を身につけていた人はいません。普段プロダクト開発をしていた社員が、 AIや機械学習の分野を頑張って勉強し、機能に反映させてきました。入社してからこつこつ勉強するなど、日々の努力を重ねた結果、最先端の技術も習得できていきます。弥生では、頑張ればちゃんとスキルは身につくんだと思ってもらえるようにしたいですね。

さらに Microsoft Azureといった、プラットフォームもどんどん取り入れている会社です。その基盤部分も試行錯誤しながら改善をしているので、意外とレガシーではないことを伝えたいと思います」

チームメンバーが楽しく働ける仕組みづくりで、ポジティブな変化を期待

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▲今後はミートアップに限らず、それぞれが毎月の頑張りなどを共有できる雰囲気になればいい

松本のアクションに加え、社内で行われていた勉強会をリニューアルするなどの変化も生まれてきました。今後はミートアップに限らず、それぞれが毎月の頑張りなどを共有できる雰囲気になっていけばいいと、松本は考えています。

松本 「世の中にある勉強会イベントみたいなものを社内でもやっていってほしい。そこからスピンオフして、特定の技術に興味のあるメンバーで集まり、意見を共有するのもいいですよね。そういう勉強会に慣れたら、実際に社外のイベントに出て発表もしやすくなるでしょう」

松本が起こすアクションから、社員にポジティブな心理的変化が起きることを黒木は期待しています。

黒木 「ゼロから何かを立ち上げるという経験・ノウハウは、どんな会社でも貴重です。松本には Misocaを立ち上げ、プロジェクトを進めてきた経験があります。泥臭いことも含め、取捨選択を繰り返して軌道に乗らせてきた経験はすごく貴重な存在だと思っています」

業務の効率化だけじゃなく、やはり大切にしたいのはチームメンバーが楽しく働ける状態をつくること。そのための工夫をしながら、弥生のような規模の企業にも波及できる仕組み・仕掛けをつくっていきたいと考えています。

松本が技術フェローとしてジョインしたことで何が生まれていくのか。社内を巻き込む取り組みは、まだまだ続きます。新しい風が入り、加速していく弥生に今後もご期待ください。

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