「コンサルは泥臭い仕事です」 インターンを通して学生たちに伝えた “現場と現実”

中小企業を支援する山田ビジネスコンサルティング株式会社は、学生を対象として、毎シーズン5日間のインターンシップ・プログラムを実施しています。私たちがこの5日間で伝えたいのは、泥臭い“コンサルの現場の実態”。2018年卒向けのプログラムに参加した3名の学生は、この現実をどのように受け止めたのでしょうか。
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“たまたま”YBCのインターンシップを見つけた、3人の学生

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▲左よりYBC人事の増田、岩瀬さん、川越さん、山本さん

私たち山田ビジネスコンサルティング株式会社(以下、YBC)は、中小企業・中堅企業の経営全般に関するコンサルティング業務を行う会社です。とくに事業再生を根幹とし、経営難に苦しむ企業を“ご支援する”活動に注力しています。

2016年8月から2017年2月にかけて、私たちは2018年卒の学生に向けの5daysインターンシップ・プログラムを4度実施しました。

初日と2日目の午前はレクチャー。2日目の午後から4日目は、立ちゆかなくなっている企業の各種データをもとに、事業を再生させるための方策をチームで話し合います。そして5日目に銀行員に模したYBC社員にプレゼンをして、融資の模擬交渉を行うというスケジュールです。

これは、当社のコンサルティングの現場を余すことなくプログラムに落とし込んだものです。

2016年夏、就活サイト経由で募集をかけていたこのインターンシップに目を留めたのは、経済学部4年(当時3年)の岩瀬勝稔さん。大学では計量経済学を専攻し、部活では少林寺拳法に汗を流しています。

岩瀬さん 「もともとコンサルタント志望ではありましたが、YBCという会社があることすら知りませんでした。就活サイトでたまたま見かけたのが応募のきっかけです」

“コンサル業界”という広いくくりの中から、YBCのインターンシップに目を留めた岩瀬さん。彼と同じチームとなった商学部4年(当時3年)の山本貴士さんもまた、もともとコンサルタントを志望していた学生でした。

山本さん 「コンサル業界について学びながら経験値を積みたいと思って、インターンを探している中で見つけました。1日だけのインターンもあったんですけど、それじゃつまらないと思って。5日間でじっくりやれて実務の体験もできる点が、このインターンの魅力でした」

農学生命科学研究科に所属し、アフリカの農村開発を研究している大学院2年(当時1年)の川越結さんが2017春のインターンに応募したきっかけは、就活サイトの掲示板です。

川越さん 「コンサルティングをなんとなく見ていたら、掲示板で『YBCのインターンは行くべき!』という書き込みがあったんですね。業務を実際に知れるインターンを探していましたし、これは良いやと思って応募しましたね」

大手コンサル会社と比べると、決して知名度が高いとは言えないYBC。しかし、“現場”を体感できるインターンはなかなかないということで、多くの学生が彼らのようにプログラムに参加してくれました。

何もわからないまま、ひたすら手探りを続けた3日間

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▲プログラムでは、先輩社員がアドバイスをくれた

プログラムに参加した学生たちに与えられたミッション、それは、傾いている寿司チェーンの事業再生です。県内14店舗のそれぞれのデータが与えられ、学生たちはそれを元にどのようにすれば経営を立て直すことができるか、4〜5人のチームに分かれて知恵を絞ります。

業態転換に店舗移動、人件費カット——何をするのが正解なのか……。膨大なデータと限られた時間を前にして、学生たちは苦しみます。

山本さん 「いろんな資料を渡されて、聞いたことある指標を全部作ってみて……。ただ、それをどう扱えばいいのか全然わからないという事態に陥りました。どれだけやっても前に進んでいる感じが全然しなかったですね」

資料をもとに山本さんと岩瀬さんのチームは、好業績の店舗にならい、まずは売り上げの低い2店舗をショッピングモールに移設することを提案します。しかし、“銀行員”に思わぬ反撃にあいます。

岩瀬さん 「好業績の店舗に倣ったらうまくいくだろうっていうのは、安直で楽観的でした……。結果、『そんなに都合よく空きテナントは見つからないだろう』ってゴリゴリに詰められました」

川越さんのチームはコスト削減の面で人件費のカットを進めていましたが、そこでもやはりつまずきがありました。

川越さん 「『人件費3割カット』するには、何をどうすればいいのか、それはどれだけ現実的なのか、先輩社員に詰められました。私たちが出しているのは理想的な予測でしかなくて。“やってみなければわからないもの”をどう説明して、納得させるかというのが難しかったですね」

データの扱い方も、相手を納得させるロジックの立て方も、何もわからないまま手探りで彼らは考えて、考えて、考え抜きました。インターンのプログラムは日中ですが、プレゼン前日には夜遅くまで粘って、よりよい道を探していたチームもあります。

そしてプログラム最終日、集大成であるプレゼンを終えた学生たちに対して当社の先輩社員が出した解のひとつが、「役員の報酬カット」。それは当社が考える「事業再生は“痛み分け”」というメッセージを体現するものです。

岩瀬 「初日のレクチャーで聞いたときは全然わからなかったのですが、最後の最後で“痛み分け”の意味を納得しました。傾いている企業に不安ながらも融資する銀行。自らの報酬をカットして覚悟を見せる経営者。それぞれが、痛みを分かち合いながら再生へ向かっていくのが、事業再生なんだと気づかされました」

ただ、お客様の隣に立つだけではなく、もう一歩踏み込んでお客様自身の改善をしていく--。孤独を抱える中小企業の経営者の「パートナー」として共に歩んでいくのが、YBCのコンサルのあり方なのです。プログラムに参加した多くの学生は、そのことに気づいてくれたようでした。

苦しんだうえで決めた、コンサルをやっていく覚悟

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▲プレゼン(5日目)当日の風景

たった5日間。しかし密度の濃いインターンを終えた直後の学生たちの顔は、みな一様に解放感に満ちていました。

川越さん 「とにかく、ハードな5日間でした。やっと重いエクセルファイルから解放されると思うと、うれしかったです(笑)」

わずかなアウトプットのために、何時間もかけて膨大なデータと格闘しなければならない。また、人の人生を左右する大きな責任も負っている……。華やかな頭脳労働というイメージが世間では先行しているように見えますが、コンサルは精神的にも肉体的にも追い込まれる、ハードな職種です。そしてその“現実”を伝えることこそが、このインターンプログラムの目的でした。

しかし、岩瀬さん、川越さん、山本さんの3人は、そのコンサルの苦しさと5日間向き合い、その実態を知ったうえで、私たちYBCの新卒採用選考に進むことを決めてくれました。

山本さん 「事業再生においては、銀行も経営者もリスクを負っている。自分たちもそれなりの覚悟を持っていかなきゃいけないというのは、プログラムのなかでひしひしと感じました。ただ、責任の重さの分だけ、関係者と強い信頼関係が築けるという点が魅力に思えたんです」

山本さんと同じグループで、前日、期限ギリギリまで粘った岩瀬さんもまた、そのリスクや辛さを甘受して“コンサル”と向き合うことを決めたひとり。

岩瀬さん 「人の人生を預かる“重み”をとても感じました。それに、脳がショートするぐらい考えることの辛さも……。ただ、その辛さを乗り越えたあとの達成感を、人生を通して味わってみたいと思ってしまったんです」

飢餓問題で苦しむ人々を救いたいという想いからアフリカの開発の専攻を決めた川越さんは、中小企業の実態を知り志望度を上げました。

川越さん 「中小企業は、会社が傾くと自宅が担保になってしまうぐらい、家庭と経営が密接につながっていることを教わって。その人たちは、誰も助けてあげられないじゃないですか。だからこそ、『私たちが助けないといけないんだ』という使命感を持たざるをえなかったです」

インターンを経てコンサルの苦しさを知ったうえで志望度を上げた3人の学生。彼らは最終面接を無事に通過し、YBCの内定を手にすることとなったのでした。

私たちが伝えられるのは「コンサル」の真の姿

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▲大量のデータ・資料に苦戦させられた

インターンシップ・プログラム終了後、選考を経て内定を得た3人の学生。彼らが選考を振り返り評価されたと思ったポイントは、コンサルタントとして、課題を見抜き、解決するまでコトに向き合う「ガッツ」や「やる気」でした。

少林寺拳法を10年間続けてきた岩瀬さんに、「ライフイベントさえなければずっと海外にいる覚悟がある」と海外勤務への意志を語った川越さん。それに、高校時代の部活で「常に考える」ことの重要さを学んでいた山本さん。皆、「ガッツ」と「やる気」に溢れていました。

山本さん 「昔ハンドボ−ルの先輩に、一動作ごとに『なんでそういう動作をしたのか考えろ』ってすごく言われてて。それが元になって相手の動きの分析もするようになりましたね。大学ではいろいろなことを経験してそれぞれから学びを得ましたが、考えることの原点となったのはその先輩です」

そして3人は皆、ぶれない軸を共通して持っていました。採用活動において、私たち大人は、その軸を与えることはできません。

ただ、一人ひとりの軸に沿うように、私たちYBCがどういうことを、どんな気持ちでやっているのか、“正しい姿”を伝えてあげることはできます。逆に、もしも私たちが間違った姿を伝えてしまえば、きっと内定を得たあとでもすぐに離職してしまい、将来有望な若者のキャリアを傷つけてしまうかもしれません。

岩瀬さん 「思った以上にハードで、泥臭い作業が多いインターンでした。軽い気持ちでコンサルを考えている人には、絶対に勧めませんね」

コンサルは、決して綺麗な世界ではありません。この、職種に対する世間のイメージと現実とのギャップは非常に大きいと私たちは感じています。そのため、YBCは、できるかぎりコンサルの本質を隠さず、さらけ出して伝えようとしているのです。

実際、インターンの5日間のプログラムは生易しいものではありません。私たちは学生の皆さんに本気を要求します。

川越さん 「人を救うという緊迫した場面で、コンサルの“現場と現実”を感じられるワークでしたね」

しかし、そのきつい側面を知ったうえで、私たちは学生の皆さんの覚悟や夢に、耳を傾けたいと考えています。

膨大なデータと向かい合う辛さ、本気で考え抜くストレス、人の人生を背負う責任……。それらを受け入れたうえで、なお、コンサルに挑戦してみたいと “本気”になれる仲間が増えることを、私たちは待ち望んでいます。

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