企業の命運を握る「事業再生コンサルティング」ーー現場の苦悩とやりがいとは

山田ビジネスコンサルティング株式会社は、主に事業再生を担うコンサルティング業務を手がけています。その実態を包み隠さずさらけ出すインターンシップ・プログラムを運営するのが、総務・人事部に所属する増田祥人です。彼がどんな経歴を歩み、どのような思いでプログラムを提供するのか、そのストーリーを紹介します。
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地元を元気にしたい――新卒でECコンサルタントへ

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▲総務・人事部の増田祥人

大学進学を機に、故郷の宮崎を離れた増田。盆と正月に帰省する度、目に見えて活力を失っていく街の様子を目の当たりにして、彼は「この現状をどうにかしたい、地方に貢献できる仕事がしたい」と考えるようになります。

そんな想いを抱きながら、最初に選んだ就職先は、大手ECサイトを運用する会社でした。

増田 「EC(≒ネットショッピング)をうまく活用すれば、客足の減っている地方の店舗を元気にできる。それは結果的に、地域活性にもつながるはずだと考えたんです。その会社は当時、“日本を元気にする”というスローガンを掲げていたので、自分にピッタリだと感じて、迷いなく入社を決意しました」

入社後、増田はECコンサルタントとして、担当店舗に事業戦略を提案する業務を担いました。店舗の売上げに貢献することのやりがいを感じる一方で、胸中には「果たして、これが本質的な店舗の立て直しになるのか」という疑問が膨らんでいきます。

増田 「コンサルティング内容は、『どうやってECサイトでの売上げを伸ばしていくか』という点に特化していました。ただ、多くのクライアントはEC上の仮想店舗だけではなく、リアルな店舗も含めて経営をしています。仮にWeb店舗でだけ売上げが伸びても、実店舗の客足が戻らなければ、地域の活性にはつながりにくい……ECに特化したコンサル業務に携わる中で、そう気づいたんです」

数十社の店舗の部分的な事業コンサルに携わる現状に、歯がゆさを覚えはじめた増田。もっと一社一社と時間をかけて向き合い、抜本的な事業全体のコンサルティングに携わろうと決意を固めた彼は、新卒入社から1年弱で転職に踏み切りました。

“当事者意識”を常に求められる社風

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▲オフィス外観

もっと当事者意識を持って、中小企業を元気にできるようなコンサル業務に携わりたい……そんな想いを抱いて、増田は当社に中途入社しました。

増田 「実は、学生時代にここでアルバイトをしていたんですよ。その頃から『お前だったらどうする?』と、社員から聞かれていたのが印象的でした」

コンサル会社での学生アルバイトは、「提案のための下調べをして、資料をまとめて渡したら終わり」というのが一般的。しかし、増田が当社で経験したアルバイトは、一味違っていました。

増田 「常に『自分がどうしたいか』を問われ続ける環境で、その意識付けが学生アルバイトにも徹底されていることに、会社としての真摯さと意志の強さを感じていましたね。また当時の山田ビジネスは、手がけている案件の多くが中小企業の事業再生だったので、自分のやりたいことが確実にできると思い、転職先に選びました」

狙い通り、当社に転職してからは、主に事業再生のコンサルティングを受け持つことになった増田。日々の仕事のなかで、コンサル業務における“当事者意識”の必要性を、より強く感じるようになりました。

増田 「ある日、一緒にプロジェクトを進めていた上司から、クライアントとの打ち合わせの直前に『今日行けなくなったから、ひとりでプレゼンよろしくね』と言われたことがあって。もう、焦ったのなんの(笑)。でも、『自分だったらどんな提案をするか』と考えながら資料を作っていたおかげで、その場をひとりで乗り切れたんです」

このアクシデントがきっかけとなって、増田の「コンサル業務に向き合う姿勢」は一変しました。

増田 「実際にクライアントと対話をすることで、『こういう資料が足りなかったな』『あのタイミングでこの話をしたら、もっと真意が届いたな』と、自らの思考不足にも気づくことができました。それからは、積極的にひとりで提案に行く場を作るようになりましたね」

クライアントの命運を握る、再生系コンサルタントの重責とやりがい

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▲執務エリア

これまでに食品スーパーや飲食チェーン、メーカーなど、さまざまな業種の事業再生を手がけてきた増田は、一般的なコンサルタントと、再生系のコンサルタントの差異について、緊迫感の違いを感じています。

成長戦略系のコンサル案件は、極論こちらが何もしなくても、会社が潰れることはありません。一方で事業再生系のコンサル案件は、何か手を打たなければ、クライアントの会社が潰れてしまうのです。

事業再生のコンサルタントは、会社が存続の危機に瀕しているときに、外部からテコ入れをする立場に置かれます。クライアント側の従業員からすれば、「“よそ者”があれこれと口を挟んでくる」ように捉えられてしまうことも……。

増田 「ある案件で、クライアントの従業員のみなさんに書面でアンケートを取ったんです。その回答欄に『今さらあんたらが入ってきて、一体何ができるんだ?』という趣旨の文章が、うわーっと書かれていたことがあって。会って話を聞かなければと思い、意を決してその方との面会を設けました」

必死で平静を保ちながら面会に臨んだ増田。しかし、そこで待っていたのは、思わぬ展開でした。

増田 「その従業員さんは会議室に入ってくるや否や、『助けてください』と頭を下げてきたんです。『第三者のアンタらに何も期待してないけど、それでも、もうアンタらしか頼れる人はいないから』と。こんなこと言われたら、もう死にものぐるいでやるしかない。再生系のコンサルタントは、たくさんの人の命運を握る仕事なんだと、あらためて実感した瞬間でした」

このままいけば確実に潰れてしまう――そんな会社の経営を立て直すには、きれいごとばかり言っていられません。当然、シビアな決断を求められる岐路が訪れます。

増田 「会社の経営者にとって、従業員は家族のような存在です。100人の従業員がいたら、100人守ろうとするのが当たり前。けれども、それを80人にしないと、会社が立ち行かないという状況もある。そんなときに、丁寧に現状を整理して伝え、社長に必要な決断を促すことが、コンサルタントの責務です。納得してもらえるまで、トコトン向き合って、話し合います」

自分こそがやる――コンサルタントに必要な“圧倒的当事者意識”

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▲2019年3月卒学生向けインターンシップの様子

日々、激務でありながらもやりがいを感じつつ、再生系のコンサル業務にあたってきた増田。社歴が長くなるにつれて、会社訪問や説明会などの機会で、学生と話す機会も増えてきました。

そこで増田は「学生が持っている再生系のコンサルティング業務のイメージが、実際のものと離れている」ことに、問題意識を覚えました。そこで、再生系コンサル業務の実態、やりがいを学生に伝えるため、3年前からインターンシップ・プログラムを提供しはじめたのです。

増田 「インターンシップ・プログラムでは、『再生系のコンサル業務がどんな仕事なのか』をさらけ出すようにしています。実際の業務フローに沿って手を動かしながら、事業再生プランを作ってもらいます。最後は社員である私たちにプレゼンをしてもらうのですが、こちらも本気でツッコミを入れていきます」

学生相手だからと言って、一切の手を抜かない。それが、私たち山田ビジネスコンサルティングの考える“さらけ出すインターンシップ“のあり方です。

増田 「実際の業務のつもりでフィードバックをしますから、もうダメ出しの嵐になりますね。だから、ほとんどの学生が消化不良で、結構落ち込んだままプログラムが終わるんですよ(笑)。でも『キツかったけど、面白かったです』と言ってくれる子も少なくない。このインターンシップを経て選考にくる学生は、コンサルタントに向いているなと感じることが多いです」

2017年現在は総務人事部に異動し、インターンシップ・プログラムの責任者を務めながら、新卒採用を担っている増田。多くの就活生と接する中で見えてきた“コンサルタントになるうえでの適性”について、次のように考えています。

増田 「コンサルタントは、常に第三者的な立場からスタートします。だからこそ、『自分がこの現状をしっかり変えるんだ』という強い意志を持っていないといけません。相手の会社の危機を自分ごととして捉える“圧倒的な当事者意識”を持てる人は、コンサルタントとして力を存分に発揮できると思います」

インターンシップを通して、業務の実態を包み隠さず伝えてギャップをなくすことで、適性と気概のある学生の採用へとつなげる――。そうすれば、中小企業をサポートする再生コンサルタントが増え、活気を取り戻す企業の数も増えていくはずです。

会社、学生、将来のクライアントが最も幸せになるストーリーを、他の誰でもない自分が描き出す。増田はその意識をもとに、これからも多くの人の人生と、トコトン向き合っていきます。

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